と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「名古屋大学国語の問題傾向と難易度を徹底解説!選ぶべき問題集とは?【2025年】」についてみていきますよ。
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✓対象となる人
✓記事を書いた人
名古屋大学国語の問題傾向(2024年)・難易度・解答速報は?
【動画】「とよはし練成塾」塾長が話す!2025年名古屋大学国語入試の問題傾向や難易度は?
ア 出題形式・難易度(2024年)
→学部ごとに問題数や出題分野は異なる
名古屋大学の国語は学部ごとに大きく問題形式が異なります。
A 文・教育・経済
【問題数】3問
【解答時間】105分
【出題範囲】現代文+古文+漢文
【難易度】やや難レベル
B 理・医・農
【問題数】1問
【解答時間】45分
【出題範囲】現代文
【難易度】やや難レベル
名古屋大学の国語は現代文・古文・漢文が各1題ずつ出題され、解答時間は105分となっています。(理学部と医学部、農学部は現代文のみで解答時間は45分です。)
また、よく出るジャンルとしては、
・古文 和歌を含む文章が多く出題されている
・漢文 史話、思想的な内容のものが多い
となっており、読解力だけでなく、作品の背景を知らないと読みにくい文章も見られます。
上のジャンルの文章を中心に読んでおくと、スムーズに解くことができます。
イ 名古屋大学入試国語の問題分析(2024)
→古文・漢文は作品の背景を知っていないと解けない問題がある
名古屋大学の入試問題は解答時間が105分で、大問は全部で3問です。(理系学部の場合は、解答時間は45分で、現代文のみの出題です。)
第1問 現代文(評論)
問1:漢字の読み書き
しっかりと漢字で点数が取れるように、1冊漢字の問題集を解くようにしましょう。
問2:内容説明問題
傍線部①「動物の肉を食べること」について、近年どのような問題が指摘されているかを答える問題です。
環境負荷が大きい+倫理的な問題が解答のメインとなってきます。
問3:理由説明問題
傍線部②において、筆者が不思議と感じる理由を答える問題です。
人間が持つ共感能力:【対人間】人間の生存に貢献し、強化された⇔【対動物】肉が食べられなくなり、生存に不利益になる
問4:内容説明問題
傍線部③「大成功した共感能力」とあるが、筆者はどのような点から「大成功」と述べるのかを説明する問題です。
傍線部の前2段落の内容:【過去】生物は必要な食料を得るために競争をしてきた⇔【現代】他人どうしで協力できたため栄養が余っている
問5:内容説明問題
傍線部④「いったいどこまで進むのでしょうか」とあるが、筆者は生物としての人間のどのような傾向がどこまで進むと考えているかを答える問題です。
本文全体の内容を踏まえて答えていきます。肉を食べなくなる→大豆などの代用品を食べる→科学技術の進歩により生物を使わずにたんぱく質をつくることができる→「やさしい」理想的な生き方ができる
問6:正誤問題
本文の内容に合致するものを答える問題です。
選択肢イ:「人工肉を食べなければならない」が誤り
選択肢ウ:「環境への負荷を解消することが急務となっている」が誤り
選択肢エ:「体温」・「体のつくり」が誤り
選択肢オ:「人間のやさしさの拡張傾向」が「ブッダの教えに始まる」のが誤り
第2問 古文(信生法師日記)
問1:現代語訳にする問題
(ア)主語は「門のほとりにある男(をのこ)」、傍線部の「かく」は「いかなる乞食(こつじき)やらむと思ひつるさまにて」を指します。
(イ)光宗は配流されてもう信生(しんしょう)に会えないと思っていたのに、再会できたことに嬉しく思っています。
(ウ)出家して家を離れて旅の途中である信生に対してうらやましい気持ちがあるが、配流されてかつ子供がいる身としては出家をすることが難しいという内容の文章です。
問2:和歌の解釈問題
(A)「物思ふ心の闇の晴れぬには見るかひもなし姥捨の月」→傍線部(イ)・(ウ)の内容および(注)の内容を踏まえて訳すようにしましょう。
(B)「忘れずは【仮定】またも来て訪(と)へ【二句切れ・倒置】小忌【麻績との掛詞】衣見しにもあらね袂(たもと)【光宗が配流の身であり、粗末な服を着ていることを表している】なりとも」となります。
問3:文学史の問題
「十六夜日記」・「とはずがたり」を答える問題です。やや細かい内容ですが、しっかりと押さえてほしい内容です。
第3問 漢文(蟹志)
問1:漢字の読み
いずれも頻出単語であるため、確実に正解したい問題です。
句法だけでなく、漢文でよく出る単語の読み方や意味もおさえるようにしましょう。
問2:内容説明問題
傍線部①「蟹断」について説明する問題です。
傍線部の前後の内容を踏まえて説明するようにしましょう。
問3:現代語訳にする問題
傍線部②の文を現代語訳にする問題です。
蟹たちは漁師が仕掛けたざるをよじ登って逃げて長江へ去っていくというような意味となります。
問4:書き下し文にする問題
傍線部③「形質浸大於旧」を書き下し文にする問題です。
「形質浸【ようやく】大於【比較「~よりも」】旧」に注意して、書き下し文にしましょう。
問5:内容説明問題
傍線部④「如江之状(江への状のごとし)」について説明する問題です。
傍線部の前の「自江復趨於海(江より復た海にはしること)」および2~3行目の内容を踏まえて説明していきます。
問6:内容説明問題
傍線部の「水虫」が、「湿地にある蟹」をさし、それは「百家(ひゃっか)の小さき説を学ぶ今の学ぶ者」に対応しています。また、「江」は孟子や荀子、揚雄(ようゆう)、「海」は「六籍」と対応しています。
【問題講評】古文・漢文は読解力がないと文の意味が取りづらい。しっかりと対策して臨むようにしたい。
2025年名古屋大学入試国語で高得点を取るための勉強法やおすすめ問題集は?
名古屋大学国語の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 基礎固め
→古文・漢文の復習を高2の終わりまでに終わらせよう
名古屋大の国語の問題はやや難しいレベルの問題で構成されています。
加えて、近年の共通テストでは、難易度が上がり、かつ試験科目も増えています。
そのため、高2の終わりまでに古文・漢文の基礎固めを終えるようにしましょう。(遅くとも高3の夏休みに入る前には終わらせるようにして下さい。)
それは、古文単語や古典文法、漢文句法の知識がないと、文章問題を解いてもなかなか点数が伸びるようにはならないからです。
また、時間に余裕があれば、現代文の対策(漢字・語句の意味暗記など)もやっていくといいでしょう。
①現代文
・漢字の読み書きを覚える:「基礎からのジャンプアップノート 漢字2500 書き取り・読み方ドリル(旺文社)」で漢字の読み書きの練習をする。
・語彙力のアップ:「ゆる語訳現代文単語(学研)」で語句の暗記を、「現代文のコア(かんき出版)」で頻出テーマのあらすじをつかむ。
・現代文の読み方を学ぶ:「宗のたった4時間で現代文(学研)」で現代文の読み方を学ぶ。
②古文
・古文単語の暗記:「覚えやすく忘れにくい精選古文単語300PLUS(三省堂)」で古文単語を覚える。
・古典文法の復習:「八澤のたった6時間で古典文法(学研)」を読んで、文法を理解する。また、「高校やさしくわかりやすい古典文法(シグマベスト)」を解いて古典文法の復習をする。
・古文常識の復習:「源氏でわかる古典常識(学研)」を読んで、古文常識を身につける。
③漢文
・漢文句法の暗記:「岡本のたった3時間で漢文句法(学研)」を読んで、句法を理解する。また、「高校やさしくわかりやすい漢文句法(シグマベスト)」を解いて漢文句法の復習をする。
イ 基本問題演習期+共通テスト対策
→今まで身につけた知識を使って文章問題にチャレンジしよう
高3の1学期(夏休み)からは本格的に文章読解の練習をしていきます。
その時には、いきなり入試レベルの問題を解くのではなく、最初は基本的なレベルのものからやっていくといいでしょう。
また、高3の5月以降は共通テスト模試の回数が多くなりますので、1学期のうちに一度共通テスト対策をすることをおすすめします。
①現代文
・基本レベルの問題集を解く:「入試現代文へのアクセス基本編(河合出版)」や「新・現代文レベル別問題集(東進ブックス)」で現代文の問題を解く
・共通テスト対策:「きめる共通テスト現代文(学研)」を読んで、共通テスト国語の解き方を学ぶ。その後は共通テストの過去問を解く。
②古文
・基本レベルの問題集を解く:「古文レベル別問題集2・3(東進ブックス)」で古文の問題を解く。
・共通テスト対策:「きめる共通テスト古文・漢文(学研)」を読んで、共通テスト国語の解き方を学ぶ。その後は共通テストの過去問を解く。
③漢文
・基本レベルの問題集を解く:「全レベル別問題集漢文2・共通テストレベル(旺文社)」で漢文の問題を解く。
・共通テスト対策:「きめる共通テスト古文・漢文(学研)」を読んで、共通テスト国語の解き方を学ぶ。その後は共通テストの過去問を解く。
ウ 発展問題演習期
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
基本レベルの問題を解き終えたら、次に発展レベルの問題を解いていきます。(高3の秋以降に取り組めるようにしましょう。)
特に名古屋大の国語は記述量が多いため、記述問題対策をしっかりとやる必要が出てきます。
①現代文
・共通テスト過去問および予想問題集を解く
・記述式の問題集を解く:「上級現代文(桐原書店)」を解いて、記述問題の解き方をつかむ
②古文
・共通テスト過去問および予想問題集を解く
・応用レベルの問題集を解く:「古文レベル別問題集4(東進ブックス)」や「得点奪取古文(河合出版)」で古文の問題を解く。
③漢文
・共通テスト過去問および予想問題集を解く
・応用レベルの問題集を解く:「得点奪取漢文(河合出版)」で漢文の問題を解く。
④ 過去問演習
最後に過去問を解いていきます。
なお、過去問を解き始める時期は、
・共通テスト明け
がおすすめです。
名古屋大の赤本は過去5年分の問題が載っていますので、まずは3年分を解いていきましょう。
そして、それが終わったら、さらに古い年度の問題を解くか、他大学の問題を解くことをおすすめします。(学校の進路指導室にはさまざまな大学の赤本が置いてあるため、それを上手に使うようにしてください。)
また、過去問を解いてできなかった問題は必ず復習するようにして下さい。
過去問演習と復習を繰り返すことで、徐々に得点力が上がっていきます。