と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「札幌医科大医学部化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてみていきますよ。
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札幌医科大学医学部化学(2023)の問題傾向・過去問分析は?
ここでは、「全国大学入試問題正解(化学)」に掲載されている学部について問題を分析しています。
A 全体の講評
札幌医科大学医学部の理科の入試では、理科2科目を120分で解く必要があります。
一方で化学の問題は問題量が多い+初見の問題が多いので、過去問を解いて問題形式に慣れる必要があります。
また、2023年の札幌医科大学の化学は大問が3問で構成されていました。
その内訳は、理論2題、有機1題です。
一般的に医学部の化学の入試問題は有機化学の問題が多くなる傾向があります。
ただし、現役生の場合、有機化学を学校で習うのが1学期後半~2学期であるため、対策がどうしても遅くなってしまいます。
ですが、有機である程度の点数を取らないと合格ラインに乗ることが難しくなってしまいますので、その点は注意して受験勉強に取り組むようにしましょう。
B 第1問(理論化学)
第1問は理論化学に関する問題です。
問1 空欄にあてはまる語句を答える問題です。また二酸化窒素ができるための化学反応式を答える問題もありました。
問2 平衡状態および圧平衡定数に関する問題です。
問3・4 反応速度に関する問題です。
問5 N2O4の解離度に関する問題です。やや難易度は高めです。
問6 用語「昇華」を答える問題です。
問7 時間と酸素のモル濃度についてのグラフを答える問題です。
問題文に数値が多く出てくるので、どれを使うのかを理解する必要があります。
問8 反応速度定数を求める問題です。
問9 グラフに関する記述問題です。
【問題講評】問題により難易度の差が激しい。やや難しめの問題集を解いて解けるようにしておくこと。
C 第2問(理論化学)
第2問は理論化学に関する問題です。
問1 誤っている選択肢を3つ答える問題です。細かい知識が必要であれるためやや難易度は高いです。
問2 空欄にあてはまる語句を答える問題です。
問3 記述問題ですが、答えが思いつきづらい問題です。
問4 記述問題ですが、こちらは典型問題であるため確実に正解したいです。
問5 「Pが下がるとVが下がる→分子間力が働くため→沸点が高い」という流れから答えを絞ることができます。
問6 正誤問題です。消去法で考えるようにしましょう。
【問題講評】難易度は高め。解ける問題から解くようにしたい。
D 第3問(有機化学)
第3問は有機化学の問題です。
(1)
問1 構造決定に関する問題です。
問2 酸化しない→第3級アルコールです。
問3 問題文にある条件に沿って化合物を考えていきます。
問4 炭素-炭素結合の結合角が小さいほど不安定になります。
問5 A~Dの構造式を書く問題です。しっかりと正解したいところです。
(2)
問1 空欄にあてはまる語句を答える問題です。
問2 銀鏡反応に関する計算問題です。まずは化学反応式を書いて係数比を把握するところから始めましょう。
問4 フェノール樹脂のどの部位でメチレン架橋されているかを答える問題です。形を何となく覚えていればできたかもしれません。
【問題講評】どちらも標準レベルの問題。他の大問に比べると易しめなので確実に正解したい。
札幌医科大学医学部化学(2024)の入試対策、おすすめ参考書は?
札幌医科大学医学部化学の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 高1・2
→定期テストで高得点が取れるようにしよう
高1・2の間の受験勉強は英語と数学を優先するようにしましょう。
とはいえ、化学の勉強を全くやらなくていいというわけではなく、
・長期休暇中や模試の前の復習
は必ず行うようにしてください。
高2が終わるまでに、定期テストレベルであれば完璧にできるようになるのを目標に勉強を進めるようにしましょう。
また具体的な勉強方法は、
②「宇宙一わかりやすい高校化学」を読んで化学の概念などを理解する
となります。
化学は基本問題の解き方を完璧に理解していないと応用問題を解くことができません。
そのため、ただ問題を解いて終わりではなく、「なぜそうなるのか?」を逐一理解しながら進めるようにしましょう。
また、公式や定理、化学反応式、物質の性質などは完璧に覚えるようにして下さい。
イ 高3の1学期まで
→「化学重要問題集」のA問題レベルは仕上げるようにしよう
医学部受験では、
・難易度の高い問題が出る
といった特徴があります。
そのため、高1・2のうちに化学の基礎固めを終え、高3の1学期からは「化学重要問題集」のA問題に取り組むようにしましょう。
「化学重要問題集」はA問題が地方国公立大・MARCH・関関同立レベル、B問題が旧帝大、医学部レベルとなっています。
そのため、まずはA問題の内容を完璧にマスターするようにしましょう。(習った所まででOKです。)
そして、できなかった問題や知識があやふやな問題は必ず参考書に戻って根本的な内容を理解するようにして下さい。
なお、解説を読んでも分からない場合にはYouTubeで解説動画がありますので、こちらを見て理解を深めるようにしましょう。
また、これらの問題集と並行して1学期で習った無機・有機化学の復習もしてください。
無機・有機の分野は用語や化学反応式、イオンの色などを覚えないことにはなかなか問題が解けるようにはなりません。
そのため、「基礎からのジャンプアップノート無機・有機化学暗記ドリル」などの問題集を使って、しっかりとそれらを暗記することから始めましょう。
ウ 高3の夏休み
→重問のB問題にもチャレンジしよう
札幌医科大学の化学の問題はやや難易度が高めです。
そのため、「化学重要問題集」のB問題(旧帝大レベル)もやり込むようにして下さい。
そして、夏休み中にやるべきこととしては、
②有機:「化学重要問題集」のA問題→B問題を解く(習ったところまで)
です。
夏休みには、河合塾の全統共通テスト模試や全統記述模試などの模試などがあります。
ですので、そこに向けて基本的な内容を完璧に仕上げるようにしてください。
エ 高3の秋~入試直前
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
秋以降は問題演習がメインとなります。
ここでやってほしいことは、
②過去問を解く
③共通テスト対策問題集を解く
です。
A「化学重要問題集」のB問題をマスターする
札幌医科大の化学の問題は、
・短い時間で素早く解く必要がある
といった特徴があります。
そのため、基礎固めをした後は、難しめの問題を数多く解くことをおすすめします。
まずは、「化学重要問題集」のB問題を解き、その後は「化学の新演習」の★、★★レベルの問題もやっていくといいでしょう。
ただし、「化学の新演習」は問題数が非常に多いので、化学が得意な人や化学に時間をかけることができる人以外は無理に手を出す必要はありません。
B 過去問を解く
化学重要問題集(化学の新演習)をマスターした後はいよいよ過去問演習に入ります。
まずは札幌医科大学の問題を解き、それが終わったら他の大学の過去問を解くといいでしょう。(最新版は毎年9月に発売されています。)
問題をたくさん解くことで実践力が身についていきます。
なお、化学の問題をたくさん解きたい場合は、旺文社の「全国大学入試問題正解化学」がおすすめです。
この問題集は全国の主要な国公立大学・私立大学の化学の入試問題が載っています。
ただし、解説はあっさりしていますので、化学が得意な人以外は無理に使う必要はありません。
C 共通テストの対策問題集を解く
医学部では共通テストで高得点を取る必要があります。
そのため、夏休み~秋からは共通テストの対策問題集を解くようにしましょう。
その理由としては、
・解説が詳しく独学でも使いやすい
・河合塾、駿台、東進などさまざまな予備校が出版しているため、自分のレベルに合ったものを使うことができる
からです。
そして、個人的におすすめなのが、河合塾と駿台の問題集です。
まずはこの2冊の問題集から始め、さらに解きたい場合はZ会の問題集もやるといいでしょう。
【まとめ】札幌医科大医学部化学の難易度や問題傾向、勉強法のポイントとアドバイス
今回の「札幌医科大医学部化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてのまとめです。
・まずは「化学重要問題集」をマスターするようにしよう
・無機化学と有機化学は最初に物質の性質などをしっかりと覚えるようにしよう
・直前期は過去問レベルの問題を数多く解くようにしよう
札幌医科大の医学部化学は標準~やや難レベルの問題が中心です。
そのため、まずは標準レベルの問題を完璧に仕上げるようにしよう。