と思っている高校生のみなさん!
今回は「大学入試志望理由書の書き方ガイド:ルールとベスト例文」についてみていきますよ。
✓内容
✓対象となる人
✓記事を書いた人
【大学入試】志望理由書とは?
大学や短大、専門学校によっては事前に志望理由書を提出するところもあります。(800字~1200字程度のところが多いです)
志望理由書とは、「志望する大学に対し、自分の熱意・意欲をアピールする」書類のことです。
「私は●●ができる」
「貴学で学んだことを生かして、将来は●●したい」
といったことを紙を通じてアピールしていくのです。
また、志望理由書は大学側が評価する上で非常に重要な資料となります。
その理由としては、以下の2つがあります。
①大学の選考基準の一つである
大学は志望理由書を通じて、受験生の自己表現力や思考力、大学に対する理解度などを評価し、入学の可否を決定します。
②大学での学びや活動の目的を明確にするため
志望理由書は、受験生が大学での学びや活動の目的を明確にすることで、大学とのマッチングを図るためにも重要です。
学生の書いた内容から大学との相性を判断することができます。
また、面接では志望理由書を元に質問がされます。
そのため、字は丁寧に書く、論理的にわかりやすい内容で書く、熱を込めて書くといったことを意識して取り組むようにしましょう。
【大学入試】志望理由書の書き方のポイントは?
ア 願書・パンフレットを入手する
→早めに願書やパンフレットを入手しよう!
最初にやってほしいことは、志望校の願書やパンフレットを手に入れることです。
これをしなければ先に進めませんので、早急に手に入れるようにしてください。
願書等を入手した後は、志望理由書の書式やテーマなどを確認します。
「何文字書く必要があるのか?」
「どんなことを書かなければいけないのか?」
など、志望理由書に書かれていることをしっかりと確認して次に進めるようにしましょう。
イ 書くためのネタを仕入れる
→「学校」・「学部」・「自分」・「職業」に関するネタを集めよう!
次にやるべきことは志望理由書に書く「ネタ」を集めることです。
特に、「学校」・「学部」・「自分」・「職業」の4つのテーマはしっかりと探す必要があります。
以下のことを意識しながら書くネタを集めていくとよいでしょう。
A 大学・学部
・教授と研究内容
・在学中に所得できる資格
・キャンパス内の施設や雰囲気
・他大学や他学部との違い
まずはパンフレットやHP、YouTubeなどを見て大学の教育方針を理解するところから始めましょう。
パンフレットなどには、大学の教育方針やカリキュラム、研究内容、教員紹介などが掲載されています。
また、大学によっては、オープンキャンパスや説明会を開催していることもありますので、そちらにも参加して情報収集をすると良いでしょう。
オープンキャンパスに行くことで、実際に建物の中に入ることができたり、教授や先輩と話ができたりして、志望大学への具体的なイメージが高まるので、ぜひ積極的に参加するようにしてください。
次に、大学の教育方針を把握することが重要です。
大学によって教育方針は異なりますが、多くの大学が「自主性の尊重」「国際性」「実践的な学び」などを重視しています。
これらの教育方針を把握することで、自分がどのような大学で学びたいのかを考えることができます。
また、カリキュラムも大学ごとに異なります。
大学のカリキュラムには、専門科目や必修科目、選択科目などがあります。
自分が進学したい学部・学科のカリキュラムを確認し、自分の興味や関心に合わせた科目を選択することが大切です。
さらに、大学の特色や取り組みも把握しておくと良いでしょう。
例えば、研究活動やインターンシップ、海外留学などのプログラムがある大学もあります。
自分が将来的にどのような仕事や活動をしたいのかを考え、その目的に合わせた大学を選ぶことができます。
以上のポイントを踏まえ、大学の教育方針やカリキュラムを理解することが、志望理由書の作成においても役立ちます。
自分が進学したい大学がどのような教育方針やカリキュラムを持ち、自分がどのような学びや活動を通じて成長し、将来どのような社会的貢献を果たすことができるかを考え、志望理由書を作成することが大切です。
ただし、大学について書く上で一つ注意点があります。
それは、パンフレットやHPに載っているような文言をそのまま書いてしまうということです。
しかし、それでは相手に自分の「思い」が伝わりません。
書いてあるものをそのまま写すのではなく、そこから掘り下げて具体的にかつ熱意のある内容を書いていくことが大切になってきます。
B 自分自身
・自分の強みや弱み
・高校生活で頑張ったこと
・大学在学中に頑張りたいこと
・その大学や学部を志望した理由
自分自身をよく知るためには、以下のような方法があります。
まず、自己分析を行うことが大切です。
自己分析とは、自分自身を客観的に見つめ直すことです。
自分がどのような人物であるか、どのような価値観を持っているか、どのような能力を持っているかなどを振り返り、整理することが必要です。
次に、自分自身の強みや弱みを把握することが重要です。
自分が得意とすることや、苦手とすること、それによって得られる結果などを考えることで、自分自身の強みや弱みを明確にすることができます。
また、自分自身の興味や関心についても考えることが大切です。
自分が興味を持つことや、関心を持つ分野、それらについて学ぶことでどのような成長が期待できるかなどを考えることで、自分自身の将来像を描くことができます。
以上のように、自己分析を行うことで自分自身をよく知り、自分自身の強みや弱み、興味や関心を明確にすることができます。
そして、それを志望理由書に反映させることで、自分自身が大学に合う人材であることをアピールすることができます。
また、「自分」について書く際の注意点としては「昔の思い出」をだらだらと長く書きすぎてしまうことです。
例えば、「高校時代にはバスケットボール部で頑張った」ことを書こうとする場合には、中学生からバスケ部に入った、高校では違うポジションを始めた、最後の引退試合で勝ったというように部活の話が延々と書いてしまう人がいます。
そうなると、志望理由書の内容とはズレてしまいますので気を付けてください。
あくまで、部活動を通じて頑張ったことや得られたことなどをメインに書くようにしましょう。
C 職業
・将来どんな仕事をしたいか
・将来どの分野で活躍したいか
看護学部や薬学部など将来の仕事に直結している場合や自分が将来何をしたいかが明確に決まっている場合は、「将来就きたい仕事」について書いていけばOKです。
ただ、高校生の多くは働いたことがないため、「仕事」についての知識はほとんど持っていないでしょう。
そのため、自分の興味のある職業について本やインターネットなどでその内容を調べるようにしましょう。
一方で、具体的に何がしたいかが決まっていない場合は、「現在将来就きたい職業は具体的には決まっていませんが、大学在学中に様々なことを学びながら将来のことを考えていきたいです。」というようなことを書くようにして下さい。
ウ 下書きを書く
→メモは手書きで、文はパソコンで書こう!
書くネタを集めた後は、いよいよ下書きに入ります。ここでのポイントはいきなり文章にしないことです。
まずは「箇条書き」で書く内容や順番を決めるようにしましょう。
例えば看護師志望で看護学部に進学しようと思っている場合は、
【志望理由】
大学の理念と教育環境が合うと思った
【看護師になろうと思ったきっかけ】
祖母がガンで亡くなった時に非常に苦しんでいたのがいたたまれなかったため
【高校在学中に頑張ったこと】
文化祭でリーダーとなりクラスを一つになるように努力した。
【在学中に学びたいこと】
緩和ケアの研究
諸外国の看護技術
先輩にいろいろ話を聞く
【卒業後の進路】
ガンでの苦しみや痛みをなくすような体制をつくりたい
というような感じでメモを取っていきます。
その後、具体例などを入れつつ指定された字数内で収まるように文章を書いていきます。
なお、文章はパソコンで書くことを勧めます。
それは、志望理由書は何度も書き直さなければいけないため、手書きで書くと非常に面倒だからです。
パソコンであれば、文章の削除・追加・入れ替えなどが一瞬でできるため非常に便利です。
また、志望理由書に書いてはいけないNGワードは、
・「とても・やっぱり」などの話し言葉
・自分の通っている高校内でしか分からない内容(例 商業科の「ビジネス基礎」を「ビ基」という)
などです。
これらのことを意識して志望理由書を書くようにしましょう。
エ 先生などに添削してもらう
→作文が苦手な人は必ず添削してもらうこと!
下書きを書き終えた後は、学校の先生や塾の先生に添削をしてもらうようにしましょう。
添削をしてもらうことで、「文章の構成は正しいのか?」・「誤字脱字はないか?」・「足りない内容はないか?」といったことが分かるようになります。
ただ、学校の先生などは普段の仕事の合間に添削をします。
そのことを忘れずに感謝の気持ちでお願いするようにしましょう。
オ 清書をする
→誤字脱字がないように丁寧に書こう!
添削をしてもらったら最後はいよいよ清書です。
志望理由書はボールペンで書くのが基本ですので、誤字脱字がないように一文字一文字丁寧に書くようにしましょう。
【大学入試】志望理由書の例文と文章の構成は?
ア【大学入試】志望理由書の文章の構成は?
→大学側に伝えやすい、かつ熱のこもった文章を書くようにしよう
A 文体
志望理由書は自分自身の考えや気持ちを伝える文章であるため、堅苦しい言い回しは避けましょう。
また、敬語や専門用語などは使わず、日常会話のような自然な言葉で書くことが望ましいです。
ただし、言葉遣いや表現には注意し、丁寧かつ明確に伝えるように心がけましょう。
B 表現
志望理由書は、自分自身の将来の夢や、学びたいことについて語る文章であるため、具体的な表現を使うことが大切です。
例えば、どのようなことを学びたいのか、どのようなことに興味があるのかなどを具体的に挙げ、それを自分自身の経験や学校の授業などに絡めて、自分自身の学びたいことや進路について熱意を伝えるようにしましょう。
また、志望する大学のカリキュラムや特色を調べ、それを踏まえて自分自身がどのような学びを追求したいのかを具体的に表現することが大切です。
C 文章の構成
志望理由書の構成は、一般的には以下のような順序で書いていくのがおすすめです。
②大学選択の理由:志望する大学の選んだ理由を明確に説明する。
③学びたいこと:自分自身が学びたいことや進路について述べる。
④自己PR:自分自身がどのような人物であるか、どのような価値観や特徴を持っているかを書く。
⑤まとめ:最後に自分自身の学びたいことや志望理由についてもう一度まとめる
イ 志望理由書でのNGワードは?
→どこの大学にでも通用するような言い回しはNG
大学入試の志望理由書を書くときに使うのを控えた方がいい表現があります。
①「金銭的な理由で」
この表現は、志望校の評判が高いためではなく、奨学金をもらうために志望しているように受け取られてしまう可能性があります。
志望理由書は、自分の意欲や熱意を示す場であるため、金銭的な理由を強調することは好ましくありません。
②「有名な大学だから」
この表現は、志望校に対する真の熱意や興味を持っていないように受け取られることがあります。
志望校に対する情熱を持っていることを示すことが志望理由書の目的であるため、有名な大学であるからというのは志望する理由にはなりません。
「他の大学でもいいのでは?」と受け止められてしまう可能性もあるため、できるだけこの表現は使わないようにしましょう。
③「進路の選択肢が多いから」
この表現は、志望校に自信を持っていないように受け取られる可能性があります。
志望理由書は、志望校に対する興味や熱意を示す場であるため、進路の選択肢が多いからという理由で志望することは、志望校に対する興味を持っているという印象を与えません。
④「将来的に有利な職業に就くために」
この表現は、志望校に対する真の熱意や興味を持っていないように受け取られることがあります。
志望理由書は、志望校に対する情熱や熱意を示す場であるため、将来的に有利な職業に就くためだけでなく、志望校で得た知識や経験を活かすことにも興味を持っているということを示すことが大切です。
⑤「両親や友人の勧めで」
この表現は、自分自身の意志や判断力がないように受け取られることがあります。
志望理由書は、自己自身の意欲や熱意を示すことが目的であるため、自分自身で考えて志望校を選んだこと、また、自分自身が志望校に対してどのような魅力を感じたのかを具体的に述べることが大切です
ウ 志望理由書のおすすめの例文は?
→どこの大学にでも通用するような言い回しはNG
ここでは志望理由書の例文をいくつか紹介します。
【例文1 看護学部】
私は現在高校3年生で、看護師になることを目指しています。そのため、私は〇〇大学の看護学部を志望しています。【導入】
私が〇〇大学の看護学部を志望する理由は、看護師として必要な知識やスキルを身につけ、社会貢献をすることができるからです。また、〇〇大学の看護学部は、教育や臨床実習などの面で充実しており、実践的なスキルを身につけることができるという点が魅力的です。【志望理由】
私は、人々の健康を支援する仕事に興味を持ち、看護師として患者さんに寄り添い、支えることができる存在になりたいと考えています。〇〇大学の看護学部で学ぶことで、看護師として必要な知識やスキルを学ぶだけでなく、臨床実習を通じて現場での実践的なスキルを身につけることができると信じています。【大学の魅力】
私自身の強みは、人と接することが好きで、相手の気持ちに寄り添うことができることです。看護師として患者さんやその家族と接することが多いため、このような強みが役立つと考えています。【自分の強み】
私は〇〇大学の看護学部で看護師として必要な知識やスキルを身につけ、患者さんやその家族に寄り添い、支援することができる看護師になりたいと考えています。この夢を実現するために、〇〇大学の看護学部での学びが必要だと強く信じています。【まとめ】
【例文2 外国語学部】
私は、〇〇大学に入学したいと思う理由は、グローバルな視野を持つ人材を育成するための取り組みや、充実した語学教育プログラムがあるからです。【導入】
高校生の頃、英語の勉強に励んできました。英語を勉強することで、世界中の人々とコミュニケーションを取ることができることを実感しました。また、国際問題について調べたり、外国のニュースを読んだりすることで、自分自身の世界観が広がったと感じています。【高校時代に頑張ったこと】
将来の夢は、外交官として国際社会で活躍することです。〇〇大学には、国際関係学部があり、外交官を目指す学生に必要な知識やスキルを身につけることができると知りました。また、語学教育プログラムも充実しており、語学力を高めることで、海外での活躍につながると考えています。【将来の夢・大学の魅力】
さらに、〇〇大学では海外留学プログラムがあり、留学を通じて語学力や異文化理解力を身につけることができます。私は、留学を通じて海外の人々と交流し、異文化に触れることで、世界的な視野を持った人材になりたいと考えています。【将来の夢・大学の魅力】
以上の理由から、私は〇〇大学に入学したいと思います。〇〇大学のグローバルな視野を持った教育や、充実した語学教育プログラム、そして海外留学プログラムを通じて、将来の夢である外交官になるための知識やスキルを身につけることができると考えています。【まとめ】
【例文3 理工学部】
私は、〇〇大学の理工学部に入学したいと思います。〇〇大学は、先進的な技術開発やイノベーションを支援する研究環境が整っており、また、産学連携に力を入れていることから、産業界との連携による実践的な学びができるという点が魅力的です。【大学の魅力】
私は、高校生の頃、野球部で活動していました。そこでは、個人の努力だけではなく、チームとしての力が重要であることを学びました。また、試合や練習での苦労や挫折を乗り越えることで、自分自身を成長させることができました。【部活動を通じて得られたこと】
将来の夢は、エンジニアになることです。私は、新しい技術を開発することで、社会に貢献したいと考えています。〇〇大学の理工学部には、先進的な技術を開発するための環境が整っており、また、学内には多くの研究室があることから、自分の興味や関心に合った分野を選んで研究に取り組むことができると知りました。【将来の夢・大学の魅力】
さらに、〇〇大学には、産学連携に力を入れていることから、企業との実践的な学びができるという点も魅力的です。私は、大学で学んだ知識やスキルを企業や社会に活かし、新しい技術を生み出すことができるようになりたいと考えています。【将来の夢・大学の魅力】
以上の理由から、私は〇〇大学の理工学部に入学したいと思います。〇〇大学の先進的な研究環境や、産学連携による実践的な学びを通じて、将来の夢であるエンジニアになるための知識やスキルを身につけることができると考えています。【まとめ】
【大学入試】志望理由書を書くためのおすすめ参考書や問題集は?
英語や数学などに比べると、大学入試面接の参考書や問題集はあまりありません。
ですが、その中でおすすめの参考書や問題集についていくつか紹介をします。
まずは、「志望理由書・自己アピールの基本的な書き方(桐原書店)」です。
この本は、
・解説が簡潔で分かりやすく、かつ動画授業もあるため非常にわかりやすい
・問題集に書きこみができるスペースがあるため使いやすい
・添削例が載っており、どのような書き方をすればいいかが分かる
といったように家で志望理由書の対策をする上で必要なものが全て含まれている問題集です。
また、「まるまる使える出願書類の書き方(桐原書店)」もおすすめです。
こちらは先ほど紹介した「志望理由書・自己アピールの基本的な書き方」に比べるとやや難易度が高めの参考書です。
この本には、
・志望理由書完全攻略マニュアル
・自己推薦書完全攻略マニュアル
・出願書類を用いた面接対策
といった内容で構成されています。
「まるまる使える出願書類の書き方」は学部別の模範例文集や、志望理由書を用いた面接対策などが載っているためおすすめです。