と思っている高校生のみなさん!
今回は「源氏物語の品詞分解と現代語訳で定期テストの高得点を狙う」についてみていきますよ。
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✓対象となる人
✓記事を書いた人
紫式部はどんな人物?性格は?
【動画】「とよはし練成塾」塾長が話す!定期テスト古文のおすすめ勉強法は?
源氏物語の作者は紫式部ですが、実はこの名前は本名ではありません。
「式部」は式部省【学識の優れた人物が働く部署】というお役所の部署の名前で、紫式部の父が働いていた部署でした。(「紫」の由来は不明)
紫式部の父である藤原為時はかなりエリートで、漢文などの学問に秀でており、花山天皇の頃は天皇に漢文を教えていました。
また、清少納言自身も幼いころから漢学も学んでおり、非常に教養の高い女性でした。
その後、紫式部は結婚しますが、夫はすぐに死別してしまいます。
将来への不安と悲しむにふける紫式部に対し、友人が式部を慰めるためにある物語を紹介します。
式部はその物語を読み、友人と話している間は悲しみから忘れることができました。
そして、そのことがきっかけで彼女は物語を書くようになったのです。
彼女の書いた「源氏物語」はまもなく宮中に知れ渡るようになります。
そして藤原道長にもその噂が知れ渡るようになると、自分の娘である彰子の家庭教師になってくれないかと式部に頼み込みます。
そして、宮仕え後も源氏物語の執筆は続きました。
また、紫式部の性格としては、
・清少納言をライバル視
・漢詩の知識をむやみに披露しない控えめな性格
・負けず嫌いで真面目
であったそうです。
「源氏物語」の内容・登場人物は?
ア「源氏物語」の内容は?
→全54帖からなり、人間の愛のあり方を深く追求した作品
「源氏物語」は、全体が54帖からなり、大きく
①正編【光源氏の一生を語る】「桐壺」~「幻」
②続編【光源氏の子である薫の半生を描く】「匂兵部卿」~「夢浮橋」
の2つに大きく話が分かれています。光源氏と女性の愛の物語を中心に、式部から見た貴族社会に関わる女性の苦労話、藤原氏の摂関政治などが描かれています。
また、「源氏物語」は情緒的な感動を表す「あはれ」という言葉を多用しています。(一方、清少納言は「枕草子」で知的な感動を表す「をかし」という言葉を多用しています。)
イ「源氏物語」に出てくる登場人物は?
→主語の省略が多い作品なので、登場人物をしっかり把握しておこう!
次に「源氏物語」に出てくる主な登場人物についてみていきます。なお、「源氏物語」は平安時代の貴族の様子について描いた作品です。
光源氏 | 「光る君」。「源氏物語」の主人公。桐壺帝と桐壺更衣との間に生まれた子。容貌や才能に恵まれていた。 |
桐壺帝 | 光源氏の父で帝。桐壺更衣を深く愛するが、更衣が亡くなった後は面影が似ている藤壷を寵愛する。 |
桐壺更衣 | 光源氏の母。桐壺帝に寵愛されるが、身分もさほど高くないため、周囲から妬まれ、心身ともに衰弱してゆき、幼い光源氏を残して亡くなった。 |
藤壺更衣 | 桐壺更衣の亡き後、桐壺帝の妃となり絶大な寵愛を受けた。光源氏にも愛され、不義の子冷泉帝をもうける。 |
弘徽殿女御 | 桐壺帝の正妻。子である朱雀帝即位後には皇太后となり、絶大なる権力をふるうことになる。光源氏の敵役ともいえる立場にあった。 |
葵の上 | 光源氏の最初の妻。高貴でとりすました姫君で、源氏の君は親しみが持てない。しばらくして夕霧を産むも、六条御息所の生き霊に取り憑かれ、死んでしまった。 |
頭中将 | 葵の上の兄で光源氏のライバルであり友人であった。 |
若紫 | 光源氏は藤壺と生き写しの容姿に惹かれ、その後彼女を引き取った。光源氏は自邸の二条院で、彼女を理想の女性に育てあげていく。 |
六条御息所 | 東宮の死後、年下の光源氏と恋愛関係に陥る。美しく高貴で教養深く、物事をつきつめて考える性格。のちに強い嫉妬のあまり生霊となって、夕顔や葵上を苦しめることになる。 |
夕顔 | 頭中将が愛した姫君であったが、正妻から恨みを受け、姿を隠す。そこで源氏の君と出逢い、愛情を交わす。しかし、六条御息所の生霊にとりつかれて亡くなった。 |
朧月夜 | 弘徽殿の女御の妹。光源氏と密会を続けたことがばれたことで、姉の逆鱗にふれ、源氏の君は須磨、明石へ流された。 |
空蝉 | 光源氏の求愛に対し、一枚の着物を残し逃げ去った。地味な女性だが、気位高く貞淑な女であったため光源氏の心を奪った。 |
「源氏物語」の品詞分解・現代語訳は?
ここでは高校の古文の教科書によく出てくる「源氏物語」の作品のあらすじ・原文・品詞分解・現代語訳についてみていきます。(教科書ガイドには品詞分解・現代語訳・あらすじなどが詳しく書かれていますのでこちらもおすすめです。)
*教科書は高校によって違いますので、今学校で使っている教科書のガイドを買うようにしてください。
なお、古文の定期テストで高得点を取るには、
・古典文法をマスターする
・下で紹介する解説サイトや教科書ガイドなどで話のあらすじをつかむ
といったことをしていくことが必要になってきます。
ア 光源氏の誕生
→光源氏が生まれるところから物語は始まる
光源氏は桐壺帝と桐壺更衣から生まれました。
ただ、桐壺帝には弘徽殿の女御との子(のちの朱雀帝)もおり、光源氏は第2皇子として生まれました。
ただ帝は長男の第一王子よりも光源氏のほうを寵愛しました。
また、身分の低い桐壺更衣も寵愛したため、周りの女御や更衣たちは桐壺更衣に嫌がらせをします。
それが続いた結果、桐壺更衣は病になり実家に帰ってしまいます。
母に会えなくなった源氏には、母への恋慕の思いが日に日に増していくようになりました。
「光源氏の誕生」の品詞分解・現代語訳 | 「光源氏の誕生」のYouTube解説動画 |
イ 若紫
→いつまでも母親(に似た人)を忘れられない源氏
桐壺更衣が死んだ後には、帝は桐壺更衣と顔がそっくりな藤壺の女御と結婚します。
光源氏も新しい母親に慕っていましたが、元服すると一人前の男性としてみなされるため、母親に会えなくなってしまいます。
そのような状況の中、光源氏はいろいろな女性と恋愛関係になりますが、やはり藤壺の女御のことが忘れられません。(葵の上という正妻がいます。)
そんなあるとき、源氏が病気の治療のために北山に訪れ、近くを散歩していると一つの庵がありました。
そこで小さな女の子を見つけますが、なんと藤壺の女御にそっくりな女の子だったのです。(その少女こそが紫の上です)
その少女を自分の手で育てて自分好みの女性にしようと考えた源氏は、その少女を連れ去ってしまいました。
「若紫」の品詞分解・現代語訳 | 「若紫」のYouTube解説動画 |
ウ 車争ひ
→女同士の確執が悲劇を生む
光源氏は正妻の葵の上の他に六条御息所という女性とも付き合っていました。
しかし、六条御息所のところにはあまり通わなくなってしまいます。
そんなある日、賀茂祭で禊の儀式に同行する光源氏の姿を一目見ようと、六条御息所はお忍びで行きます。
先に車を停めて見物していましたが、後から来た葵の上の車が横入りをします。(当時、葵の上は妊娠していました)
その女性の素性を知った六条御息所は怒り狂い、葵の上が子供(夕霧)を出産する間際に生き霊として彼女を呪いにかけます。
そして、出産はしたものの、葵の上は呪われたことで死んでしまいました。
「車争ひ」の品詞分解・現代語訳 | 「車争ひ」のYouTube解説動画 |
エ 須磨の秋
→地方で寂しい暮らしをする源氏
光源氏はライバルの右大臣の娘で、朱雀帝に寵愛されていた朧月夜と深い関係にあってしまいます。
そしてその様子を右大臣に見つかってしまいます。
京都にいづらくなった源氏は須磨に行くことを決意します。
京都と違い、須磨には物寂しいところです。
そこで寂しい生活をしていると、そこに明石の入道が現れます。
入道は私の娘と結婚してほしいと源氏に言いますが、娘は身分が違いすぎると言って結婚をするのを拒みます。
「須磨の秋」の品詞分解・現代語訳 | 「須磨の秋」のYouTube解説動画 |
オ 住吉参詣
→身分の差にたじろぐ明石の君
都では帝は病気に悩むようになったり、政局に波乱があったりしたため、帝は光源氏に京に戻るように促します。
またそのころ、源氏は明石の入道の娘である明石の君と付き合い、そこで女の子(明石の姫君)をもうけていたため、女の子を連れて都に戻ります。
葵の上とは子供がいなかったため、源氏は葵の上に女の子を育ててくれないかと声を掛けます。
葵の上からすると、女の子を育てることで源氏に信頼されていると思ったことから、その申し出を了承します。
秋に、源氏はお礼参りに住吉に参詣します。
そのときに明石の君と出会いますが、彼女は源氏一行のオーラに押され、一言も話さずに立ち去ってしまったのです。
「住吉参詣」の品詞分解・現代語訳 | 「住吉参詣」のYouTube解説動画 |
カ 母と子の別れ
→母と永遠の別れをする源氏
源氏は明石の君との娘を紫の上の養女にしたいと申し出ます。
それを受け入れて姫君は二条院で過ごすことになります。
しかし、そんな中母である藤壺の女院が亡くなってしまいます。
実は源氏は藤壺との間に子(冷泉帝)がいましたが、それを黙って桐壺帝の子としていました。
ですが、藤壺が死んだことで僧都が冷泉帝に秘密を言ってしまいます。
「母と子の別れ」の品詞分解・現代語訳 | 「母と子の別れ」のYouTube解説動画 |
キ 明石の姫君の入内
→無事に東宮の女御になった明石の姫君
紫の上の養女として育てられた明石の姫君は教養のある美しい女性として成長しました。
そしてとうとう東宮の女御として宮中に入ることになりました。
宮中では育ての親の紫の上と産みの親である明石の君が初めて会います。
また、明石の君は8年ぶりに娘と対面をしたのでした。
「明石の姫君の入内」の品詞分解・現代語訳 | 「明石の姫君の入内」のYouTube解説動画 |
ク 夜深き鶏の声
→紫の上の立場が危うくなる
朱雀院(源氏の異母兄)は体調がすぐれなくなり出家を望んでいました。
そこで源氏に娘(女三の宮)を引き取ってくれないかと提案します。
上皇の申し出を無下に断ることのできない源氏は女三の宮と結婚します。
女三の宮は他の女性とは違って血統的に紫の上よりも圧倒的に上です。
そうなると正妻の立場が危うくなると考えた紫の上は不安な気持ちが募っていきます。
「夜深き鶏の声」の品詞分解・現代語訳 | 「夜深き鶏の声」のYouTube解説動画 |
ケ 紫の上の死
→無事に東宮の女御になった明石の姫君
紫の上はだんだんと体調を崩し、出家を望みます。
しかし、源氏は出家に反対をします。
それは紫の上と離れてしまうと生きるすべをなくしてしまうからです。
ただ、紫の上の病状は悪化し、とうとう死んでしまいます。
最愛の妻を失った源氏は出家をしようと願うようになりました。
「紫の上の死」の品詞分解・現代語訳 | 「紫の上の死」のYouTube解説動画 |
コ 宇治の姫君たち
→紫の上の立場が危うくなる
源氏物語は光源氏のパートがメインですが、光源氏の子孫たちのパートもあります。
ここでは薫と匂宮という光源氏の子孫がメインで出てきます。(実は薫は源氏の子供ではなく柏木<源氏のライバル頭中将の息子>の息子です。)
薫は八の宮(源氏の異母弟)のうわさを聞いて、宇治の山荘に向かいます。
そこでは八の宮は不在でしたが、美しい琴と琵琶の音が聞こえました。
それらを演奏する美人姉妹(大君・中君)に心を魅かれた薫は再び山荘を訪れたのです。
「宇治の姫君たち」の品詞分解・現代語訳 | 「宇治の姫君たち」のYouTube解説動画 |