と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「2025年 共通テスト化学完全攻略ガイド:出題傾向・対策法・おすすめ問題集」についてみていきますよ。
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✓対象となる人
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共通テスト化学(2024)の平均点と問題傾向、難易度は?
【動画】「とよはし練成塾」塾長が話す!2025年 共通テスト化学完全攻略ガイド:問題傾向とおすすめ問題集
ア 共通テスト化学(2024)の平均点、難易度や出題範囲は?
→昨年並みの難易度だった
下の表は2024年の共通テスト化学の問題傾向や難易度についてです。
難易度 | 昨年並み |
出題分野 | 第1問 理論化学(20点) 第2問 理論化学(20点) 第3問 無機化学(20点) 第4問 有機化学・高分子化合物(20点) 第5問 総合問題(20点) |
平均点 | 54.77点↑ |
共通テストの化学の問題は難しめの問題が多いです。
それは定期テストのような単純に知識を問う問題があまりなく、表やグラフを読み取る問題や思考力が必要な問題が増えているからです。
ただし、共通テストはあくまで教科書の内容から出題されているため、本質的な理解をしていればできるようになってきます。
そのため、共通テストの化学で高得点を取るには、
・計算問題は「なぜその解き方になるのか?」を理解しながら解く
・基礎固めを早めに終え、共通テストの過去問や予想問題集をたくさん解く
といったことをやっていく必要があります。
化学は範囲が広いため、高3になってから勉強を始めるのではなく、高1・2のうちからコツコツと勉強をするようにしましょう。
イ 前年度2024年の共通テスト化学の過去問題の分析や解説は?
→思考力を問う問題の攻略がポイント
A 第1問(理論化学・20点)
問1 配位結合に関する問題です。選択肢にはH3O+などの代表的なイオンと錯イオンがあるため、知っていれば難しくはないでしょう。
問2 気体の状態方程式に関する問題です。計算自体は易しめでした。
問3 コロイドに関する問題です。コロイド粒子はセロハン(半透膜)を通過できません。
問4
a 水の状態図に関する問題です。グラフを読み取る問題ですので、難しくはありません。
b 氷および水の温度の状態変化に関する問題です。グラフが何を意味しているかを理解するのがやや難しい問題でした。
c 残った氷の体積を求める問題です。前ページのグラフの氷の密度を使うのがミソです。
B 第2問(理論化学・20点)
問1 エネルギー図に関する問題です。吸熱反応ですので、吸熱後は物質が持っているエネルギーは多くなります。
問2 ルシャトリエの原理に関する問題です。H2を加えるのでH2を減らす方向に反応が進みます。
問3 流れる電気量の大小を求める問題です。1molあたりに発生する電子の物質量を比較して求めていきます。やや難易度は高めです。
問4
a 電離度とモル濃度に関するグラフの読み取り問題です。Ka≒cα2の式を変形して考えるようにしましょう。
b HAの電離定数を求める問題です。Ka=[H+][A-]/[HA]の式に代入して求めていきます。
c 正誤判別問題です。選択肢④は中和反応により[A-]が減少するのではなく、水溶液の体積が増加するため、相対的にモル濃度が減少していきます。
C 第3問(無機化学・20点)
問1 正誤判別問題です。選択肢①は「エタノール」、選択肢③は「濃硫酸に少しずつ水を加える」が誤りです。
問2 正誤判別問題です。酸化力はフッ素>塩素>臭素>ヨウ素であるため、選択肢④の反応のときには酸化還元反応が起きます。
問3 空欄補充問題です。めっきや合金についての知識が問われました。
問4
a 酸化還元反応に関する問題です。解きやすい問題でした。
b 塩素の物質量を求める問題です。(1)と(2)の式を足して一つの式として考えます。
c NIの質量を求める問題です。問題文のイオン反応式からそれぞれの電子の物質量を求めていきましょう。
D 第4問(有機化学、高分子化合物・20点)
問1 化合物Aの構造式を求める問題です。アセトアルデヒドの製法は複数あるので、ややしっかりと覚えるようにしましょう。
問2 正誤判別問題です。アミロペクチンは冷水に溶けにくいです。
問3 タンパク質の検出反応に関する問題です。ニンヒドリン反応、キサントプロテイン反応、ビウレット反応の違いについて問われました。
問4
a 正誤判別問題です。サリシンにはホルミル基は生じないため銀鏡反応は示しません。
b βーラクタム環ができる化合物を選ぶ問題です。Cの数に注目して求めていくといいでしょう。
c トルエンからの合成経路に関する問題です。典型問題であるため確実に正解したいです。
E 第5問(総合問題・20点)
問1 グラフの読み取り問題です。比を使って求めることができます。
問2 Agの物質量を求める問題です。問1と同じく比を使って求めることができます。
問3
a グラフの読み取り問題です。相対質量が50と52の比が3:1のものを選ぶようにしましょう。
b グラフの読み取り問題です。相対質量を求めると簡単に出すことができます。
c グラフの読み取り問題です。切断する箇所によって相対質量が変わってきます。
共通テスト化学(2025)で9割取るための勉強法、おすすめ参考書・問題集は?
ア 高1・2~高3の1学期
→定期テストや模試を通じて基礎固めをしていきたい
A おすすめ勉強法
高1・2の間は、化学基礎および化学の共通テスト対策は特にやる必要はありません。
ですが、学校の定期テストの勉強はしっかりとやるようにしましょう。
定期テストの勉強を通じて、化学基礎や化学の基本的な内容を身につくことができれば、高3になってからの受験勉強が非常に楽になってきます。
また、共通テスト向けの模試は高2の冬から始まります。
そのため、普段から定期テストの勉強をコツコツとやっておけば、その模試でもいい点数を取ることができるようになります。
そういったことからも定期テストの勉強を疎かにせず、今まで習った内容をしっかりと復習するようにしましょう。
なお、教科書の内容がよく分からない場合は、「宇宙一分かりやすい高校化学」のような参考書を使うことをおすすめします。
B 参考書を読み、今まで習った内容を思い出す
高3の春からは本格的に化学の共通テスト対策を始めていきます。
そして最初にやってほしいことは、化学の参考書を読むことです。
「宇宙一分かりやすい高校化学(学研)」は、化学の内容について非常に分かりやすく書かれている参考書ですので、まずはこの本をざっと読むことから始めましょう。
みなさんの中には問題集を解くことから始める人がいるかもしれません。
しかし、高1・2で習った化学の内容を全て覚えている人はなかなかいません。
そのため、問題集を解く前に参考書に目を通しておくことで、今まで習った内容を思い出すことができ、スムーズに問題に取り組むことができます。
ただし、隅々までをじっくりと読むのではなく、今まで習った内容を思い出すために読むので、最初はサラッと読めば十分です。
そして、問題を解くときに分からないところが出てくれば、その部分を参考書で調べるという感じで使うようにしましょう。
C 基本レベルの問題集を解く
参考書を読み終えたら、ここからは問題集を解いていきます。
そして、化学基礎・化学の基礎固めができるおすすめ問題集は、「リードLightノート化学基礎・化学(数研出版)」となります。
この問題集は基本的な問題が中心に載っている問題集で、共通テスト対策の最初の一冊目として使うべき教材です。
そして、「リードLightノート化学基礎・化学」を解く際の注意点としては、
②定義や公式をしっかりと覚える(無機や有機では物質の性質や反応式なども覚える)
③計算問題の場合はなぜその解き方になるのかを理解する
④自力で解けるかどうかを確認する
といったことがあります。
ここでのポイントは、最初から答えを見てしまうことです。
答えを見て解き方をインプットし、その上で問題を解いていくとスムーズに勉強を進めることができます。
また、一回やっただけでは完全には定着しませんので、少なくとも3周は取り組むようにしましょう。
イ 高3の夏休み~秋
→少しずつ実践的な問題を解くようにしよう
「リードLightノート化学」をマスターすることで化学の基本的な内容はできるようにはなります。
ですが、共通テストレベルの問題が解けるようになるには、もう一段階上のレベルの問題集を解く必要があります。
そこでおすすめなのが、「化学重要問題集(数研出版)」です。
この問題集をおすすめする理由としては、
・定番の問題集であり、多くの受験生が使っているため安心感がある
・YouTubeに解説動画があるため、問題の解き方を理解しやすい
といったことがあるからです。
ただし、「化学重要問題集」は化学の基礎がしっかりと固まっていないと使いこなすことが難しい問題集です。
そのため、共通テストまで時間がない場合や基礎が十分に身についていない場合は無理に手を出さない方がいいでしょう。
逆に難関大を志望する場合や共通テストの対策が順調に進んでいる場合は、重問に積極的にチャレンジすることをおすすめします。
なお、この問題集はA問題とB問題がありますが、まずはA問題をマスターするようにしましょう。(B問題は難関大レベルです。)
ウ 高3の秋~共通テスト直前
→数多くの問題にあたって得点力をつけていこう
A どの問題集から始めるべきか?
共通テストに比べるとセンター試験は問題の難易度が若干易しめです。
それは、
・共通テスト:知識があることを前提に読解力や思考力が問われる
といったことがあるからです。
そのため、最初から共通テストの問題を解いてしまうと、人によってはかなり難しく感じてしまう可能性も出てきます。
そのため、まずは「赤本(教学社)」や黒本などに載っているセンター試験の過去問(2015~2020年)を解いていきましょう。
そこである程度の点数が取れれば順調に勉強が進んでいるといえます。
一方であまり点数が取れない場合は、再度参考書や問題集に戻って復習をするようにしましょう。
一般的に、点数が伸び悩む人にありがちなこととしては、
・なぜその計算になるのかを理解していない
といったことがあります。
そのため、よく分かっていない内容はしっかりと理解をするようにし、あまり覚えていない内容はきちんと暗記をするようにしましょう。
そして2020年までのセンター試験の過去問(本試験・追試験)を解き終えたら、仕上げに2021~2024年の共通テストの問題を解くようにして下さい。
共通テストの問題は、表やグラフを読み取る問題や文章の内容を理解する問題などが多く出ます。
そのため、最初は時間をかけてじっくりと解くようにしましょう。
B いつから過去問演習を始めるべきか?
なお、赤本や黒本でセンター試験の過去問を解き始める時期は、夏休み~秋くらいがおすすめです。
それは、この時期には全統共通テスト模試や駿台ベネッセ共通テスト模試などの共通テスト模試があるからです。
これらの模試に向けて勉強を進めることで計画的に勉強をすることができます。
ですので、模試がある直前にある程度センター試験や共通テストの過去問を解き終わっている状態に仕上げるようにしましょう。
C 予備校の予想問題集を解く
最後に各予備校が出している予想問題集を解いていきます。
各予備校が出している予想問題集の特徴としては、
②東進 難易度は本試験レベル。解説動画がついている。
③代ゼミ 難易度は教科によってバラツキがある。大きな書店でないと売っていない。
④駿台 難易度は難しめ。
⑤Z会 難易度はかなり難しい。大きな書店でないと売っていない。
となっています。
そのなかでおすすめは、河合塾と東進です。
河合塾の「共通テスト総合問題集 化学」は前年度の全統共通テスト模試(全5回)が載っており、全統共通テスト模試対策にもなります。
また東進の「共通テスト実戦問題集 化学」はオリジナルの模試が3回分と過去問が2回分載っており、かつ動画では共通テスト化学の勉強法について詳しく説明がされています。
まずはこの2冊の問題集から解き、時間に余裕のある人や難しめの問題を解きたい人は駿台の問題を解いていけばいいでしょう。(駿台の問題集はややレベルが上がるので注意してください。)
*上記2冊はまだ新課程版は出ていませんのでご注意ください。
また、共通テスト本番直前には「予想問題パック」も出ますので、力試しにこちらの問題集も解いてみてください。
共通テストが始まってまだ日が浅いため、過去問があまりありません。
そのため、予想問題集を積極的に解くようにしましょう。