と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「岐阜大化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてみていきますよ。
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岐阜大学化学(2023・医、応用生物科学、工、教育)の問題傾向・過去問分析は?
ここでは、「全国大学入試問題正解(化学)」に掲載されている学部について問題を分析しています。
A 全体の講評(医・応用生物科学・工・教育<前期>)
2023年の岐阜大の化学は大問が4~5問で構成されていました。
そして、その内訳は、
・医学部以外(5問):理論1題+無機2題+有機2題
となっています。
2023年の問題では、大問4の問3、問7が差がつきやすい問題でした。
また、岐阜大の化学の入試問題は、有機化合物や高分子化合物の問題がよく出ます。
そのため、直前期は有機化学の内容を中心に勉強するようにしましょう。
B 第1問(理論化学)
第1問は理論化学で化学基礎・化学の全般的な内容が問われました。
問1、2は用語を埋める問題などの知識問題で基本レベルです。
問3は気体の状態方程式などを使った計算問題です。
問4は化学反応式を答える問題です。
問5は半減期に関する問題ですが、公式をしっかりと理解していないと苦戦するかもしれません。
問6は記述問題で、半減するのに時間がかかるといったことを書く必要があります。
【問題講評】基本レベルの問題が多かった。しっかりと得点できるようにしたい。
C 第2問(無機化学)
第2問は無機化学で金属イオンの分離に関する問題です。
問3までは基本レベル、問4は標準レベルの問題です。
問1は溶解度積に関する知識問題です。正確な知識が問われました。
問2~5は金属イオンの分離に関する問題です。
さまざまなイオンや物質の沈殿の様子を正確に暗記する必要があります。
問6は溶解度積に関する計算問題です。
まずは、電離平衡の式から硫化物イオンのモル濃度を求め、次に溶解度積の式から塩化物イオンのモル濃度を求めることに成ります。
【問題講評】金属イオンの分離は典型問題。しっかりと対策をして確実にできるようにしたい。
D 第3問(有機化学)
第3問は有機化学の知識を問う問題です。
問1が構造決定、問2が芳香族化合物の分離に関する問題です。
問1
(1) 芳香族カルボン酸が炭酸に反応し、カルボン酸の塩ができます。
(2) 化合物B~Fの構造式を答える問題です。
水層にあるのは塩、エーテル層にあるのは芳香族化合物になります。
(3) (1)が分かればできる問題ですが、やや難易度は高めです。
問2
(1) 化学反応式を書く問題です。
(2) 濃硫酸の入れる意味を答える問題です。ルシャトリエの原理により水分が少ないとエステル化が進むことになります。
(3) 安息香酸メチルは炭酸水素ナトリウム、塩酸に順に反応し、さらにろ過をしていますので沈殿物質になります。
(4) 元々メタノールを過剰に入れているため、半分にしてもまだ過剰なままです。
【問題講評】全体的に難易度が高い。有機化学に関しては難易度が高めの問題もしっかりと解くことが望ましい。
E 第4問(有機化学)
第4問は有機化学の問題です。
問1は用語を答える問題で、基本的なものが中心です。
問2はポリエチレンテレフタラートの構造式を答える問題です。
問3はアセタール化の際に必要なホルムアルデヒドの質量を求める問題です。
比を使って求めていくことになります。
問4は記述問題で、ビニロンの中にあるOHが親水性を持つことに触れる必要があります。
問5は用語を答える問題ですが、やや細かい内容です。
問6は陽(陰)イオン交換樹脂の官能基を答える問題です。
問7はアミノ酸の分離に関する問題です。
細かい論点ですが、原理をしっかりとおさえるようにしましょう。
【問題講評】高分子化合物のやや細かい論点も問われた。隅々まで復習をしておくこと。
F 第5問(無機化学)
第5問は無機化学の問題です。
問1,2は遷移元素に関する知識問題です。
問3,4は化学反応式を答える問題です。
問5は計算問題ですが、CuOとCuSO4の物質量比は同じになります。
問6はFe2+と同じ価数の化合物を答える問題です。
問7は(1)が計算問題、(2)が塩素に関する正誤問題です。
【問題講評】解きやすい問題が多い。金属イオンの色などをしっかりと暗記しておくこと。
岐阜大学化学(2024・医、応用生物科学、工、教育)の入試対策、おすすめ参考書は?
岐阜大学化学の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 高3の1学期まで
→今まで習った内容の復習+定期テストの勉強をしていこう
高3の1学期から本格的に化学の受験勉強を始めていきます。(高1・2の間は定期テストの勉強だけでOKです。)
とはいえ、現役生の場合は無機化学や有機化学など習っていない単元もあります。
そのため、1学期の間は、
・定期テストの勉強を兼ねて無機化学や有機化学の内容をマスターする
といったことをやっていくようにして下さい。
また具体的な勉強方法は、
②「宇宙一わかりやすい高校化学」を読んで化学の概念などを理解する
③「基礎からのジャンプアップノート無機・有機化学暗記ドリル」で無機・有機化学の基本的な内容をマスターする
となります。
化学は基本問題の解き方を完璧に理解していないと応用問題を解くことができません。
そのため、一学期のうちは「リードLightノート化学」などを使って、典型問題を完璧にできるようにしましょう。
そうすることで夏休み以降に「化学重要問題集」などの難しい問題に取り組むことができます。
イ 高3の夏休み
→解く問題のレベルを上げていこう
夏休みからは解く問題のレベルを上げていきます。
高3の夏休みにやってほしいことは、
②「基礎からのジャンプアップノート無機・有機化学暗記ドリル」で無機・有機化学の基本的な内容をマスターする
です。
「リードLightノート化学」などで一通り化学の復習をした後は入試レベルの問題が載っている問題集を解いていきます。
その中でおすすめの問題集は「化学重要問題集」です。
この問題集は、大学入試でよく出る問題が並んでおり、一通りの問題を解くことで合格点レベルに到達することができます。
また、重問はA問題とB問題に分かれていますが、まずはA問題をマスターするようにしましょう。
なお、解説を読んでも分からない場合にはYouTubeで解説動画がありますので、こちらを見て理解を深めるようにしましょう。
また、これらの問題集と並行して1学期で習った無機・有機化学の復習もしてください。
無機・有機の分野は用語や化学反応式、イオンの色などを覚えないことにはなかなか問題が解けるようにはなりません。
そのため、「基礎からのジャンプアップノート無機・有機化学暗記ドリル」などの問題集を使って、しっかりとそれらを暗記することから始めましょう。
夏休みには、河合塾の全統共通テスト模試や全統記述模試などの模試などがあります。
ですので、そこに向けて基本的な内容を完璧に仕上げるようにしてください。
ウ 高3の秋~入試直前
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
秋以降は問題演習がメインとなります。
ここでやってほしいことは、
②過去問を解く
③共通テスト対策問題集を解く
です。
A「化学重要問題集」のA問題をマスターする
岐阜大の化学は標準的なレベルの問題が多いですので、下手に難しい問題集を解く必要はありません。
そのため、化学重要問題集のA問題を繰り返し解いて解き方をマスターするようにしましょう。
一方で、化学重要問題集ではどうしてもわからない場合は、リードLightノート化学や学校で使っている問題集(セミナーやアクセス)などに戻って、一度しっかりと復習をするようにしましょう。
また、岐阜大の場合は、有機化学の難易度が高いので、
・「ここで差がつく 有機化合物の構造決定問題の要点・演習」で構造決定の問題に慣れる
といったこともやることをおすすめします。
B 過去問を解く
化学重要問題集をマスターした後はいよいよ過去問演習に入ります。
まずは岐阜大の問題を解き、それが終わったら他の大学の過去問を解くといいでしょう。
問題をたくさん解くことで実践力が身についていきます。
なお、化学の問題をたくさん解きたい場合は、旺文社の「全国大学入試問題正解化学」がおすすめです。
この問題集は全国の主要な国公立大学・私立大学の化学の入試問題が載っています。
ただし、解説はあっさりしていますので、化学が得意な人以外は無理に使う必要はありません。
C 共通テストの対策問題集を解く
岐阜大は共通テストと二次試験の配点がほぼ同じです。
そのため、まずは共通テストである程度の点数を取る必要があります。
ですので、夏休み~秋からは共通テストの対策問題集を解くようにしましょう。
その理由としては、
・解説が詳しく独学でも使いやすい
・河合塾、駿台、東進などさまざまな予備校が出版しているため、自分のレベルに合ったものを使うことができる
からです。
そして、個人的におすすめなのが、河合塾と駿台の問題集です。
まずはこの2冊の問題集から始め、さらに解きたい場合はZ会の問題集もやるといいでしょう。
【まとめ】岐阜大化学(医、応用生物科学、工、教育)の難易度や問題傾向、勉強法のポイントとアドバイス
今回の「岐阜大化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてのまとめです。
・まずは「リードLightノート化学」などの基本レベルの問題集をマスターするようにしよう
・次に「化学重要問題集」のA問題を繰り返し解くようにしよう
・有機化学は難易度が高めの問題も解くようにしよう
岐阜大の化学は標準レベルの問題が中心です。
そのため、一つの問題集を繰り返し解くようにして理解度を上げるようにしよう。