と思っている高校生のみなさん!
今回は「大学入試小論文:高校生必見の書き方ガイドと最新テーマ」についてみていきますよ。
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✓対象となる人
✓記事を書いた人
【大学入試】小論文とは?作文の違いは?
最初に小論文と作文の違いについてみていきます。
一般的に作文とは、自分の体験や感想を書く文章です。
つまり、身の回りの出来事に対して主観的な立場(感情や気持ちが入っている)で書き綴ったのが作文なのです。
一方で小論文とは、自分の意見とその理由を書くのが主となっています。
身の回りの出来事に対して客観的な立場で自分の意見を述べ、それに加えて理由と具体例を書くのが小論文です。
生徒に小論文を書かせてみると、大半の生徒は「作文」になりがちです。
それは今まで小論文を書いたことがほとんどないため、どうしても自分の体験を中心に書いた文章になってしまうのです。
ですので、小論文を書く際にまず「小論文は作文とは違う」ということを認識するようにしましょう。
【大学入試小論文】原稿用紙の使い方、文章の書き方は?
小論文も作文も「書く」ことには変わりありません。
作文を書く際のルールが小論文にもそのまま当てはまります。
ここでは、小論文を書く際の原稿用紙の使い方についておさらいしておきましょう。
文体の統一 | 文末を「だ」「である」調で統一すること |
文の長さ | 一文をできるだけ短くすること |
口語的な表現を避ける | 「けど」「やっぱり」「ちょっと」などは使わない |
ら抜き言葉を使わない | 「見れる」→「見られる」、「食べれる」→「食べられる」 |
一人称は「私」 | 一人称は「僕」「俺」ではなく「私」を使う |
指定字数の9割以上書く | 例えば400字以内なら360字以上書くこと |
書き出しの初めは? | 必ず一マス空けて書く |
符号 | 「!」「?」「・・・」などの符号はできるだけ使わない |
句読点・カッコ | 行頭には句読点や閉じるカッコは書かないようにする |
【大学入試】小論文の書き方は?
ア 結論を明確にする
→結論から先に考える癖をつけよう
小論文では自分の意見を明確に書くことが大切になります。
例えば、「少子高齢化社会を乗り越えるにはどんな対策が必要か?」というテーマがあったとします。
その時に、まず「女性にとって育児と仕事が両立しやすい環境をつくる」といったように、このテーマに対する答えを考えることから始める癖をつけましょう。
生徒の多くは結論から考えることをあまりしません。
私が生徒の書いた文章を添削すると、いろいろと書いてはあるものの、結局何がいいたいか分からない文章に出くわすこともあります。
みなさんはそうならないないように結論から考える癖をつけていきましょう。
イ 論理的に構成する
→型を身につけることで論理的に書けるようになる
小論文には一定の型があります。
それは、以下の流れです。
・自分と反対意見について簡潔に書く
・自分の意見の根拠・具体例を書く
・再度結論を書く
この型を守って書くようにすれば、論理的な文章を書くことができるようになります。
ウ 小論文の基本的な構成
小論文は作文とは違い、「なぜ自分がこのような意見を持ったのか」ということを論理的に書いていく必要があります。
作文のように感想や自分の気持ちを書くのではなく、意見とその根拠・理由を書くようにしましょう。
そして、小論文の基本的な構成は、
・本論:自分の意見に対する根拠や理由を答える
・結論:自分の意見をもう一度書く
といった流れになります。
エ 序論・本論・結論を踏まえた例文
【例文1 地球温暖化について】
①地球温暖化とは、地球上の温度が上昇している現象のことを指します。この現象によって、気候変動が起こり、生物多様性や生活環境に影響を及ぼすことが懸念されています。【序論】
*地球温暖化の定義について書かれている。
②まずは、地球温暖化の原因について考えてみましょう。地球温暖化の主な原因は、人間の活動による二酸化炭素(CO2)の排出量の増加です。自動車や工場などから排出されるCO2は、大気中にたまり、温室効果ガスとなって地球温暖化を引き起こすのです。【本論「地球温暖化の原因」】
③次に、地球温暖化の影響について考えてみましょう。温暖化によって、海面が上昇するため、低地の地域が水没することが懸念されています。また、極地の氷が溶けることで、海水が淡水化し、生態系が変化することも懸念されています。さらに、気候変動によって、農作物の収穫量が減少したり、自然災害が頻発するなど、私たちの生活にも様々な影響を及ぼすことが考えられます。【本論「地球温暖化の影響」】
④最後に、地球温暖化対策について考えてみましょう。まずは、温暖化の原因となるCO2の排出量を減らすことが大切です。自動車や家電製品の省エネ化、再生可能エネルギーの利用など、個人や企業が取り組めることがあります。また、政府は国際的な協力によって温暖化対策に取り組むことが必要です。【本論「地球温暖化の対策」】
*本論は原因ー影響ー対策の順で書かれている
⑤地球温暖化は、私たちの生活や未来に大きな影響を与える問題です。原因や影響、そして対策について考え、自分たちができることを実践することが大切です。【結論】
*最後にまとめを書いて文章をしめる
【例文2 SNSについて】
①最近、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が急速に普及しています。SNSを利用することで、友達や家族と簡単にコミュニケーションを取ることができ、情報収集やニュース配信なども便利になりました。しかし、SNSには様々な問題も指摘されています。【序論】
*これから書く内容について簡潔にまとめている
②まず、SNSの問題点として、プライバシーの侵害が挙げられます。SNSには個人情報を公開することが必要な場合があり、その情報が悪用される可能性があります。また、SNS上での誹謗中傷やネットいじめなどの問題もあります。【本論ー問題点】
③次に、SNSが与える影響力について考えてみましょう。SNSを通じて拡散される情報は、本当に正しいものなのか疑問が残ることがあります。また、SNS上での誤った情報により、不必要なパニックが起こることもあります。【本論ー影響力】
④一方で、SNSの利点として、コミュニケーションの手段としての役割があります。SNSを使うことで、遠く離れた友達や家族とも簡単にコミュニケーションを取ることができます。また、SNS上での情報共有がスムーズに行われることで、世界中の人々がつながり、意見を共有できる場を提供しています。【本論ー利点】
*SNSのメリット、デメリットについてまとめている
⑤SNSは、便利で面白いものですが、問題点もあります。個人情報の管理や、誤った情報に惑わされないように注意することが重要です。しかし、SNSはコミュニケーションの手段としても有効であり、情報共有の場としても活用できます。SNSの利用については、良い面と悪い面を考えて、上手に使い分けることが大切です。【結論】
*最後に私たちがSNSとどう向き合っていくかについてまとめている
【大学入試】学部別よく出るテーマは?
ここでは小論文で学部ごとによく出るテーマについてみていきます。
ア 医学部・看護学部でよく出る小論文のテーマは?
医学部や看護学部でよく出るテーマは以下の通りです。
・医師としての資質
・医師不足
・理想の看護師像
・患者への接し方
・アフターコロナにおける医療従事者の役割
・臓器移植
・チーム医療
・出生前診断
・緩和ケア
・インフォームド・コンセント
・再生医療
・災害医療
・地域医療
・AIと医療
・少子高齢化
イ 教育学部・保育系学校でよく出る小論文のテーマは?
教育学部や保育系学校でよく出るテーマは以下の通りです。
・アフターコロナの教師のあるべき姿
・オンライン授業
・ICT教育
・いじめ
・不登校
・学級崩壊
・教育格差
・学力低下
・子どもの貧困
・アクティブ・ラーニング
・教師の長時間労働
・日本の教育の問題点
・保育士になりたい理由
・理想の保育士像
・保育士不足
・待機児童問題
ウ 文・外国語・国際学部でよく出る小論文のテーマは?
文学部や外国語学部、国際学部でよく出るテーマは以下の通りです。
・異文化理解
・グローバリゼーション
・外国人労働者
・LGBT
・ジェンダー
・バリアフリー
・現代の若者
・日本人の特徴
・日本語の乱れ
・読書の意義
・ボランティア活動
・食育
エ 法・政治・経済・経営学部でよく出る小論文のテーマは?
法・政治・経済・経営学部でよく出るテーマは以下の通りです。
・裁判員制度
・夫婦別姓
・憲法9条改正
・安楽死
・民主主義
・18歳成人
・一票の格差
・若者の投票率の低下
・ワーク・ライフ・バランス
・格差社会
・女性の社会進出
・インバウンド
・地方創生
・グローバリゼーション
・ベーシックインカム
・食品ロス
オ 工・理・農学部でよく出る小論文のテーマは?
工・理・農学部でよく出るテーマは以下の通りです。
・SNS
・ネット依存
・人工知能<AI>
・IoT技術
・車の自動運転
・ロボット
・SDGS
・生物多様性
・地球温暖化
・マイクロプラスチック
・循環型社会
・原子力発電
・再生可能エネルギー
【大学入試】小論文の勉強はいつから始めるべきか?
ア 入試直前から小論文の勉強を始めるのはアリ?
→共通テスト後もやるべきことはたくさんある
多くの人は小論文の勉強を後回しにしがちです。
その理由としては、
②学校の授業では「小論文」という科目がない
③何となく書けそうだから後回しでいい思っている人が多い
といったものが挙げられます。
また、小論文を受験科目としてあるのは、
・共通テスト後の二次試験
であるのがほとんどです。
「小論文は共通テストが終わったら勉強しよう」と思っている人がいるかもしれませんが、実はそれでは間に合いません。
確かに共通テストが終われば共通テストの勉強はやらなくてよくなります。
ですが、共通テストが終わった後には、
・私立大学入試の勉強および受験
といったようにやることがたくさんあります。
そう考えると、小論文の勉強は直前にやるのではなく、もっと早い時期から勉強すべきなのです。
イ 小論文の勉強はいつから始めるべきか?
→高2の夏休みから少しずつ始めていきたい
それでは小論文の勉強はいつから始めるべきでしょうか?
それは高2の夏です。
その理由としては、高3になってから始めようとすると、なかなか小論文の勉強に時間を確保することができなくなってしまうからです。
ですが、高2であればまだ時間に余裕があるはずです。
しかも夏休みであればまとまった時間を確保しやすいというのもあります。
そのため、高2の夏休み、冬休み、春休みといった長期休暇の時期に小論文の勉強をやっていくようにしましょう。
そして高2が終わるまでにある程度書けるようになっていれば、高3では他の教科の勉強に専念することができます。
ウ 小論文のおすすめの参考書・問題集は?
→「小論文の書き方」・「小論文のネタ本」の2種類は欲しい
ア これまで小論文をあまり書いたことのない人向けの参考書・問題集
小論文が書けるようになるには、
・②小論文の書き方を知る
・③志望する学部でよく出るテーマについての知識をストックする
・④できるだけ多くの文章を書き、学校の先生などに添削してもらう(小論文模試も受けるとよい)
といった手順が必要になってきます。
そのために、今まであまり文章を書いてこなかった人は、上の「①原稿用紙の使い方を知る」および「②小論文の書き方を知る」ところから始めていきましょう。
「動画とワークで誰でも書けるようになる!小論文の基本的な書き方(桐原書店)」では、
・正しい文章の書き方
・小論文と作文の違い
といった内容が動画授業で学ぶことができます。
そのため、小論文をこれまであまり書いたことのない人はこの本から始めるようにしましょう。
イ よく出るテーマについての知識を深めるための参考書・問題集
原稿用紙の使い方や小論文の書き方を学んだあとは、各学部の小論文でよく出るテーマについての知識を深めることが必要になってきます。
それは、いくら書き方を知っていたとしても、その分野に関する知識がないとスラスラと文章を書くことができないからです。
例えば、「格差社会」がテーマの小論文を書くときには、
・格差社会になった背景は?
・格差社会の問題点は?
・格差社会の問題点を解消するための対策は?
といったことを知らないと書けません。
そのため、本格的に小論文を書く前に、よく出るテーマについては模範解答(例文)を暗唱することをおすすめします。
それは暗唱をすることで、
・知識が身につく
といった効果があるからです。
ですので、下で紹介する小論文のネタ本を使って、本の中に出てくる模範解答を漏れなく覚えるようにしましょう。
A 看護学部
B 教育学部
C その他の学部
「書き方のコツがよくわかる小論文頻出テーマ(KADOKAWA)」シリーズ
*この問題集は、「社会科学系」・「人文教育系」・「医学系」・「看護医療系」・「理系」などのシリーズがあります。