と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「北海道大化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてみていきますよ。
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北海道大学化学(2023・総合理系、医、歯、獣医、水産)の問題傾向・過去問分析は?
ここでは、「全国大学入試問題正解(化学)」に掲載されている学部について問題を分析しています。
A 全体の講評(総合入試<理系>、医・歯・獣医・水産)
北海道大学の理科の入試では、理科2科目を150分で解く必要があります。
また、2023年の北海道大学の化学は大問が3問で構成されていました。
その内訳は理論+無機2題、有機1題です。
そして、北大化学の問題は全体的には標準~やや難レベルの問題が多いです。
そのため、早めに基礎固めを終え、その後は化学重要問題集などの応用レベルの問題集に取り組めるようにしましょう。
また、有機の配点が高いため、構造決定問題の対策をしたり、高分子化合物の細かい内容までおさえることにも力を入れるようにしてください。
B 第1問(理論・無機化学)
第1問は理論・無機化学に関する問題です。
Ⅰ
問1
(1) 空欄に当てはまる用語を答える問題です。
(2) ハロゲンの中で酸化力の強弱を答える問題です。
(3) ハロゲン化ナトリウムの中で融点の大小を答える問題です。
(4) ハロゲン分子の中で融点の大小を答える問題です。
問2
(1) 理想気体、実在気体に関する計算問題です。問題文に書かれている内容を踏まえて解くようにしましょう。
(2) 気体の状態方程式などを使って計算をしていきます。
(3) 極性分子は分子同士が引き合うため体積が減少しZの値は小さくなります。
また、温度が高い方が分子間力が弱められるため、Zの値は1に近づいていきます。
Ⅱ
問1 空欄に当てはまる用語を答える問題です。
問2 反応速度に関する問題です。反応当初は速度は速く、だんだん遅くなっていきます。
問3 平衡定数に関する計算問題です。どれも標準レベルの問題です。
問4 反応速度に関する計算問題です。
(2) 反応速度は温度が上がるほど速くなります。
(3) 濃度が半分になるまでの時間が等しいものを選んでいきます。
【問題講評】基本~標準レベルが中心。確実に正解したい。
C 第2問(理論・無機化学)
第2問は理論・無機化学に関する問題です。
Ⅰ
問1 空欄に当てはまる用語を答える問題です。
問2 両性金属を答える問題です。
問3「アルミニウムの溶けた水酸化ナトリウム水溶液」からNa[Al(OH)4]が思いつくかどうかがカギを握りました。
問4 正誤問題で答えやすい問題でした。
問5 二酸化ケイ素とフッ化水素酸に関する化学反応式を答える問題です。
問6 それぞれのモル比を出します。(2)は問題文の指示に沿って解くとできます。
Ⅱ
問1 空欄にあてはまる化学式を答える問題です。
問2 硫化銅と酸化銅から銅が生成する化学反応式を答える問題です。
問3 硫化水素と二酸化硫黄を合わせた化学反応式を答える問題です。
問4 濃硫酸を加えて加熱したときの気体を答える問題です。ギ酸の場合は濃硫酸は触媒として働きます。
問5 ファラデーの法則を使って電気量を求めていきます。
【問題講評】無機化学の内容が幅広く問われた。正確な知識をしっかりと身につけるようにしたい。
D 第3問(有機化学)
第3問は有機化学に関する問題です。
Ⅰ
問1 構造異性体の数について答える問題です。
問2 エチレンに関する正誤問題です。
問3 消去法で考えると答えやすい問題です。
問4 C6H12と2つの原子しかないため、水素を付加します。
問5 C6H12についての構造異性体について答える問題です。
Ⅱ
問1 空欄にあてはまる用語を答える問題です。
問2 S-S結合について答える問題です。
問3 酸化還元、加水分解をする酵素について答える問題です。
問4
(1) Xに含まれているアミノ酸を答える問題です。②でSがあるアミノ酸、③でグリシンであることが分かります。
(2) pH3.0で陰極側に移動するのはアラニン、リシン、pH10で陽極側に移動するのはアラニン、アスパラギン酸となります。
【問題講評】他の大問2問に比べると難易度はやや高め。
北海道大学化学(2024・総合理系、医、歯、獣医、水産)の入試対策、おすすめ参考書は?
北海道大学化学の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 高1・2
→定期テストで高得点が取れるようにしよう
高1・2の間の受験勉強は英語と数学を優先するようにしましょう。
とはいえ、化学の勉強を全くやらなくていいというわけではなく、
・長期休暇中や模試の前の復習
は必ず行うようにしてください。
高2が終わるまでに、定期テストレベルであれば完璧にできるようになるのを目標に勉強を進めるようにしましょう。
また具体的な勉強方法は、
②「宇宙一わかりやすい高校化学」を読んで化学の概念などを理解する
となります。
化学は基本問題の解き方を完璧に理解していないと応用問題を解くことができません。
そのため、ただ問題を解いて終わりではなく、「なぜそうなるのか?」を逐一理解しながら進めるようにしましょう。
また、公式や定理、化学反応式、物質の性質などは完璧に覚えるようにして下さい。
イ 高3の1学期まで
→「化学重要問題集」のA問題レベルは仕上げるようにしよう
北大の化学は、
・難易度の高い問題が出る
といった特徴があります。
そのため、高1・2のうちに化学の基礎固めを終え、高3の1学期からは「化学重要問題集」のA問題に取り組むようにしましょう。
「化学重要問題集」はA問題が地方国公立大・MARCH・関関同立レベル、B問題が旧帝大、医学部レベルとなっています。
そのため、まずはA問題の内容を完璧にマスターするようにしましょう。(習った所まででOKです。)
そして、できなかった問題や知識があやふやな問題は必ず参考書に戻って根本的な内容を理解するようにして下さい。
なお、解説を読んでも分からない場合にはYouTubeで解説動画がありますので、こちらを見て理解を深めるようにしましょう。
また、これらの問題集と並行して1学期で習った無機・有機化学の復習もしてください。
無機・有機の分野は用語や化学反応式、イオンの色などを覚えないことにはなかなか問題が解けるようにはなりません。
そのため、「基礎からのジャンプアップノート無機・有機化学暗記ドリル」などの問題集を使って、しっかりとそれらを暗記することから始めましょう。
ウ 高3の夏休み
→重問のB問題にもチャレンジしよう
北海道大学の化学の問題はやや難易度が高めです。
そのため、「化学重要問題集」のB問題(旧帝大レベル)もやり込むようにして下さい。
そして、夏休み中にやるべきこととしては、
②有機:「化学重要問題集」のA問題→B問題を解く(習ったところまで)
です。
夏休みには、河合塾の全統共通テスト模試や全統記述模試などの模試などがあります。
ですので、そこに向けて基本的な内容を完璧に仕上げるようにしてください。
エ 高3の秋~入試直前
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
秋以降は問題演習がメインとなります。
ここでやってほしいことは、
②過去問を解く
③共通テスト対策問題集を解く
です。
A「化学重要問題集」のB問題をマスターする
北海道大の化学の問題は、
・短い時間で素早く解く必要がある
といった特徴があります。
そのため、基礎固めをした後は、難しめの問題を数多く解くことをおすすめします。
まずは、「化学重要問題集」のB問題を解き、その後は「化学の新演習」の★、★★レベルの問題もやっていくといいでしょう。
ただし、「化学の新演習」は問題数が非常に多いので、化学が得意な人や化学に時間をかけることができる人以外は無理に手を出す必要はありません。
また、北大では有機化学の構造決定の問題が頻出です。
そのため、構造決定の問題をたくさん解きたいときは、「ここで差がつく 有機化合物の構造決定問題の要点・演習」といったような問題集を解くことをおすすめします。
B 過去問を解く
化学重要問題集(化学の新演習)をマスターした後はいよいよ過去問演習に入ります。
まずは北海道大学の問題を解き、それが終わったら「北海道大の化学」を解くといいでしょう。(赤本の最新版は例年7月ごろに出ます。)
問題をたくさん解くことで北大物理の傾向が身についていきます。
また、夏~秋にかけては北大オープン模試などの北大に特化した模試もあります。
そこに向けて、過去問演習をしっかりと行い、よい判定が出るように仕上げるようにしましょう。
なお、化学の問題をたくさん解きたい場合は、旺文社の「全国大学入試問題正解化学」がおすすめです。
この問題集は全国の主要な国公立大学・私立大学の化学の入試問題が載っています。
ただし、解説はあっさりしていますので、化学が得意な人以外は無理に使う必要はありません。
C 共通テストの対策問題集を解く
北大などの旧帝大では共通テストで高得点を取る必要があります。
そのため、夏休み~秋からは共通テストの対策問題集を解くようにしましょう。
その理由としては、
・解説が詳しく独学でも使いやすい
・河合塾、駿台、東進などさまざまな予備校が出版しているため、自分のレベルに合ったものを使うことができる
からです。
そして、個人的におすすめなのが、河合塾と駿台の問題集です。
まずはこの2冊の問題集から始め、さらに解きたい場合はZ会の問題集もやるといいでしょう。
【まとめ】北海道大化学(総合理系、医、歯、獣医、水産)の難易度や問題傾向、勉強法のポイントとアドバイス
今回の「北海道大化学(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてのまとめです。
・まずは「化学重要問題集」をマスターするようにしよう
・無機化学と有機化学は最初に物質の性質などをしっかりと覚えるようにしよう
・直前期は過去問レベルの問題を数多く解くようにしよう
北大の化学は標準~やや難レベルの問題が中心です。
そのため、まずは標準レベルの問題を完璧に仕上げるようにしよう。