と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「2025年 共通テスト数学ⅠA完全攻略ガイド:出題傾向・対策法・おすすめ問題集」についてみていきますよ。
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✓対象となる人
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共通テスト数学ⅠA(2024)の問題傾向・平均点・難易度は?
【動画】「とよはし練成塾」塾長が話す!2025年 共通テスト数学ⅠA完全攻略ガイド:問題傾向とおすすめ問題集
ア 共通テスト数学ⅠA(2024)の平均点、難易度や出題範囲は?
→前年度よりやや難化した
下の表は2024年の共通テスト数学ⅠAの問題傾向や難易度についてです。
難易度 | やや難化 |
出題範囲 | 第1問(30点) 数と式・図形と計量 第2問(30点) 二次関数・データの分析 第3問(20点) 確率 第4問(20点) 整数の性質 第5問(20点) 図形の性質 *第3~5問から2題を選択 |
平均点 | 51.38点↓ |
2024年の共通テスト数学ⅠAの難易度は前年度に比べてやや難化しました。
また、私が解いた感覚としては、
・問題文の量が多いため、短い時間で問題の意図をつかむ力が求められる
・前の問題の解き方を踏まえて解く問題(いわゆる誘導問題)が多かった
といった感じでした。
ただし、2025年の共通テストからは問題傾向が変わります。
それを踏まえて過去問演習などに取り組むようにしましょう。
イ 前年度2024年の共通テスト数学ⅠAの過去問題の分析や解説は?
→図形と計量(第1問)はやや難しかった
A 第1問(数と式、図形と計量・計30点)
①数と式(やや易)
不等式に関する問題です。
全体的には解きやすい問題です。
計算ミスをしないようにしましょう。
②図形と計量(標準~やや難)
解答欄にsinやcosが入ってくるため、やや解きづらい問題です。
前半は角APCの角度が45度であることを使って、電柱の高さを求めていきます。
後半のCDの長さは前半の解き方を基に解いていきます。
ただし、sinやtanが絡んだ式となるため、そこは要注意です。
【時間配分】大問1で20分
B 第2問(データの分析、二次関数・計30点)
①二次関数(標準)
(1) 台形の面積から3つの三角形の面積を引くため、やや解くのに時間がかかる問題です。
(2) CQの長さを文字を使っておけるかどうかがカギを握ります。また、式を平方完成をして最大値・最小値を求めていきます。
(3) 今回はQがCに戻るため、文字の置き方が変わってきます。
(4) (2)・(3)で求めた式を使って求めていきます。
②データの分析(やや易~標準)
(1)
(ⅰ) ヒストグラムを読み取る問題です。
(ⅱ) 箱ひげ図を読み取る問題です。セでは四分位範囲に関する知識が問われました。
(ⅲ) 問題文に書いてある通りに解き進めることで答えにたどり着きます。
(2) 散布図の読み取り問題です。
【時間配分】大問2で20分
*大問1・2は文章量が多い問題が多いため、若干多めの解答時間としました。
C 第3問(確率・20点)
第3問は確率の問題で、難易度はやや易~標準レベルです。
(1) 樹形図を描いて考えるとよいでしょう。(得意な人は描かなくても解けます。)
(2) (1)の解き方を元に解いていきます。(ⅲ)は余事象の考えでも解けます。
(3) 問題文が長いですが、しっかりと読み込んでいけばその流れに沿って解くことができます。
【時間配分】12分
D 第4問(整数の性質・20点)
第4問は整数の性質の問題で、難易度は標準レベルです。
(1) 6進法→10進法および4進法→2進法にする問題です。
(2) T4・T6は共に1000になると元に戻ります。そのときの秒数はT4が64秒、T6が216秒となります。あとはこの2つの最小公倍数を求めていきます。
(3) ユークリッドの互除法を使って計算をしていきますが、やや計算量が多いです。そのため解き切るのに時間がかかります。
【時間配分】12分
*2025年の共通テストから整数の性質からの問題はなくなります。
E 第5問(図形の性質・20点)
第5問は図形の性質の問題で、難易度は標準~やや難レベルです。
(1) メネラウスの定理を使って求めていきます。
(2) 方べきの定理を使って求めていきます。なお、シ・ス・セは問題文の図に円を描けば何となく解けてしまいます。
【時間配分】12分
共通テスト数学ⅠAで時間が足りない、苦手になる原因は?
ア 典型問題が解けない
→白チャートなどの易しめのレベルの参考書の内容をマスターしよう
共通テスト数学ⅠAで点数が伸びない原因の一つ目は、典型問題が解けていないからです。
共通テストの問題の中には基本的な知識があれば解ける問題もあります。
ただ、そのような問題ができない人は、一度共通テスト対策を辞めて基本的な問題ができるようにすることを優先してください。
それは基本的な問題が解けない限りはいつまでたっても点数は伸びませんし、そもそも過去問などの解説を読んでも理解できない可能性が出てくるからです。
そのため、教科書レベルの基本的な問題を完璧にできるようすることを先にやるようにしてください。
そして、おすすめの基本レベルの問題の解法暗記をするうえでおすすめの参考書は「白チャート」です。
私が白チャートをおすすめする理由は、
・黄チャートや青チャートでは省略されている(問題数が少ない)易しめの問題が充実している
・途中式などが詳しく書かれているため分かりやすい
といったことがあるからです。
まずは白チャートの各単元の導入部分をよく読み、その後は基本例題を完璧にできるようにしましょう。
なお、EXERCISEまではやる必要はありません。
イ 読解力がない、計算が遅い
→共通テストの過去問や模試、予想問題集を数多く解こう
共通テスト数学ⅠAで点数が伸びない原因の二つ目は、読解力がない、計算が遅いからです。
以前のセンター試験と比べると共通テストの数学は計算量は少なくなりましたが、その分問題文が長くなっています。
そのため、短い時間で「この問題は何について問われているのか?」を理解する必要があります。
そして、素早く問題文の内容を理解するためにやるべきことは、共通テストの問題に慣れることです。
共通テストの問題は、
・全統共通テスト模試や進研共通テスト模試などの模試
・各予備校が出している共通テスト予想問題集
などで対策することができます。
これらの問題を解くことで共通テストの問題形式に慣れることができ、だんだんと短い時間でとけるはずです。
そのため、基本問題ができるようになったらできるだけ多くの過去問を解くようにしましょう。
また、計算は必ず途中式を書くようにしてください。
そうでないと計算ミスが出てしまいます。
普段から計算式を書く習慣をつけて問題を解くようにしましょう。
共通テスト数学ⅠA(2025)で9割取るための勉強法は?
ア 共通テストで高得点を取るためのおすすめ参考書や問題集は?
→学校教材を軸に取り組んでいきたい
共通テストで高得点を取るためには、
②数学の内容を理解する
③共通テストの問題形式に慣れる
が必要になってきます。
また、それらに対応した問題集や参考書は以下の通りとなります。
A・B 基礎固め、数学の内容を理解する
【問題集】
・学校教材(4step、クリアー、3TRIALなど)
→4stepなどの問題集は量がとても多いです。そのため、まずは*印のついた問題を完ぺきにすることから始めましょう。
・「チャート式数学(数研出版)」
→チャート式は赤・青・黄・白の4種類があります。その中で、青チャートと黄チャートは全ての例題を動画で見ることができます。また、白チャートは定義の説明が詳しいため、数学の根本的な内容を知りたいときにはおすすめの参考書です。
C 共通テスト対策
【問題集】
・赤本、黒本などの過去問題集
→最初に共通テストの過去問を解いて問題傾向をつかむようにしましょう。また、苦手な単元がある場合は、復習を必ずするようにしてください。
・学校で使っている共通テスト問題集
【参考書】
・「チャート式 大学入学共通テスト対策 数学IA+IIBC(数研出版)」
→数学ⅠAおよびⅡBCの内容を短時間で復習できる教材です。数学の点数が伸び悩んでいる人は最初にやっておきたい1冊です。
・「きめる!共通テスト数学Ⅰ・A(学研)」
→共通テスト数学の解き方について詳しく説明している参考書です。基礎力があることが前提ですので、数学が苦手な人は他の教材で基礎を固めてから使うようにしましょう。
基本的には学校の問題集を軸に使っていき、それでは理解できない場合に参考書を買って理解したり、易しめの問題集を解くようにしましょう。
そうすることで、短い時間で仕上げることができます。
イ 高1・2
→定期テストや模試を通じて基礎固めをしていきたい
A まずは学校教材を完璧にする
高1・2の間は、定期テストに向けた勉強をしっかりとやるようにしてください。
ここで基本的な内容をマスターしておけば、その後の受験勉強が楽になってきます。
また、みなさんの多くは学校で4STEPやクリアー、3TRIALなどの教材を使っていることでしょう。
そして、これらの教材の内容から定期テストの問題が構成されます。
ただし、これらの問題集は総じて問題の量が多めです。
ですので、テスト週間中は全ての問題を解きなおすのではなく、*(アスタリスク)のついた問題に絞って解くようにしましょう。
定期テストでよく出る問題を繰り返し解くことで力がついていきます。
また、問題を解く際は、
やり方をおすすめします。
それは解き方が分からない問題はいつまで考えても答えが出ないため、ただ時間が過ぎて終わってしまうからです。
また、問題が解けなかった→解説を読んだだけではできるようにならず、最終的には自力でスラスラと解けるようになる必要があります。
そのために、先に解き方をインプットしてから解くことをおすすめします。
なお、英語と数学は高2の終わりまでに基礎固めを完成させるようにしましょう。(英語は英単語・英文法のマスター、数学はチャート式の例題をマスターが基礎固めにあたります。)
そうすることで、高3からは理科・社会・国語・情報の対策や過去問演習に時間を充てることができます。
B 学校教材が解けない場合は?
4STEP、クリアー、3TRIALといった問題集はレベルが高めで、かつ解説があまり詳しく書かれていません。
そのため、これらの教材が使いこなせない場合は、参考書を読んで理解を深めるようにしましょう。
そして、おすすめの参考書が、「黄チャート(数研出版)」です。
この参考書は、
・全ての例題の解き方を動画授業で見ることができる
・最初に解答の方針が書かれており、どうやって解き始めればいいかが分かりやすい
といった特徴があります。
数学ⅠAができるようになるには、教科書などに出てくる内容をしっかりと理解する必要があります。
ただし、紙に書かれた内容だけではなかなか理解することができません。
ですが、この参考書は授業を動画で見ることができるため、その点で非常にわかりやすい参考書といえます。
ただし、参考書の最初から最後までを読もうとすると時間がかかってしまいます。
そうではなく、問題を解いていて、基本的な内容が分からない場合や、学校で習った内容を忘れてしまった場合に、この参考書を使って理解を深めていくようにしましょう。
また、チャート式は黄チャート以外にも、赤チャート、青チャート、白チャートなどがあります。
その中で黄チャートでは物足りない人は「青チャート」を、より基本的な問題の解き方や数学の根本的な内容を知りたい人は「白チャート」に切り替えていくといいでしょう。
ウ 高3の1学期~共通テスト直前
→数多くの問題にあたって得点力をつけていこう
A まずは共通テストの過去問を解いてみる
4STEP、クリアー、3TRIALなどに出てくる典型問題やチャート式の基本例題ができるようになれば、共通テストの問題に対応できる力はついていきます。
そこで次にやるべきことは、共通テストの過去問を解くことになります。
「赤本(教学社)」や黒本などには共通テストの過去の問題が載っています。
ですので、過去数年分の問題を解き、
・自分の苦手分野
ことを把握するようにしましょう。
そして、その後は苦手な分野を中心に復習をすることで、効率よく勉強を進めることができます。
ただし、共通テスト数学は年によって相当難しい問題が出題されますので、「難」レベルの問題は無理に解かなくてもOKです。
B いつから過去問演習を始めるべきか?
赤本や黒本で共通テストの過去問を解き始める時期は、高2の冬~高3のGW前くらいがおすすめです。
それは、高3のGW前後から全統共通テスト模試や駿台ベネッセ共通テスト模試などの共通テスト模試が本格的に始まるからです。
これらの模試に向けて事前に過去問を解くことで、共通テストの問題傾向や時間配分などをつかむことができます。
英語と数学の2科目については早めに仕上げるようにしましょう。
C 学校教材を使って共通テスト対策をする
高3になると、学校で共通テスト対策問題集が配布されます。
基本的にはその問題集を使って、授業が進められます。
ですので、まずは学校教材を使って共通テストタイプの問題を解くようにしましょう。
それは、学校の教材には、
・定期テストの範囲になるため
といったことがあるため、使わざるを得ないという面があるからです。
ただ、本屋さんに行くと、共通テスト用の問題集は数多くあります。
また、塾に通っている人は塾で使っているテキストもあるでしょう。
みなさんの中には学校の問題集ではなく、市販の問題集や塾のテキストを優先して使いたいという人がいるかもしれません。
ですが、十分な知識がないのに、多くの問題集をやっても効果があまりありません。
そうではなく、1冊の問題集を繰り返し解くことで、力がついていきます。
そのため、まずは学校の教材を完璧にするところから始めていきましょう。
なお、学校の教材を解く際は、最初からやるのではなく、苦手な分野から解いていくようにしましょう。
そうすることで、短期間で効果を上げることができます。
また、学校で使っている共通テスト対策問題集が使いづらい人は、市販の問題集に切り替えて学んでいくようにしましょう。
そして、おすすめの問題集は、
・【基礎固め用】「チャート式大学入試共通テスト対策数学ⅠA+ⅡBC(数研出版)」
・【共通テスト数学の解き方を知りたい人用】「きめる!共通テスト 数学I・A(学研)」
です。
数学が苦手な人や模試で点数が取れない人は、基本問題の解き方が十分に身についていない可能性が高いです。
そのため、まずは「チャート式大学入試共通テスト対策数学ⅠA+ⅡBC」などの参考書で、徹底的に基礎固めをするようにしましょう。
一方で、数学が得意だが、共通テストの過去問や模試になると点数が取れない人は、共通テストの問題形式に慣れていない可能性があります。
そのような人は、「きめる!共通テスト 数学I・A」を使って、共通テストの問題の解き方をつかむようにしましょう。
なお、「きめる」シリーズの数学は難易度が高めですので、数学が苦手な人はある程度できるようになるまで手を出さない方がいいでしょう。
D 直前期は予備校の予想問題集を解く
過去問を解いて、かつ自分の弱点分野の復習をしていけば安定した点数を取ることができます。
そこまで来たら、最後の仕上げとして各予備校が出している共通テストの予想問題集を解くようにしましょう。
そして、予想問題集を解くことで+5~10点は点数が上がるようになります。(一方で点数が伸び悩んでいる人は復習を中心とした学習をするようにしましょう。)
また、各予備校が出している予想問題集の特徴としては、
②代ゼミ 難易度は教科によってバラツキがある。大きな書店でないと売っていない。
③駿台 難易度は難しめ。
④Z会 難易度はかなり難しい。大きな書店でないと売っていない。
となっています。
これらの問題集の中で特におすすめなのは河合塾です。
河合塾の「共通テスト総合問題集 数学I・A 」は前年度の全統共通テスト模試(全5回)が載っており、全統共通テスト模試対策にもなります。
まずは河合塾の問題集から解き、時間に余裕のある人や難しめの問題を解きたい人は駿台の問題を解いていけばいいでしょう。(駿台の問題集はややレベルが上がります。)
また、共通テスト本番直前には「予想問題パック」も出ますので、力試しにこちらの問題集も解いてみてください。
さまざまな予備校が出している予想問題集を解くことで得点力は飛躍的にアップしますので、できるだけ多く解くようにしましょう。