と思っている高校生のみなさん!
今回は「伊勢物語の品詞分解と現代語訳で定期テストの高得点を狙う」についてみていきますよ。
✓内容
✓対象となる人
✓記事を書いた人
「伊勢物語」の内容・登場人物は?
【動画】「とよはし練成塾」塾長が話す!定期テスト古文のおすすめ勉強法は?
ア「伊勢物語」の内容は?
→在原業平の青年期からの恋愛についての物語
伊勢物語とは歌物語(和歌とそれに関する説話を組み合わせた物語)で、在原業平(ありわらのなりひら)という実在の人物の、大恋愛物語です。
在原業平の青年期から死に至るまでの恋愛を中心とした話がまとめられています。(なお紫式部が書いた「源氏物語」は伊勢物語の影響を強く受けているとされています。)
なお、伊勢物語の特徴としては、
・「昔、男ありけり」から文章が始まることが多い
・和歌が必ず含まれている
となっています。
イ 在原業平はどんな人物?
→天皇家の血筋を引いたイケメン
次に「伊勢物語」に出てくるメインキャラクターである、在原業平がどんな人物かについてみていきます。
在原業平は天皇家の血筋を引く、高い身分の人間でしたが、生まれて間もなく皇族を離れ、貴族として天皇の臣下になります。(祖父の平城上皇が天皇に反乱を起こしたため、平城上皇の子孫である在原業平は冷遇されたため。)
また、業平の性格は、容姿端麗で自由奔放であったようです。
つまり、イケメンで自由気ままに生き、女性を口説く和歌に優れていた人でした。
そのため、気にいった女性には得意の和歌を送り一夜を過ごすという感じで、女性に非常にモテていました。
「伊勢物語」の品詞分解・現代語訳は?
ここでは高校の古文の教科書によく出てくる「伊勢物語」の作品のあらすじ・原文・品詞分解・現代語訳についてみていきます。(教科書ガイドには品詞分解・現代語訳・あらすじなどが詳しく書かれていますのでこちらもおすすめです。)
*教科書は高校によって違いますので、今学校で使っている教科書のガイドを買うようにしてください。
なお、古文の定期テストで高得点を取るには、
・古典文法をマスターする
・下で紹介する解説サイトや教科書ガイドなどで話のあらすじをつかむ
といったことをしていくことが必要になってきます。
ア 初冠
→在原業平は平城天皇の孫だが臣籍降下したため天皇にはなれなかった
伊勢物語は、「むかし、男、初冠して、奈良の京、春日の里に、しるよしして、狩にいにけり。」という文から始まります。
この文から分かることは、
・狩りをしていたため身分の高い人であることが分かる
ということで、ここから男=在原業平であることが分かります。
初冠とは今でいう成人式のことで、晴れて大人になった男が奈良の外れに住んでいた美しい姉妹に声を掛けるところから物語が始まります。
「初冠」の現代語訳・品詞分解 | 「初冠」のYouTube解説動画 |
イ 月やあらぬ
→身分の高い女性に恋をしてしまう在原業平
男はあるとき藤原氏の娘のことが好きになります。
娘のところに何度か通うも、女はあるときに他の所に姿を隠してしまいます。
一年経って業平は女のいた西の対の屋に行きますが、当然会うことができません。
そこで去年のことを思い出す業平は歌を詠んで泣きながら家に帰ったのです。
「月やあらぬ」の現代語訳・品詞分解 | 「月やあらぬ」のYouTube解説動画 |
ウ 通ひ路の関守
→女の元に通うも兄たちに警戒されてしまう
業平は二条の后の元に通うも、その邸の主人に警戒されて門に見張りをつけられてしまいます。
そうなると女に会うことがなかなかできなくなってしまいます。
そこで業平は女に歌を贈りました。
その歌を見て女は心を痛めたため、主人は見張りを解いたのです。
「通い路の関守」の現代語訳・品詞分解 | 「通い路の関守」のYouTube解説動画 |
エ 芥川
→失恋がきっかけで東国に行こうとする在原業平
男はあるとき藤原氏の娘のことが好きになります。
娘のところに何度か通うも、娘の兄たちに警戒されてしまいます。
そんな中、男は娘を連れだし、暗い中を二人で逃げていきます。
二人で蔵の中に隠れて、男は外で見張りをしていると、なんと娘は鬼に食べられてしまいました。
しかし、これはあくまで比喩で、実際は兄たちに連れ戻されてしまったのです。
ですが、このことがきっかけで男は「京にいる意味がない」と思うようになり、東国に向かうことになったのです。
「芥川」の現代語訳・品詞分解 | 「芥川」のYouTube解説動画 |
オ 東下り
→東国に向かっても京にいる人のことを忘れられなかった
失恋をした業平は東国に向かう決心をします。
しかし、東国に向かうさまざまな地で歌を詠むたびに京のことを思い出します。
すると、業平はもちろんのこと、仲間たちも一緒に泣いてしまいます。
また、当時は東国は都に住んでいた人からすると、異境の地とみなされていました。
そのため、知らない土地に足を踏み入れることにも不安な気持ちが募っていきました。
「東下り」の現代語訳・品詞分解 | 「東下り」のYouTube解説動画 |
カ 筒井筒
→伊勢物語は在原業平以外の男の話も出てくる
「筒井筒」は幼馴染の男女が結婚するものの、女の暮らしが貧しくなったため、男が別の女性の元に行ってしまいます。
しかし、女がけなげに男の帰りを待っているのを知った男は、別の女性の元に行かなくなってしまったという話です。
なお、ここで出てくる「男」は在原業平ではなく地方の役人(もしくは商人)とされています。
「筒井筒」の現代語訳・品詞分解 | 「筒井筒」のYouTube解説動画 |
キ 梓弓
→男女の気持ちのすれ違いから起きた悲劇
「筒井筒」に続き、この「梓弓」に出てくる男も在原業平ではないとされています。
ここでは、男が女の元を離れ3年経ちましたが、いつまで経っても男が会いに来ないので、女が別の男と結婚をしたという話です。
その後男が帰ってきて、「別の人と幸せになってください」という歌を詠んで去っていくと、女は男を追いかけました。
しかし、どうしても追いつくことができずに、途中で倒れ、ついにはそこで死んでしまいました。
「梓弓」の現代語訳・品詞分解 | 「梓弓」のYouTube解説動画 |
ク すける物思ひ
→伊勢物語は在原業平以外の男の話も出てくる
とある若い男が召使いの女を愛していました。
しかし、男の親がその仲を引き離そうとします。
親に逆らえない男は言うがままにされ、とうとう女と離れることになりました。
そこで男は歌を詠み、そこで息絶えてしまいます。
困った親は神仏に祈ったところ、なんと男は生き返りました。
このように昔の男性は命をかけてでも恋愛をしたのです。
「すける物思ひ」の現代語訳・品詞分解 | 「すける物思ひ」のYouTube解説動画 |
ケ 狩りの使ひ
→斎宮と恋仲になる業平
伊勢物語の後半には業平が斎宮(伊勢神宮に仕える未婚の興除)と恋愛関係になる話があります。
しかし、斎宮に在任中は恋愛はご法度であるため、業平は表立って斎宮に会うことができません。
やっとのことで夜に業平の元に斎宮が来ましたが、満足に話し合えないまま女は帰ってしまいます。
「もう一度来てほしい」と業平は言いますが、その後は尾張の国に行かなければならなくなったため、もう会うことはできなくなってしまいました。
「狩りの使ひ」の現代語訳・品詞分解 | 「狩りの使ひ」のYouTube解説動画 |
コ 渚の院
→惟喬親王とのやりとりについて書かれている
惟喬親王は母が紀有常の妹(業平の妻は紀有常の娘と)で業平と交友関係にありました。
ある日、親王と業平たちは離宮のある水無瀬で酒を吞み交わします。
そこでは桜の花が美しく咲いており、業平が「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という歌を詠みました。
「渚の院」の現代語訳・品詞分解 | 「渚の院」のYouTube解説動画 |
サ 小野の雪
→男女の気持ちのすれ違いから起きた悲劇
惟喬親王は皇位継承から外れてしまったため、出家をすることにしました。
出家先は比叡山の近くで雪が降り積もるところでした。
そこに業平は行き、親王と昔話をします。
しかし、業平は公務があるため都に帰らなければいけません。
そこで歌を詠んで泣く泣く帰ることになりました。
「小野の雪」の現代語訳・品詞分解 | 「小野の雪」のYouTube解説動画 |