と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「静岡大学化学(2023)の傾向と過去問分析、難易度、おすすめ参考書や問題集は?」についてみていきますよ。
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✓対象となる人
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静岡大学入試過去問分析・教科別勉強法
①静大英語 | ②静大数学 | ③静大国語 | ④静大物理 |
⑤静大化学 |
静岡大学の配点、試験科目、合格最低点は?
河合塾の「Kei‐Net大学検索システム」では、
・共通テストの科目および配点、ボーダーライン
・二次試験の科目および配点、偏差値(難易度)
などを確認することができます。
静大の場合は工学部は共通テストと二次試験の配点がだいたい同じですが、他の学部は共通テストの方が配点が高めです。
そのため、共通テストの出来が合否を左右する入試といえます。
また、静岡大学の各学部の過去2年間の倍率は「大学受験パスナビ」で確認することができます。
年度によって倍率が大きく変動する学部・学科もありますので、参考程度に見るようにしましょう。
なお、各学部の合格最低点は同じく「大学受験パスナビ」(上のものとは別のページ)で知ることができます。
静岡大学化学(2022)の難易度、問題形式、解答時間は?
静岡大学の化学は全部で4問が出題され、試験時間が80分です。
また、入試の特徴としては、
②記述・論述・計算など多彩な形式で出題されている
③全体的には標準レベルの難易度
となっています。
そのため、化学基礎問題精講、化学重要問題集で解法暗記をしたらできるだけ多くの過去問を解いていくといいでしょう。
そうすることによって思考力が身に付き、静大の問題に対応できるようになります。
静岡大学化学(2022)の過去問分析は?
ア 2022年静岡大学化学(第1問・理論化学)
→問題は標準的だが、記述問題が多かった
第1問は理論化学の分野から出題されました。
問1は空所補充問題で炭素の性質に関する問題が出題されました。
どれも基本的なものですので全問正解できるようにしましょう。
問2はグラファイトが電気をよく通す理由を答える問題です。
グラファイトというと聞きなれない言葉ですが、要は黒鉛のことです。
問3
(1)はL殻とM殻の電子数を答える問題で基本レベルです。
(2)は質量数=陽子の数+中性子の数を知っていればできるでしょう。
問4はイオン結晶の性質について、問5は金属結晶の性質についての問題です。
どちらも本質的なことが分かっていないとなかなかできない問題でした。
問6は単位格子に関する問題です。
(1)は1つの単位格子の内部に含まれる数を求める問題で基本レベルです。
(2)は充填率を求める問題で、これも典型問題です。
(3)は結晶の1/8小立方体について考えると、結晶における最も近い原子の中心どうしの距離×2倍=単位格子の一辺の長さの√3倍の関係が成り立ちます。
(4)はダイヤモンドの単位格子の一辺の長さをaとすると、ケイ素の結晶の単位格子の一辺の長さは1.5aとなります。
あとはそれぞれ密度=質量÷体積の式に代入して求めていきます。
イ 2022年静岡大学化学(第2問・理論化学)
→計算問題は全体的に標準レベルだった
第2問は理論化学の分野から出題されました。
問1は物質量÷体積でモル濃度を求める問題です。
また中和滴定の式に代入をして水酸化ナトリウムのモル濃度を求めていきます。
問2
(1)は酢酸ナトリウムから電離される酢酸イオンを加水分解すると水酸化物イオンが発生します。
(2)は(い)のNH4Clは強酸のHClと弱酸のNH3からなる正塩です。
(3)は希釈前の酢酸水溶液のモル濃度をyとすると、それを10倍に薄めたことを考慮して中和滴定の式を作ります。
また、質量パーセント濃度は溶質の質量÷溶液の質量×100で求めることができます。
(4)は酢酸に水酸化物イオンを加えると酢酸イオンと水が生成されます。
問3は緩衝液に関する問題です。
まずは、
・CH3COONa→CH3COO-+Na+<電離しやすいのでほぼCH3COO-とNa+に分かれる>
の2つの式をぱっと思い出せるようにしましょう
あとは平衡定数の式に代入をして水素イオン濃度を求め、それを使ってPhを求めていけばいいことになります。
問4は論述問題です。
塩酸は強酸なのでほぼ電離しますが、酢酸は弱酸であるためあまり電離しません。
また、[H+]=√cKaの関係より、酢酸の濃度を10倍に薄めても水素イオン濃度は1/√10倍にしかならないため、Phがあまり増えないことがわかります。
ウ 2022年静岡大学化学(第3問・理論化学、無機化学)
→無機化学と理論化学の融合問題が出た
第3問は理論化学・無機化学の分野から出題されました。
問1は溶融塩電解と答える問題で基本的な問題です。
問2
(1)は酸化アルミニウムと水酸化ナトリウムの反応式を、(2)は酸化アルミニウムと塩酸の反応式を答える問題です。
無機化学で出てくる反応式は理解した上でしっかりと覚えるようにしましょう。
問3
(1)はファラデー定数を使って電子の物質量を求め、そこからアルミニウムの質量を求めていきます。
(2)はCO2の物質量をxmol、COの物質量をymolとして連立方程式をつくって答えを求めていきます。
問4
(1)は両性金属と答える問題で基本的な問題です。
(2)はアルミニウムが塩酸および水酸化ナトリウムに反応する時の式を答える問題です。
問5はアルミニウムが濃硝酸と反応し不動態になる理由について答える問題です。
問6はアルミニウムと酸化鉄(Ⅲ)が反応する式を答える問題です。
問7
(1)はやや細かい内容でした。
(2)はまずミョウバンの物質量を出し、そこからSO42-の物質量を求めていきます。
次にBa2++SO42-→BaSO4の式からSO42-とBaSO4の物質量の比は1:1であることが分かります。
エ 2022年静岡大学化学(第4問・理論化学、有機化学)
→構造決定の問題は慣れていないと難しい
第4問は有機化学、理論化学の分野から出題されました。
問1はアルケンに関する空所補充問題でした。
問2
(1)はグルコース<単糖類>の分子式を答える問題です。
(2)はアルコール発酵の化学反応式を考え、そこから物質量の比から求めていきます。
問3
(あ) 熱可塑性樹脂は鎖状構造をしています。
(い) フッ素樹脂は耐熱性に優れています。
(う) 低密度ポリエチレンはやわらかく透明です。
(え) ポリエチレンはエチレンの付加重合によって生成されます。
(お) アセチレンと塩素の反応によってできるのは1,2ージクロロエチレンです。
問4
(1)はイソプレンの構造式を答える問題です。
(2)は生ゴム<イソプレンゴム>の構造式を答える問題です。
二重結合の位置が変わってくるので気を付けましょう。
問5は構造決定に関する問題です。
以下構造決定を解く上でのキーワードです。
②B→アルケンでトランス型
③Bに水を付加→F及びG
④Cに水を付加→Eのみ
*CはC=C結合に対して対称の構造をしている
⑤EはAとCからできる→Aの構造が決まりアルコールDの構造も決まる
ヒントをもとに一つずつ求めていきましょう。
問6は元素分析の計算が絡んだ問題です。
まずCとHの質量を求め、それらをモル質量で割ってC原子とH原子の比を求めるとHの組成式がC5H8であることがわかります。
また問題文には沸点が174℃とあり、これは炭素数が9~15の場合ですので求める式はC10H16となります。
静岡大学化学の入試対策、おすすめ参考書は?
静岡大学化学の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 高3の1学期まで
→今まで習った内容の復習+定期テストの勉強をしていこう
高3の1学期から本格的に化学の受験勉強を始めていきます。(高1・2の間は定期テストの勉強だけでOKです。)
とはいえ、現役生の場合は無機化学や有機化学など習っていない単元もあります。
そのため、1学期の間は、
・定期テストの勉強を兼ねて無機化学や有機化学の内容をマスターする
といったことをやっていくようにして下さい。
また、1学期の間にやってほしい内容は以下の通りです。
また具体的な勉強方法は、
②基本的なレベルの問題集を解く:「リードLightノート化学」や「セミナー化学・アクセス化学」で基本問題をマスターする
などになります。
化学は基本問題の解き方を完璧に理解していないと応用問題を解くことができません。
そのため、一学期のうちは「リードLightノート化学」などを使って、典型問題を完璧にできるようにしましょう。
そうすることで夏休み以降に「化学基礎問題精講」などの難しい問題に取り組むことができます。
イ 夏休み
→解く問題のレベルを上げていこう
夏休みからは解く問題のレベルを上げていきます。
高3の夏休みにやってほしいことは、
です。
リードLightノート化学などで一通り化学の復習をした後は入試レベルの問題を解いていきます。
そしておすすめの問題集は、
・化学基礎問題精講(やや難しめの問題に挑戦したい人)
です。
できれば両方やった方がいいですが、時間に余裕がない場合はどちらか1冊を仕上げるようにしましょう。
また、これらの問題集と並行して1学期で習った無機・有機化学の復習もしてください。
無機・有機の分野は用語や化学反応式、イオンの色などを覚えないことにはなかなか問題が解けるようにはなりません。
そのため、「基礎からのジャンプアップノート無機・有機化学暗記ドリル」などの問題集を使って、しっかりとそれらを暗記することから始めましょう。
夏休みには、河合塾の全統共通テスト模試や全統記述模試などの模試などがあります。
ですので、そこに向けて基本的な内容を完璧に仕上げるようにしてください。
ウ 秋~入試直前
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
秋以降は問題演習がメインとなります。
まずは共通テストの過去問を解き、共通テスト模試に備えていきます。
その後は応用レベルの問題集を解いたり、過去問題集を解いたりして実践力をつけていきましょう。
まず問題演習用の教材としては、化学重要問題集(重問)がおすすめです。(重問はA問題とB問題がありますが、解くのはA問題だけで十分です。)
静大の化学は標準的なレベルの問題が多いですので、下手に難しい問題集を解く必要はありません。
また、化学重要問題集の場合は、
・YouTubeで解説動画があるため内容を理解しやすい
といったメリットがあります。
そのため、化学重要問題集を繰り返し解いて解き方をマスターするようにしましょう。
一方で、化学重要問題集がどうしてもわからない場合は、化学基礎問題精講やリードLightノートなどに戻ってわからない内容をしっかりと復習するようにしましょう。
また、静大では有機化学の構造決定の問題が多く出ます。
そのため、構造決定が苦手な人は「ここで差がつく 有機化合物の構造決定問題の要点・演習」や 「有機化学演習」などの構造決定に特化した問題集を解いていくといいでしょう。
そして最後の仕上げに過去問演習に入ります。
まずは静岡大学の問題を解き、それが終わったら他の大学の過去問を解くといいでしょう。
問題をたくさん解くことで実践力が身についていきます。
静岡大学入試合格個別指導コースについて
当塾では静岡大学の入試を受験予定の高校3年生を対象とした「共通テスト・国公立大学入試対策個別指導コース」がございます。
*現在高1・2年生の方は「高1・高2定期テスト・大学入試対策個別指導コース」から始まり、高3時に「共通テスト・国公立大学入試対策個別指導コース」に切り替わるようになります。
このコースの対象となる人は、
・学校推薦型選抜での静岡大学の受験も視野に入れている人
です。
そして、当塾の指導プランとしては
②高3 共通テスト対策及び二次対策(英語・数学等)
*学校推薦型選抜を受験予定の方には面接および小論文の対策も致します。
となっております。(当塾では配点の高い共通テストの対策を優先し、合格レベルに達した後で二次試験の対策をいたします。)
静岡大学に合格したい方、受験を考えている方に合った指導をさせていきます。
TEL 0532-74-7739
月~金 14:30~22:00