と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「2025年 共通テスト日本史探究完全攻略ガイド:出題傾向・対策法・おすすめ問題集」についてみていきますよ。
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✓結論
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共通テスト日本史B(2024)の問題形式と難易度は?
【動画】「とよはし練成塾」塾長が話す!2025年 共通テスト日本史探究完全攻略ガイド:問題傾向とおすすめ問題集
ア 共通テスト日本史Bの問題傾向や平均点は?
→昨年よりもやや難しくなった
下の表は2024年の共通テスト日本史Bの問題傾向や難易度についてです。
難易度 | 易化 |
出題分野 | (1)印刷の歴史(18点) (2)日本古代の食物(16点) (3)中世社会の特色(16点) (4)近世の輸出入品と社会・経済との関係(16点) (5)明治期に始まったもの(12点) (6)二度の世界大戦後の日本と国際社会の関係(22点) |
平均点 | 56.27点↓ |
2024年の共通テスト日本史Bは昨年度よりも平均点が下がり、やや難易度が上がりました。
また、私が解いた感覚としては、
・並び替え問題が多い(年号暗記が必須)
・用語の意味が分かっていないと解きづらい
といったものがあります。
この傾向は今後も続く可能性があるので、基礎知識を早めに固めた後にできるだけ多くの過去問を解いて共通テストの問題に慣れるようにしましょう。
イ 共通テスト日本史探究で高得点を取るには?
→できるだけ多くの問題を解くようにしよう
共通テスト日本史探究で高得点を取るためには、教科書の隅から隅まで内容を把握することが大切です。
世界史の場合は太字で書かれた用語を中心におさえていけば高得点が取れますが、日本史の場合はそうもいきません。
例えば、過去に出た問題では、
というような内容が出ました。
ただ、これは教科書では欄外にある内容です。
また、
という選択肢もありました。(この選択肢は誤りで正解は京都です。共通テストでは場所を問う問題もたびたび出題されます。)
このように日本史の場合はかなり細かい内容が問われることもあります。
そのため、日本史で高得点を取るには、
・一問一答で用語を覚える
・年号を暗記する
・共通テストやセンター試験の問題を数多く解く
ことが大切になってきます。
一問一答の暗記は早めに終わらせ、センター試験や共通テストの過去問などをできるだけ多く解くことをおすすめします。
そうすることで得点力が間違いなく上がっていくでしょう。
ウ 前年度2024年の共通テスト日本史Bの過去問題の分析や解説は?
→解きやすい問題が多かった
A 第1問(印刷の歴史・18点)
第1問は日本史の全時代が範囲の問題です。
やや難易度の高い問題も含まれていました。
問1 藤原広嗣に関する問題です。歴史の正確な流れを知っているかどうかが問われました。
問2 並び替え問題です。応永の外寇と三浦の乱は時期が近いので間違えやすいです。
問3 史料の読み取り問題です。やや難易度は高めです。
問4 ヴァリニャーニと吾妻鏡に関する問題です。用語の正確な意味を知っていないと解けない問題でした。
問5 用語(人物)と語句の説明に関する問題です。江戸時代の文化史の知識が問われました。
問6 史料の読み取り問題です。選択肢cとdは知識が問われました。
B 第2問(日本古代の食物・16点)
第2問は原始~平安時代までの時代に関する問題です。
ここも問題によって難易度に差がありました。
問1 甕と甑の用途に関する問題です。
問2 史料の読み取り問題です。旧国名の場所が問われました。
問3 並び替え問題です。選択肢ⅠとⅢの順番はやや悩むかもしれません。
問4 史料の読み取り問題です。会話文+写真+史料を総合的に読み取る必要があります。
問5 資料に関する問題です。選択肢cとdの判別が難しいです。
C 第3問(中世社会の特色・16点)
第3問は鎌倉・室町時代に関する問題です。
ここは史料の読み取り問題が難しいものが多かったです。
問1 並び替え問題です。選択肢ⅡとⅢでやや悩むかもしれません。
問2 史料の読み取り問題です。史料だけでなく、問題文も読む必要がある問題でした。
問3 用語(人物)と語句の説明に関する問題です。室町時代の文化史の知識が問われました。
問4 史料の読み取り問題です。この問題は比較的解きやすい問題でした。
問5 実力を行使して問題を解決する手段の事例を選ぶ問題です。問題文および会話文をしっかりと読む必要がありました。
D 第4問(近世の輸出入品と社会・経済との関係・16点)
第4問は江戸時代に関する問題です。
用語の意味を正確に捉える必要がある問題がありました。
問1 空欄補充問題です。木綿と銀が分かっていれば難しくはないでしょう。
問2 並び替え問題です。選択肢Ⅲがどこに入るかがやや悩む問題でした。
問3 俵物の輸出に関する正誤問題です。Xは新井白石の政策について正確な知識が求められました。
問4 史料の読み取り問題です。比較的易しめの問題でした。
問5 史料の読み取り問題です。1835年は江戸時代の末期であることを知っていないと難しかったかもしれません。
E 第5問(明治期に始まったもの・12点)
第5問は江戸後期・明治時代に関する問題でした。
問1 空欄補充問題です。空欄アはやや細かい内容です。
問2 グラフの読み取り問題です。関税の意味が問われました。
問3 史料の読み取り問題です。比較的易しめの問題でした。
問4 正誤問題です。正解の選択肢が見つけやすかったです。
F 第6問(二度の世界大戦後の日本と国際社会の関係・22点)
第6問は明治~昭和時代に関する問題でした。
特に現役生の場合、昭和以降の歴史になかなか手が回せない人が多いかもしれません。
しかし、今回の共通テストでは3問が戦後史であったため、教科書の終わりの方までしっかりと勉強をしないと高得点を取ることができません。
そのため、どの時代も満遍なく勉強するようにしましょう。
問1 史料の読み取り問題です。史料1が日英同盟というのが分かりづらかったかもしれません。
問2 不戦条約を締結した時の内閣を答える問題です。いずれの選択肢も時期が近いためどれが正解なのかが見つけにくいです。
問3 史料の読み取り問題です。落ち着いて読めばできる問題でした。
問4 正誤問題です。誤った選択肢よりも正解の選択肢の方が見つけやすかったかもしれません。
問5 正誤問題です。戦後の日本では美空ひばりなどの歌手が出てきました。
問6 並び替え問題です。選択肢ⅡとⅢがどんな条約なのかをつかむのが難しかったかもしれません。
問7 空欄補充問題です。基本レベルの問題でした。
共通テスト日本史探究(2025)の対策はいつから始めるべきか?
ア 共通テスト日本史探究(2025)の対策はいつから始めるべきか?
→基礎固めが終わり次第、共通テストの過去問を解いていこう
「共通テスト日本史探究の対策はいつから始めたらいいんだろうか?」
このように思っている人は多いでしょう。
結論としては基礎固めが終わり次第、過去問演習を始めるようにしてください。
また過去問演習を始めるタイミングとしては、マーク模試の直前からやるのがおすすめです。
一般的に全統共通テスト模試や進研大学入学共通テスト模試といった模試は、
②高3の5~6月
③高3の夏
④高3の秋(10~11月)
といった時期に行われます。
ですので、早い時期に基礎固めが終わっている人は高2の2月の模試の前に過去問を解き始めてもいいのです。
ただ、高3の11月以降から共通テストの過去問を解き始めると力試しができる模試を受けるチャンスがなくなってしまいますので、どんなに遅くても10月くらいまでには過去問演習ができるようにしましょう。
共通テスト日本史探究(2025)で9割取るための勉強法、おすすめ参考書・問題集は?
ア 高1・2~高3の1学期
→定期テストや模試を通じて基礎固めをしていきたい
A おすすめ勉強法
高1・2の間は日本史探究の共通テスト対策は特にやる必要はありません。
ですが、学校の定期テストの勉強はしっかりとやるようにしましょう。(授業で小テストがある場合は、そちらの勉強もしっかりとやるようにして下さい。)
それは、定期テストで結果を出すことができれば日本史探究の基礎を固めることができ、それがそのまま共通テスト日本史Bの対策にもつながるからです。
また、高1・2の時期の受験勉強は英語と数学(文系数学・理系数学)を中心に進めるようにしましょう。
それは、この2教科は範囲が広いため仕上がるのに時間がかかるからです。
そのため、日本史探究の共通テスト対策は高3になってから始めるようにしましょう。
B 参考書を読んで歴史の流れをつかむ
高3の1学期からは本格的に日本史探究の勉強を始めていきます。
そして、まず日本史探究の勉強としてやるべきことは、歴史の流れをつかむことです。
日本史の勉強のメインは一問一答の用語暗記ですが、その暗記をスムーズに進めるには、歴史の流れをつかむことが大切になってきます。
そのため、用語暗記をする前に教科書や参考書を読んで、その時代の流れを確認するようにしましょう。
そして、日本史の流れをつかむためのおすすめの参考書は以下の通りです。
①「一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書(SBCreative)」
この参考書は、ムンディ先生こと山崎先生の書かれたベストセラーになった本です。
非常に読みやすく短時間で読み切ることができます。
ただし、この本1冊で全ての内容を網羅しているわけではありませんので、あくまで最初の1冊という位置づけで使うようにしましょう。
大学受験の日本史の勉強をする上で必須の参考書(教科書)です。
共通テストや多くの大学入試ではこの本に書かれている内容を元に出題されます。
そのため、教科書に書かれている内容はもちろんのこと、史料や写真、グラフなどにも目を通すようにしましょう。
ただし、教科書はページ数が多いので、最初はサラッと読む程度で十分です。
あとは、
②歴史の流れを確認したいとき
などに読むようにしましょう。
そうすることで、だんだんと歴史の流れが頭の中に入るようになります。
共通テストでは、「歴史総合(25点)+日本史探究(75点)」のセットで出題されます。
そのため、日本史探究の勉強だけでなく、歴史総合の勉強もやる必要があります。
ただし、歴史総合の内容はそこまで難しくはないため、「高校歴史総合をひとつひとつわかりやすく。」のような基本的な参考書を使って短時間で仕上げるようにしましょう。
C 重要用語の暗記
共通テスト日本史探究の基礎固めの勉強法の二つ目は、太字レベルの用語の暗記です。
日本史Bの勉強のメインは一問一答集を使った用語の暗記です。
しかし、最初からあまりにも細かい(難しすぎる)用語まで覚えようとすると、時間がいくらあっても足りません。
そのため、最初は教科書の太字レベルの用語から覚えるようにし、そこから少しずつ細かいものも覚えるようにしましょう。
なお、おすすめの問題集は、「山川日本史一問一答(山川出版社)」です。
この本は、単語ごとに重要度が載っている問題集です。
そのため、まずは★5~★7の用語を優先的に覚えるようにしましょう。
そうすることで、短時間で一通りの内容を終えることができます。
また、一問一答の勉強の仕方としては、
②暗記を始める
③覚えていなかった問題については覚えるようになるまで繰り返す
という流れがおすすめです。
ここで大事なのは、いきなり暗記をしないことです。
まずやるべきことは、頭の中に知識を入れることです。
そのためにも問題文と語句を何回も読むようにしましょう。
そうすることで、暗記を始めるときにスムーズに進めることができます。
例えば、
という問題があったときに、
といったように用語を入れた上で、10回以上読んでいきましょう。
そうすることで、頭の中に文章が残るようになり、覚えやすくなります。
また、覚えるペースは、日曜日から1週間で問題集の30ページ分の用語を覚えるとしたら、
・月 朝晩各2回ずつ30ページ分の文章を声に出して読む
・火 朝晩各2回ずつ30ページ分の文章を声に出して読む
・水 朝晩各2回ずつ30ページ分の文章を声に出して読む
・木 朝晩各2回ずつ30ページ分の文章を声に出して読む
・金 暗記
・土 最終チェック
という感じでやるのがおすすめです。
最初の5日間は音読に徹し、6日目(金曜日)に暗記をします。
ただ、いきなり暗記するのに比べると、日~木の間で20回文章を読んでいますので圧倒的に覚えやすくなります。
そして、最後の7日目(土曜日)に最終チェックをします。
こうやって覚えると忘れにくくなるため、ぜひこのやり方で覚えてみてください。
イ 高3の夏休み~秋
→少しずつ実践的な問題を解くようにしよう
A 基本レベルの問題集を解く
共通テスト日本史探究の基礎固めの勉強法の三つ目は、基本的な問題集を解くことです。
共通テストでは早慶上智のような細かい内容は出ません。
教科書の内容をしっかりと覚えていけば高得点が取れるようになっています。
ですが、一問一答の暗記だけではなかなかできるようにはなりません。
そのため、「日本史総合テスト(山川出版社)」のような教科書レベルの内容が満遍なく載っている問題集を解くことをおすすめします。(もちろん学校で使っている問題集でも構いません。)
一問一答をやることで日本史の基礎力は身に付きますが、共通テストでは史料の読解問題、出来事の並び替え問題、正誤判定問題などさまざまなタイプの問題が出題されます。
そのため、「日本史総合テスト」でいろいろな問題に慣れていくことが大切になってきます。
B 共通テスト対策問題集を解く
共通テストと私大、国公立二次試験では世界史の問題傾向はまるで異なります。
私大は用語の穴埋め問題が中心で、国公立二次は記述問題や論述問題が中心です。
また、大学によっては出題される時代やテーマが偏っていることもあるでしょう。
一方で共通テストは、
・史料を読み解く問題が多い
・政治史だけでなく文化史・外交史・経済史など様々なテーマが出る
・原始から近現代までどの時代も満遍なく出る
といった特徴があります。
そのため、共通テストで高得点を取るには、共通テスト対策をしっかりとやることが大切になってきます。
そして、共通テスト日本史探究の対策問題集としておすすめなのが、「大学入学共通テストへの道 日本史(山川出版社)」です。
「大学入学共通テストへの道 日本史」はセンター試験や共通テストに出た問題を時代別に並び替えた問題集です。
この問題集は、時代ごとに問題が載っているため、
・苦手な時代や地域の問題を集中的に解きたい
といった使い方ができる問題集です。
また、この本の使い方は、
②解説を読む(全ての選択肢の正誤判定ができるようにする)
③知識があいまいな内容は教科書や参考書に戻って復習をする
です。
問題を解いて終わりではなく、弱い単元を見つけ、それをしっかりと復習をすることで力がついていきます。
ウ 高3の秋~共通テスト直前
→数多くの問題にあたって得点力をつけていこう
そこである程度の点数が取れれば順調に勉強が進んでいるといえます。
一方であまり点数が取れない場合は、再度参考書や問題集に戻って復習をするようにしましょう。
二次試験と比べると共通テストの日本史探究はどの分野からも満遍なく問題が出ます。
そのため、普段あまりやっていない単元は特に念入りに復習をするようにしましょう。
そして2020年までのセンター試験の過去問(本試験・追試験)を解き終えたら、仕上げに2021~24年の共通テストの問題を解くようにして下さい。
B いつから過去問演習を始めるべきか?
なお、赤本や黒本でセンター試験の過去問を解き始める時期は、夏休み~秋くらいがおすすめです。
それは、この時期には全統共通テスト模試や駿台ベネッセ共通テスト模試などの共通テスト模試があるからです。
模試に向けて勉強を進めることで計画的に勉強をすることができます。
ですので、模試がある直前にある程度センター試験や共通テストの過去問を解き終わっている状態に仕上げるようにしましょう。
C 予備校の予想問題集を解く
最後に各予備校が出している予想問題集を解いていきます。
各予備校が出している予想問題集の特徴としては、
②東進 難易度は本試験レベル。解説動画がついている。
③代ゼミ 難易度は教科によってバラツキがある。大きな書店でないと売っていない。
④駿台 難易度は難しめ。
⑤Z会 難易度はかなり難しい。大きな書店でないと売っていない。
となっています。
そのなかでおすすめは、河合塾と東進です。
河合塾の「共通テスト総合問題集 日本史探究」は前年度の全統共通テスト模試(全5回)が載っており、全統共通テスト模試対策にもなります。
また東進の「共通テスト実戦問題集 日本史探究」はオリジナルの模試が3回分と過去問が2回分載っており、かつ動画では共通テスト日本史の勉強法について詳しく説明がされています。
まずはこの2冊の問題集から解き、時間に余裕のある人や難しめの問題を解きたい人は駿台の問題を解いていけばいいでしょう。(駿台の問題集はややレベルが上がるので注意してください。)
*上記2冊はまだ新課程版は出ていませんのでご注意ください。
また、共通テスト本番直前には「予想問題パック」も出ますので、力試しにこちらの問題集も解いてみてください。
共通テストが始まってまだ日が浅いため、過去問があまりありません。
そのため、予想問題集を積極的に解くようにしましょう。