と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「名古屋大化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてみていきますよ。
✓内容
✓対象となる人
✓記事を書いた人
名古屋大学化学(2023・情報、理、工、医、農)の問題傾向・過去問分析は?
ここでは、「全国大学入試問題正解(化学)」に掲載されている学部について問題を分析しています。
A 全体の講評(情報・理・工・医・農<前期>)
名古屋大学の理科の入試では、理科2科目を150分で解く必要があります。(情報<自然情報>のみ1科目75分の解答時間となっています。)
また、2023年の名古屋大学の化学は大問が3問で構成されていました。
その内訳は、理論2題、有機1題です。(有機化学は小問が2つに分かれており実質大問2問分あります。)
名大化学の問題は全体的には標準・やや難レベルの問題が多いです。
そのため、早めに基礎固めを終え、その後は化学重要問題集などの応用レベルの問題集に取り組めるようにしましょう。
また、有機の配点が高いため、構造決定問題の対策をしたり、高分子化合物の細かい内容までおさえることにも力を入れるようにしてください。
B 第1問(理論化学)
第1問は理論化学の問題で、アンモニアについて問われました。
設問(1)は用語の穴埋め問題で基本レベルです。
設問(2)は記述問題でメタンとアンモニアの沸点の違いについて問われました。
設問(3)は飽和蒸気圧に関する計算問題です。
設問(4)はアンモニアを精製する方法についての問題で、モル濃度についてが問われました。
設問(5)は正誤問題です。
選択肢に出てくる用語は基本的なものが多いですが、それらの概念をよく理解していないとできない問題でした。
【問題講評】解きやすい問題が多いが、基本的な内容をよく理解していないと難しく感じる。
C 第2問(理論化学)
第2問はイオンの構造、溶解平衡に関する問題です。
設問(1)は数字の穴埋め問題で、数字の規則性が分かればできる問題です。
設問(2)は正誤問題です。選択肢(b)、(d)がやや正誤判定に悩みます。
設問(3)、(4)は電子数を答える問題です。
原子番号40までの元素を覚えていないと解けない問題です。
また、問題文の内容を読み解く力も求められました。
設問(5)は錯イオンの名称を答える問題です。
設問(6)は塩化物イオンが配位する位置を答える問題です。
設問(7)は溶解平衡に関する計算問題です。
複数の平衡定数の式を組み合わせて答えを求めていきます。
【問題講評】標準レベルの問題が中心。初見の問題に対応できる力をつけたい。
D 第3問(有機化学)
第3問は有機化学の問題です。
問1 構造決定
設問(1)は元素分析に関する計算問題です。酸素の数が直接載っていませんが「エステル結合を1つ含むが、それ以外に酸素原子は存在しない」から判断できます。
設問(2)は構造決定の問題です。
・水酸化ナトリウムで加水分解→カルボン酸とアルコールに分離
・CはC8H12O2
・Bはベンゼンの一置換体でヨードホルム反応を示さない
といった情報から判断します。
設問(3)は化合物Bの構造異性体について答える問題です。
設問(4)は化合物Cの構造式を答える問題です。
オゾン分解の問題に慣れていないと難しく感じたでしょう。
また、化合物Dは鏡像異性体が存在しないことも構造式の形を特定することができます。
設問(5)は脱水反応に関する問題です。問題文は長いですが、そこまで難しくはありません。
設問(6)は正誤問題です。選択肢(う)、(え)は難しい内容です。
【問題講評】問題によって難易度のばらつきがある。重要問題集など難易度が高めの問題集を解いておくこと。
問2
設問(1)は重合反応について答える問題です。
設問(2)は用語の穴埋め問題です。合成高分子化合物について正確な知識が求められました。
設問(3)は化学反応式を答える問題です。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの組み合わせではないことに注意です。
設問(4)は化合物XとYの構造式を答える問題です。
図2のーCH2-が元が何だったのかが問われる問題でした。
設問(5)は重合度に関する計算問題です。
設問(6)は合成高分子化合物の用途に関する問題です。
問題(a)はやや難易度が高めです。
設問(7)は合成樹脂に関する正誤問題です。
全ての選択肢が細かい内容を問うものでした。
【問題講評】かなり細かい内容に踏み込んだ問題もある。高分子化合物については応用論点も復習しておくこと。
名古屋大学化学(2024・情報、理、工、医、農)の入試対策、おすすめ参考書は?
名古屋大学化学の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 高1・2
→定期テストで高得点が取れるようにしよう
高1・2の間の受験勉強は英語と数学を優先するようにしましょう。
とはいえ、化学の勉強を全くやらなくていいというわけではなく、
・長期休暇中や模試の前の復習
は必ず行うようにしてください。
高2が終わるまでに、定期テストレベルであれば完璧にできるようになるのを目標に勉強を進めるようにしましょう。
また具体的な勉強方法は、
②「宇宙一わかりやすい高校化学」を読んで化学の概念などを理解する
となります。
化学は基本問題の解き方を完璧に理解していないと応用問題を解くことができません。
そのため、ただ問題を解いて終わりではなく、「なぜそうなるのか?」を逐一理解しながら進めるようにしましょう。
また、公式や定理、化学反応式、物質の性質などは完璧に覚えるようにして下さい。
イ 高3の1学期まで
→「化学重要問題集」のA問題レベルは仕上げるようにしよう
名大の化学は、
・難易度の高い問題が出る
といった特徴があります。
そのため、高1・2のうちに化学の基礎固めを終え、高3の1学期からは「化学重要問題集」のA問題に取り組むようにしましょう。
「化学重要問題集」はA問題が地方国公立大・MARCH・関関同立レベル、B問題が旧帝大、医学部レベルとなっています。
そのため、まずはA問題の内容を完璧にマスターするようにしましょう。(習った所まででOKです。)
そして、できなかった問題や知識があやふやな問題は必ず参考書に戻って根本的な内容を理解するようにして下さい。
なお、解説を読んでも分からない場合にはYouTubeで解説動画がありますので、こちらを見て理解を深めるようにしましょう。
また、これらの問題集と並行して1学期で習った無機・有機化学の復習もしてください。
無機・有機の分野は用語や化学反応式、イオンの色などを覚えないことにはなかなか問題が解けるようにはなりません。
そのため、「基礎からのジャンプアップノート無機・有機化学暗記ドリル」などの問題集を使って、しっかりとそれらを暗記することから始めましょう。
ウ 高3の夏休み
→重問のB問題にもチャレンジしよう
名古屋大学の化学の問題はやや難易度が高めです。
そのため、「化学重要問題集」のB問題(旧帝大レベル)もやり込むようにして下さい。
そして、夏休み中にやるべきこととしては、
②有機:「化学重要問題集」のA問題→B問題を解く(習ったところまで)
です。
夏休みには、河合塾の全統共通テスト模試や全統記述模試などの模試などがあります。
ですので、そこに向けて基本的な内容を完璧に仕上げるようにしてください。
エ 高3の秋~入試直前
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
秋以降は問題演習がメインとなります。
ここでやってほしいことは、
②過去問を解く
③共通テスト対策問題集を解く
です。
A「化学重要問題集」のB問題をマスターする
名古屋大の化学の問題は、
・短い時間で素早く解く必要がある
といった特徴があります。
そのため、基礎固めをした後は、難しめの問題を数多く解くことをおすすめします。
まずは、「化学重要問題集」のB問題を解き、その後は「化学の新演習」の★、★★レベルの問題もやっていくといいでしょう。
ただし、「化学の新演習」は問題数が非常に多いので、化学が得意な人や化学に時間をかけることができる人以外は無理に手を出す必要はありません。
また、名大では有機化学の構造決定の問題が頻出です。
そのため、構造決定の問題をたくさん解きたいときは、「ここで差がつく 有機化合物の構造決定問題の要点・演習」といったような問題集を解くことをおすすめします。
B 過去問を解く
化学重要問題集(化学の新演習)をマスターした後はいよいよ過去問演習に入ります。
まずは名古屋大学の問題を解き、それが終わったら「名古屋大の化学」を解くといいでしょう。(赤本の最新版は例年7月ごろに出ます。)
問題をたくさん解くことで名大化学の傾向が身についていきます。
また、夏~秋にかけては名大オープン模試などの名大に特化した模試もあります。
そこに向けて、過去問演習をしっかりと行い、よい判定が出るように仕上げるようにしましょう。
なお、化学の問題をたくさん解きたい場合は、旺文社の「全国大学入試問題正解化学」がおすすめです。
この問題集は全国の主要な国公立大学・私立大学の化学の入試問題が載っています。
ただし、解説はあっさりしていますので、化学が得意な人以外は無理に使う必要はありません。
C 共通テストの対策問題集を解く
名大などの旧帝大では共通テストで高得点を取る必要があります。
そのため、夏休み~秋からは共通テストの対策問題集を解くようにしましょう。
その理由としては、
・解説が詳しく独学でも使いやすい
・河合塾、駿台、東進などさまざまな予備校が出版しているため、自分のレベルに合ったものを使うことができる
からです。
そして、個人的におすすめなのが、河合塾と駿台の問題集です。
まずはこの2冊の問題集から始め、さらに解きたい場合はZ会の問題集もやるといいでしょう。
【まとめ】名古屋大化学(情報、理、工、医、農)の難易度や問題傾向、勉強法のポイントとアドバイス
今回の「名古屋大化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてのまとめです。
・まずは「化学重要問題集」をマスターするようにしよう
・無機化学と有機化学は最初に物質の性質などをしっかりと覚えるようにしよう
・直前期は過去問レベルの問題を数多く解くようにしよう
名大の化学は標準~やや難レベルの問題が中心です。
そのため、まずは標準レベルの問題を完璧に仕上げるようにしよう。