と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「名古屋市立大学・薬学部(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてみていきますよ。
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名古屋市立大学・薬学部化学(2023)の問題傾向・過去問分析は?
ここでは、「全国大学入試問題正解(化学)」に掲載されている学部について問題を分析しています。
A 全体の講評
名古屋市立大学の薬学部の化学は解答時間が80分です。
また、2023年の名市大の化学は大問が6問で構成されていました。
その内訳は、理論2題、無機2題、有機2題(うち高分子が1題)です。
一般的に薬学部の化学の入試問題は有機化学の問題が多くなる傾向があります。
ただし、現役生の場合、有機化学を学校で習うのが1学期後半~2学期であるため、対策がどうしても遅くなってしまいます。
ですが、有機である程度の点数を取らないと合格ラインに乗ることが難しくなってしまいますので、その点は注意して受験勉強に取り組むようにしましょう。
B 第1問(無機化学)
第1問は無機化学の問題で銀の性質が中心に問われました。
問1~3は銀の性質、色、化学式(イオン式)について答える問題です。
問4、5は化学反応式を書く問題です。濃硝酸および希硝酸の半反応式をまず考える必要があります。
問6は王水に関する知識問題です。
問7は錯イオンに関する知識問題です。
問8は単位格子、ファラデーの法則に関する計算問題です。
【問題講評】典型問題からやや外れた問題が出題された。数多くの問題を解く必要がある。
C 第2問(無機化学)
第2問は無機化学の問題で窒素・リンの性質が中心に問われました。
問1は窒素とリンに関する穴埋め問題です。
問2は化学反応式を書く問題で、やや細かい内容です。
問3はハーバーボッシュ法についての問題です。
問4はオストワルト法についての計算問題です。化学反応式を書いて物質量の比を考えるようにしましょう。
問5は化学反応式を書く問題ですが、問2よりはやや易しい内容です。
問6は中和滴定に関する計算問題です。
【問題講評】基本的な問題が多いが、化学反応式はやや細かい内容が問われた。
D 第3問(理論化学)
第3問は理論化学の問題です。
問1、2は電離平衡に関する問題です。
問3は電離平衡に関する計算問題で、特に(4)はやや難しめの問題でした。
問4は緩衝作用に関する問題です。なお、(2)は記述問題でした。
【問題講評】全体的には典型問題が多かった。確実に正解したい。
E 第4問(理論化学)
第4問は理論化学に関する問題です。
【Ⅰ】
問1は用語を答える問題です。
問2は実在気体に関する問題で、後半は記述問題でした。
【Ⅱ】
問3は体積一定であるため、ボイルーシャルルの法則により求めます。
問4、5は気体の状態方程式により求めますが、問題文の「容器Aの圧力が容器Bの圧力よりも1.10×10の5乗以上高いときに開き」をうまく使っていくことになります。
【問題講評】【Ⅱ】の問4、5はやや難しい。化学重要問題集のB問題レベルまでやっておきたい。
F 第5問(有機化学)
第5問は有機化学の問題で構造決定の問題が中心に問われました。。
問1は元素分析から分子式を求める問題ですが、やや難しめです。
問2は構造決定の問題です。
二重結合がないため、環状構造であることが分かります。
問3は構造異性体について答える問題です。
問4は化学反応式を書く問題です。
問5は熱量を求める問題です。落ち着いてやればそこまで難しくはありません。
問6は記述問題です。同じ熱量時にどちらが二酸化炭素が多く発生するかを考えるとよいでしょう。
【問題講評】環状構造をもつ異性体が中心のタイプの問題で受験生からすると珍しかったのではないか。
G 第6問(有機化学)
第6問は有機化学の問題です。
全体的に難易度が高めです。
問1は塩化鉄に反応するのでフェノール類、問2は酢酸鉛に反応したのでSをもつ物質であることが分かります。
問3、4はアミノ酸およびその配列を答える問題です。難易度はかなり高い問題でした。
問5はジスルフィル結合に関する問題でこれも難易度は高めの問題です。
問6は等電点に関する問題です。
一般的に等電点より低いpHでは全体として正の電荷を、高いpHでは全体として負の電荷を帯びます。
【問題講評】全体的に難しい問題が多かった。難易度を見極めて解くようにしたい。
名古屋市立大学・薬学部化学(2024)の入試対策、おすすめ参考書は?
名古屋市立大学・薬学部化学の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 高1・2
→定期テストで高得点が取れるようにしよう
高1・2の間の受験勉強は英語と数学を優先するようにしましょう。
とはいえ、化学の勉強を全くやらなくていいというわけではなく、
・長期休暇中や模試の前の復習
は必ず行うようにしてください。
高2が終わるまでに、定期テストレベルであれば完璧にできるようになるのを目標に勉強を進めるようにしましょう。
また具体的な勉強方法は、
②「宇宙一わかりやすい高校化学」を読んで化学の概念などを理解する
となります。
化学は基本問題の解き方を完璧に理解していないと応用問題を解くことができません。
そのため、ただ問題を解いて終わりではなく、「なぜそうなるのか?」を逐一理解しながら進めるようにしましょう。
また、公式や定理、化学反応式、物質の性質などは完璧に覚えるようにして下さい。
イ 高3の1学期まで
→「化学重要問題集」のA問題レベルは仕上げるようにしよう
薬学部受験では、
・難易度の高い問題が出る
といった特徴があります。
そのため、高1・2のうちに化学の基礎固めを終え、高3の1学期からは「化学重要問題集」のA問題に取り組むようにしましょう。
「化学重要問題集」はA問題が地方国公立大・MARCH・関関同立レベル、B問題が旧帝大、医学部レベルとなっています。
そのため、まずはA問題の内容を完璧にマスターするようにしましょう。(習った所まででOKです。)
そして、できなかった問題や知識があやふやな問題は必ず参考書に戻って根本的な内容を理解するようにして下さい。
なお、解説を読んでも分からない場合にはYouTubeで解説動画がありますので、こちらを見て理解を深めるようにしましょう。
また、これらの問題集と並行して1学期で習った無機・有機化学の復習もしてください。
無機・有機の分野は用語や化学反応式、イオンの色などを覚えないことにはなかなか問題が解けるようにはなりません。
そのため、「基礎からのジャンプアップノート無機・有機化学暗記ドリル」などの問題集を使って、しっかりとそれらを暗記することから始めましょう。
ウ 高3の夏休み
→重問のB問題にもチャレンジしよう
名古屋市立大学・薬学部の化学の問題は難易度が高い問題もが出題されます。
そのため、「化学重要問題集」のB問題(旧帝大レベル)もやり込むようにして下さい。
そして、夏休み中にやるべきこととしては、
②有機:「化学重要問題集」のA問題→B問題を解く(習ったところまで)
です。
夏休みには、河合塾の全統共通テスト模試や全統記述模試などの模試などがあります。
ですので、そこに向けて基本的な内容を完璧に仕上げるようにしてください。
エ 高3の秋~入試直前
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
秋以降は問題演習がメインとなります。
ここでやってほしいことは、
②過去問を解く
③共通テスト対策問題集を解く
です。
A「化学重要問題集」のB問題をマスターする
名古屋市立大学・薬学部の化学の問題は、
・短い時間で素早く解く必要がある
といった特徴があります。
そのため、最終的には「化学重要問題集」のB問題レベルまでやっておくことをおすすめします。
ただし、B問題は旧帝大レベルの問題が中心ですので、まずはA問題が完璧になってから挑むようにしましょう。
B 過去問を解く
化学重要問題集(化学の新演習)をマスターした後はいよいよ過去問演習に入ります。
まずは名古屋市立大学の問題を解き、それが終わったら他の大学の過去問を解くといいでしょう。(赤本の最新版は例年9月ごろに出ます。)
問題をたくさん解くことで実践力が身についていきます。
なお、化学の問題をたくさん解きたい場合は、旺文社の「全国大学入試問題正解化学」がおすすめです。
この問題集は全国の主要な国公立大学・私立大学の化学の入試問題が載っています。
ただし、解説はあっさりしていますので、化学が得意な人以外は無理に使う必要はありません。
C 共通テストの対策問題集を解く
薬学部では共通テストで高得点を取る必要があります。
そのため、夏休み~秋からは共通テストの対策問題集を解くようにしましょう。
その理由としては、
・解説が詳しく独学でも使いやすい
・河合塾、駿台、東進などさまざまな予備校が出版しているため、自分のレベルに合ったものを使うことができる
からです。
そして、個人的におすすめなのが、河合塾と駿台の問題集です。
まずはこの2冊の問題集から始め、さらに解きたい場合はZ会の問題集もやるといいでしょう。
【まとめ】名古屋市立大・薬学部化学の難易度や問題傾向、勉強法のポイントとアドバイス
今回の「名古屋市立大・薬学部化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてのまとめです。
・まずは「化学重要問題集」をマスターするようにしよう
・無機化学と有機化学は最初に物質の性質などをしっかりと覚えるようにしよう
・直前期は過去問レベルの問題を数多く解くようにしよう
名古屋市立大(薬学部)の化学は標準~やや難レベルの問題が中心です。
そのため、まずは標準レベルの問題を完璧に仕上げるようにしよう。