と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「名古屋市立大医学部物理(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてみていきますよ。
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名古屋市立大学・医学部物理(2023)の問題傾向・過去問分析は?
ここでは、「全国大学入試問題正解(理科・追加掲載編)」に掲載されている学部について問題を分析しています。
A 全体の講評
名古屋市立大学医学部の理科の入試では、理科2科目を150分で解く必要があります。
また、2023年の名古屋大学の物理は大問が5問で構成されていました。
問題量が多いため、テンポよく解く必要があります。
また、出題内容はどの分野からも満遍なく出題されており、難易度は標準~やや難レベルです。
そのため、物理のエッセンスや良問の風物理、名問の森物理で解法暗記をしたら、できるだけ多くの過去問を解いていくといいでしょう。
そうすることによって思考力が身に付き、名古屋市立大の問題に対応できるようになります。
B 第1問(力学)
第1問は力学の問題です。
単元は力のモーメントに関する内容ですが、題材は自転車を使っているため実用的な内容となっています。
(8)でグラフの作図問題が、(9)でグラフを使った計算問題が出てきます。
他の大問と比べると難易度はやや高めです。
【問題講評】典型的な問題ではないため、解き方が思いつくかどうかがカギを握った。
C 第2問(波動)
第2問は波動の問題です。
(1)~(3) ドップラー効果、うなりの基本問題です。
(4)~(6) うなりの1回目は直接音がMに着くまでの時間、2回目は反射音がMに着くまでの時間となります。
(7)・(8) 三平方の定理を使って求めていきます。
【問題講評】(4)~(6)がやや難しい。発展レベルの問題集を解いておきたい。
D 第3問(電磁気)
第3問は電磁気の問題です。
(1)~(4) コイルの仕事、仕事率に関する問題です。
(3)はグラフを描く問題、(4)はグラフを元に計算をする問題です。
(5)は交流に関する問題です。
コイルでは電圧の位相が電流よりもπ/2進みます。
(6)はキルヒホッフの第2法則および加法定理を使って求めていきます。
(7)はグラフを描く問題です。VRの振幅を求め、これが単調減少であることを見つけていきます。
(8)もグラフを描く問題です。ここでも加法定理を使って電力の式を求めていきます。
(9)は回路全体の消費電力を求める問題です。グラフをよく見ると解き方の糸口が見えてきます。
【問題講評】やや難易度が高いが解けない問題ではない。問題演習をしっかりと積むこと。
E 第4問(原子)
第4問は原子の問題です。
(1) 光子1個のエネルギーを求める問題です。
(2) eV=1/2mv2の関係から求めていきます。
(3) hv=W+Kの関係から仕事関数を求めていきます。
(4) 光電流÷電気素量により個数を求めていきます。
(5) 光子の数が増えるので電流の値が増えます。
一方で一個の光子のエネルギーは変わらないので、阻止電圧は変わりません。
【問題講評】非常に易しいレベルの問題であった。原子分野も必ず復習をしておくこと。
F 第5問(原子)
第5問は原子の問題です。
コンプトン効果に関する典型問題です。
(1)、(2) (1)で光子1個のエネルギーを、(2)でエネルギー保存則の式を求めます。
(3) 運動量保存則を使って求める問題です。
(4)・(5) (2)・(3)および問題文の近似値を使って求める問題です。
(6) コンプトン効果の名称と性質に関する問題です。
【問題講評】典型問題であるため確実に正解したい。
名古屋市立大学・医学部物理(2024)の入試対策、おすすめ参考書は?
名古屋市立大学医学部物理の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 高1・2
→定期テストで高得点が取れるようにしよう
高1・2の間の受験勉強は英語と数学を優先するようにしましょう。
とはいえ、物理の勉強を全くやらなくていいというわけではなく、
・長期休暇中や模試の前の復習
は必ず行うようにしてください。
高2が終わるまでに、定期テストレベルであれば完璧にできるようになるのを目標に勉強を進めるようにしましょう。
また具体的な勉強方法は、
②「宇宙一わかりやすい高校物理」を読んで物理の概念などを理解する
となります。
物理は基本問題の解き方を完璧に理解していないと応用問題を解くことができません。
そのため、ただ問題を解いて終わりではなく、「なぜそうなるのか?」を逐一理解しながら進めるようにしましょう。
また、公式や定理、問題の解き方などは完璧に理解した上で解けるようにして下さい。
イ 高3の1学期~夏休みまで
→力学・熱・波動までを一気に仕上げる
名古屋市立大の物理は、
・難易度の高い問題が出る
といった特徴があります。
そのため、高1・2のうちに物理の基礎固めを終え、高3の1学期からは入試対策ができる物理の問題集を解いていきます。
ただし、現役生の場合は、1学期のうちは電磁気や原子分野を習っていないことがあります。
そのため、既に習った力学・熱・波動分野を一分野ずつ一気に仕上げるようにして下さい。
具体的には、
②入試標準レベル:「良問の風物理」を解く
③入試発展レベル:「名問の森物理」もしくは「物理重要問題集」を解く
という流れになります。
最初に「物理のエッセンス」で物理の解き方について学び、その後は「良問の風物理」・「名問の森物理」とステップアップをしていきます。
また解く順番としては、まずは出題頻度の高い力学から始め、その後は熱→波動の順でやっていきます。
そして、できなかった問題や知識があやふやな問題は必ず参考書に戻って根本的な内容を理解するようにして下さい。
なお、解説を読んでも分からない場合にはYouTubeで解説動画がありますので、こちらを見て理解を深めるようにしましょう。
また、これらの問題集と並行して1学期で習った電磁気・原子の復習もしてください。
特に電磁気は力学と並んで頻出単元となっています。
加えて内容を理解するのに難しい分野であるため、基礎固めには特に力を入れて取り組むようにしましょう。
ウ 高3の10月まで
→電磁気・原子分野も入試レベルまで仕上げていこう
夏休みが終わってから10月末までには、残りの2分野(電磁気・原子)の問題を集中的に解いていきます。
解く問題集は、力学・熱・電磁気のときと同じで、
になります。
また、定期的に力学・熱・波動の復習もしておきましょう。
これらを10月末までに終わらせ、11月からは過去問演習に入れるようにしてください。
エ 高3の秋~入試直前
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
秋以降は問題演習がメインとなります。
ここでやってほしいことは、
②共通テスト対策問題集を解く
です。
A 過去問を解く
名問の森物理や物理重要問題集をマスターした後はいよいよ過去問演習に入ります。
まずは名古屋市立大学の問題を解き、それが終わったら他の大学の過去問を解くといいでしょう。(赤本の最新版は例年10月ごろに出ます。)
問題をたくさん解くことで実践力が身についていきます。
なお、物理の問題をたくさん解きたい場合は、旺文社の「全国大学入試問題正解物理」がおすすめです。
この問題集は全国の主要な国公立大学・私立大学の物理の入試問題が載っています。
ただし、解説はあっさりしていますので、物理が得意な人以外は無理に使う必要はありません。
B 共通テストの対策問題集を解く
医学部では共通テストで高得点を取る必要があります。
そのため、夏休み~秋からは共通テストの対策問題集を解くようにしましょう。
その理由としては、
・解説が詳しく独学でも使いやすい
・河合塾、駿台、東進などさまざまな予備校が出版しているため、自分のレベルに合ったものを使うことができる
からです。
そして、個人的におすすめなのが、河合塾と駿台の問題集です。
まずはこの2冊の問題集から始め、さらに解きたい場合はZ会の問題集もやるといいでしょう。
【まとめ】名古屋市立大医学部物理の難易度や問題傾向、勉強法のポイントとアドバイス
今回の「名古屋市立大医学部物理(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてのまとめです。
・まずは「リードLightノート物理」・「物理のエッセンス」などの問題集をマスターするようにしよう
・次に「良問の風物理」・「名問の森物理」の問題をマスターしよう
・最後は過去問を解いて問題形式に慣れよう
名古屋市立大の医学部物理は標準~やや難レベルの問題が中心です。
そのため、まずは「リードLightノート物理」や「物理のエッセンス」などを完璧に仕上げるようにしよう。