と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「2025年共通テスト生物:出題傾向・対策・おすすめ問題集完全ガイド」についてみていきますよ。
✓内容
✓対象となる人
✓記事を書いた人
共通テスト生物(2024)の問題形式と難易度は?
【動画】「とよはし練成塾」塾長が話す!2025年 共通テスト生物完全攻略ガイド:問題傾向とおすすめ問題集
ア 共通テスト生物(2024)の平均点、難易度や出題範囲は?
→大幅に易しくなった
下の表は2024年の共通テスト生物の問題傾向についてです。
難易度 | 易化 |
問題形式 | 実験考察問題が中心 |
出題分野 | (1)糖代謝とキシロースオペロン(14点) (2)膜タンパク質と膜電位(17点) (3)筋収縮、骨格筋の発生(16点) (4)生殖、ジャガイモの塊茎の形成と日長(19点) (5)生産構造図、生態系の物質収支(14点) (6)生物の系統、遺伝子の伝播(20点) |
平均点 | 54.82点↑ |
昨年度に比べ大幅に難易度が上がりました。
元々の平均点は39.74点(中間発表)でしたが、得点調整が行われて48.46点になりました。
それは文章からデータを読み取る問題の増加、選択肢の数の増加といったことが挙げられます。
そのため、早い時期からしっかりと対策することが必要です。
イ 前年度2024年の共通テスト生物の過去問題の分析や解説は?
→思考力を問う問題の攻略がポイント
A 第1問(糖代謝とキシロースオペロン・14点)
問1 正誤判別問題です。呼吸の回路について正確に知っておかないとできない問題でした。
問2 グラフの読み取り問題です。遺伝子発現調節の典型的な問題ですので確実に正解したいです。
問3 仮説検証問題です。グルコースがある培地とない培地で比較して確かめる組み合わせが正解となります。
B 第2問(膜タンパク質と膜電位・17点)
問1 正誤判別問題です。膜タンパク質についての知識が問われました。
問2 実験に関する問題です。問題文の内容を整理して考えることで解くことができます。
問3 活動電位・静止電位に関する問題です。選択肢③はナトリウムイオンが「流入」します。
問4 空所補充問題です。ニューロンの興奮の伝導と伝達に関する知識が問われました。
C 第3問(筋収縮、骨格筋の発生・16点)
問1 正誤判別問題です。筋収縮についての正確な知識が求められました。
問2 実験考察問題です。実験5ではATPがないので×、実験6ではグリセリン筋は筋小胞体がないので×、実験7ではATPとCa2+の両方があるので〇となります。
問3 実験考察問題です。実験8からは脊索は皮筋節の分化を抑制し、実験9からは神経管は皮筋節の分化を促進することが読み取れます。
D 第4問(生殖、ジャガイモの塊茎の形成と日長・19点)
問1 正誤判別問題です。選択肢bは遺伝情報の「全て」が誤りとなります。
問2 グラフの読み取り問題です。光中断とフィトクロムの役割について問われました。
問3 表の読み取り問題です。選択肢の計算式は複雑そうに見えますが、求めることはそれほど難しくはありません。
E 第5問(生産構造図、生態系の物質収支・14点)
問1 グラフの読み取り問題です。森林では同化器官が高木層の林冠部分と草本層に大きく偏ります。
問2 正誤判別問題です。選択肢②では亜熱帯の森林で土壌有機物量が多いのは、低温で土壌有機物の分解が進行しにくいからです。
問3 空欄補充問題です。基本的な内容が問われました。
F 第6問(生物の系統、遺伝子の伝播・20点)
問1 正誤判別問題です。選択肢aは海綿動物、刺胞動物では3つの胚葉が形成されません。
問2 動物の分類に関する問題です。図1のキーワードを元に求めるようにしましょう。
問3 実験考察問題です。問題の設定の意図をつかむのがやや難しめでした。
問4 正誤判別問題です。選択肢bが「集団全体に広まることができない」、dが「集団が大きくなるほど大きくなる」が誤りです。
共通テスト生物(2025)で9割取るための勉強法、おすすめ参考書・問題集は?
ア 高1・2~高3の1学期
→定期テストや模試を通じて基礎固めをしていきたい
A おすすめ勉強法
高1・2の間は、生物の共通テスト対策は特にやる必要はありません。
ただ、学校で「生物」の授業がある場合は、定期テストで高得点が取れるようにしっかりと勉強をしていきましょう。
定期テストで結果を出すことができれば生物の基礎を固めることができますので、それがそのまま共通テスト生物の対策にもつながります。
また、高1・2の時期の受験勉強は英語と数学を中心に進めるようにしましょう。
それは、この2教科は範囲が広いため仕上がるのに時間がかかるからです。
そのため、生物の共通テスト対策は高3になってから始めるようにしましょう。
B 参考書を読んで内容を理解する
高3の春からは本格的に生物の共通テスト対策を始めていきます。
そして最初にやってほしいことは、生物の参考書を読むことです。
生物の参考書としておすすめなのが、「大学入試 山川喜輝の生物が面白いほどわかる本(KADOKAWA)」です。
この本は、
②必要な情報をコンパクトに載せており読みやすい
③理解を確認するための問題と解説がある
といった特徴があり、非常にわかりやすい参考書です。
ただ、この本は非常にページ数が多いですので、最初から全てを読むのではなく、問題集や過去問などを解いていて分からないところが出てきたときなどに調べるための教材として使うようにしましょう。
C 基本レベルの問題集を解く
「大学入試 山川喜輝の生物が面白いほどわかる本」などの参考書を読み終えたら、ここからは問題集を解いていきます。
そして、生物基礎・生物の基礎固めができるおすすめ問題集は、「リードLightノート生物基礎・生物(数研出版)」となります。
「リードLightノート生物」は、数研出版から出版している生物の問題集で、共通テスト対策の基礎固めとしても使える問題集です。
問題の量が多いため、様々なパターンの問題に取り組むことができるのが特徴です。
また、問題の難易度は教科書レベルのものが中心です。
そのため、「生物(発展)」を受験で使う生徒が、生物の復習をする上で最初の1冊として使うべき問題集ともいえます。(なお、学校でセミナーやアクセスを使っている場合はそちらを使っても構いません。)
そして解き方ですが、
②全ての章の例題を解く
③全ての章のLet‘sTryを解く
です。
こう解くことによって何周も初めから解くことができるためおすすめです。
また、「リードLightノート生物」が終わったら、次は「生物問題集合格177問」などの応用問題集を解くようにしましょう。
イ 高3の夏休み~秋
→少しずつ実践的な問題を解くようにしよう
「リードLightノート生物」をマスターすることで生物の基本的な内容はできるようにはなります。
ですが、共通テストレベルの問題が解けるようになるには、もう一段階上のレベルの問題集を解く必要があります。
そこでおすすめなのが、「生物問題集合格177問(東進ブックス)」です。
この問題集をおすすめする理由としては、
・定番の問題集であり、多くの受験生が使っているため安心感がある
・参考書の「生物合格77講」に対応している
といったことがあるからです。
ただし、「生物問題集合格177問」は生物の基礎がしっかりと固まっていないと使いこなすことが難しい問題集です。
そのため、共通テストまで時間がない場合や基礎が十分に身についていない場合は無理に手を出さない方がいいでしょう。
逆に難関大を志望する場合や共通テストの対策が順調に進んでいる場合は、177問に積極的にチャレンジすることをおすすめします。(さらに難易度が高い「大森徹の最強問題集159問」もあります。)
ウ 高3の秋~共通テスト直前
→数多くの問題にあたって得点力をつけていこう
A どの問題集から始めるべきか?
共通テストに比べるとセンター試験は問題の難易度が若干易しめです。
それは、
・共通テスト:知識があることを前提に読解力や思考力が問われる
といったことがあるからです。
そのため、最初から共通テストの問題を解いてしまうと、人によってはかなり難しく感じてしまう可能性も出てきます。
そのため、まずは「赤本(教学社)」や黒本などを使ってセンター試験の過去問を解いていきましょう。
そこである程度の点数が取れれば順調に勉強が進んでいるといえます。
一方であまり点数が取れない場合は、再度参考書や問題集に戻って復習をするようにしましょう。
一般的に、点数が伸び悩む人にありがちなこととしては、
・実験考察問題に慣れていない
といったことがあります。
そのため、よく分かっていない内容はしっかりと理解をするようにし、あまり覚えていない内容はきちんと暗記をするようにしましょう。
そして2020年までのセンター試験の過去問(本試験・追試験)を解き終えたら、仕上げに2021~2024年の共通テストの問題を解くようにして下さい。
共通テストの問題は、表やグラフを読み取る問題や文章の内容を理解する問題などが多く出ます。
そのため、最初は時間をかけてじっくりと解くようにしましょう。
B いつから過去問演習を始めるべきか?
なお、赤本や黒本でセンター試験の過去問を解き始める時期は、夏休み~秋くらいがおすすめです。
それは、この時期には全統共通テスト模試や駿台ベネッセ共通テスト模試などの共通テスト模試があるからです。
これらの模試に向けて勉強を進めることで計画的に勉強をすることができます。
ですので、模試がある直前にある程度センター試験や共通テストの過去問を解き終わっている状態に仕上げるようにしましょう。
C 予備校の予想問題集を解く
次に各予備校が出している予想問題集を解いていきます。
各予備校が出している予想問題集の特徴としては、
②代ゼミ 難易度は教科によってバラツキがある。大きな書店でないと売っていない。
③駿台 難易度は難しめ。
④Z会 難易度はかなり難しい。大きな書店でないと売っていない。
となっています。
そのなかでおすすめは、河合塾と東進です。
河合塾の「共通テスト総合問題集 生物」は前年度の全統共通テスト模試(全5回)が載っており、全統共通テスト模試対策にもなります。
また東進の「共通テスト実戦問題集 生物」はオリジナルの模試が3回分と過去問が2回分載っており、かつ動画では共通テスト生物の勉強法について詳しく説明がされています。
まずはこの2冊の問題集から解き、時間に余裕のある人や難しめの問題を解きたい人は駿台の問題を解いていけばいいでしょう。(駿台の問題集はややレベルが上がるので注意してください。)
*上記2冊はまだ新課程版は出ていませんのでご注意ください。
また、共通テスト本番直前には「予想問題パック」も出ますので、力試しにこちらの問題集も解いてみてください。
共通テストが始まってまだ日が浅いため、過去問があまりありません。
そのため、予想問題集を積極的に解くようにしましょう。