と思っている高校生や浪人生のみなさん!
今回は「北海道大物理(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてみていきますよ。
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北海道大学の物理(2023・総合理系、医、歯、獣医、水産)の問題傾向・過去問分析は?
ここでは、「全国大学入試問題正解(物理)」に掲載されている学部について問題を分析しています。
A 全体の講評(総合入試<理系>、医・歯・獣医・水産)
北海道大学の理科の入試では、理科2科目を150分で解く必要があります。
また、2023年の北海道大学の物理は大問が3問で構成されていました。
問題量が多いため、テンポよく解く必要があります。
また、出題内容は力学+電磁気+熱・波動から1題となっており、難易度は標準~やや難レベルです。
そのため、物理のエッセンスや良問の風物理、名問の森物理で解法暗記をしたら、できるだけ多くの過去問を解いていくといいでしょう。
そうすることによって思考力が身に付き、北海道大の問題に対応できるようになります。
B 第1問(力学)
第1問は力学の問題です。
問1
(1) 力学的エネルギー保存則により速さを求めていきます。
(2) 動径方向の力のつり合いからNについての式をつくります。
(3) N=0のとき小球はレールから離れます。
(4) 最高点で小球がレールから離れない条件はN≧0となります。
問2 慣性力の考えが加わります。
(5) gとaの関係からtanΘ2が求まります。
(6) 周期はT=2π√l/gの式に代入して求めていきます。
(7) 円の中心方向および接線方向について運動方程式をつくります。
またf≦μNの式に代入して求めていきます。
問3 等速円運動の考えが加わります。
(8)・(9) y軸方向とx軸方向でそれぞれ力のつり合いの式をつくります。
(10) 円の接線方向について運動方程式をつくり、そこから復元力F=-Kxの式に変形していきます。
【問題講評】小問に分かれているため比較的解きやすかった。
C 第2問(電磁気)
第2問は電磁気の問題です。
問1
非オーム抵抗、ホイートストンブリッジなどに関する問題です。
(4) LとR2、R3とR4は並列関係にあるので電圧は同じです。またΔI=0となります。
(5) (4)でできた式に数値を代入し、その後図1のグラフに線を引いて考えます。
(あ) AからBに電流が流れる→ΔI>0→(4)の式は上に移動する→交点は原点寄りになり電圧は下がるという流れになります。
問2
自己誘導、相互誘導、レンツの法則に関する問題です。
(10)までは基本レベルですので確実に正解するようにしましょう。
(う) レンツの法則により、コイルにより生じた磁束と反対の向きの磁束が増加します。
(え) リング1,2はともに左がS、右がNになります。一方コイルは左がS、右がNになります。
その結果、リング1、2ともにコイルから離れる力が働きます。
【問題講評】どちらの大問も後半はやや難しかった。
D 第3問(熱)
第3問は熱の問題です。
問1
熱力学第一法則、定圧モル比熱に関する空所補充問題です。
ここでの内容が問2の問題を解く際に活かされていきます。
問2
(6) 状態1→2は断熱変化です。T2の温度を求め、そこから内部エネルギーの変化を求めていきます。
(7) (6)と同じように解いていきます。
(8) サイクルは気体の内部エネルギー変化は0であるため、熱力学第一法則よりQ=Wとなります。
また、そのため状態2→3と状態4→1での熱量の和が仕事になります。
(9) 熱効率=仕事/吸収した熱量で求めることができます。
(あ) 論述問題です。2原子分子の性質などが問われました。
【問題講評】典型問題で解きやすい問題が多かった。最後の論述問題は140字以内と文字数が多いのでしっかりと対策しておきたい。
北海道大学物理(2024・総合理系、医、歯、獣医、水産)の入試対策、おすすめ参考書は?
北海道大学物理の入試対策の基本的な流れとしては以下の通りです。
ア 高1・2
→定期テストで高得点が取れるようにしよう
高1・2の間の受験勉強は英語と数学を優先するようにしましょう。
とはいえ、物理の勉強を全くやらなくていいというわけではなく、
・長期休暇中や模試の前の復習
は必ず行うようにしてください。
高2が終わるまでに、定期テストレベルであれば完璧にできるようになるのを目標に勉強を進めるようにしましょう。
また具体的な勉強方法は、
②「宇宙一わかりやすい高校物理」を読んで物理の概念などを理解する
となります。
物理は基本問題の解き方を完璧に理解していないと応用問題を解くことができません。
そのため、ただ問題を解いて終わりではなく、「なぜそうなるのか?」を逐一理解しながら進めるようにしましょう。
また、公式や定理、問題の解き方などは完璧に理解した上で解けるようにして下さい。
イ 高3の1学期~夏休みまで
→力学・熱・波動までを一気に仕上げる
北大の物理は、
・難易度の高い問題が出る
といった特徴があります。
そのため、高1・2のうちに物理の基礎固めを終え、高3の1学期からは入試対策ができる物理の問題集を解いていきます。
ただし、現役生の場合は、1学期のうちは電磁気や原子分野を習っていないことがあります。
そのため、既に習った力学・熱・波動分野を一分野ずつ一気に仕上げるようにして下さい。
具体的には、
②入試標準レベル:「良問の風物理」を解く
③入試発展レベル:「名問の森物理」もしくは「物理重要問題集」を解く
という流れになります。
最初に「物理のエッセンス」で物理の解き方について学び、その後は「良問の風物理」・「名問の森物理」とステップアップをしていきます。
また解く順番としては、まずは出題頻度の高い力学から始め、その後は熱→波動の順でやっていきます。
そして、できなかった問題や知識があやふやな問題は必ず参考書に戻って根本的な内容を理解するようにして下さい。
なお、解説を読んでも分からない場合にはYouTubeで解説動画がありますので、こちらを見て理解を深めるようにしましょう。
また、これらの問題集と並行して1学期で習った電磁気・原子の復習もしてください。
特に電磁気は力学と並んで頻出単元となっています。
加えて内容を理解するのに難しい分野であるため、基礎固めには特に力を入れて取り組むようにしましょう。
ウ 高3の10月まで
→電磁気・原子分野も入試レベルまで仕上げていこう
夏休みが終わってから10月末までには、残りの2分野(電磁気・原子)の問題を集中的に解いていきます。
解く問題集は、力学・熱・電磁気のときと同じで、
になります。
また、定期的に力学・熱・波動の復習もしておきましょう。
これらを10月末までに終わらせ、11月からは過去問演習に入れるようにしてください。
エ 高3の秋~入試直前
→できるだけ多くの問題を解いて実践力をつけていこう
秋以降は問題演習がメインとなります。
ここでやってほしいことは、
②共通テスト対策問題集を解く
です。
A 過去問を解く
名問の森物理や物理重要問題集をマスターした後はいよいよ過去問演習に入ります。
まずは北海道大学の問題を解き、それが終わったら「北海道大の物理」を解くといいでしょう。(赤本の最新版は例年7月ごろに出ます。)
問題をたくさん解くことで北大物理の傾向が身についていきます。
また、夏~秋にかけては北大オープン模試などの北大に特化した模試もあります。
そこに向けて、過去問演習をしっかりと行い、よい判定が出るように仕上げるようにしましょう。
なお、物理の問題をたくさん解きたい場合は、旺文社の「全国大学入試問題正解物理」がおすすめです。
この問題集は全国の主要な国公立大学・私立大学の物理の入試問題が載っています。
ただし、解説はあっさりしていますので、物理が得意な人以外は無理に使う必要はありません。
B 共通テストの対策問題集を解く
北大などの旧帝大では共通テストで高得点を取る必要があります。
そのため、夏休み~秋からは共通テストの対策問題集を解くようにしましょう。
その理由としては、
・解説が詳しく独学でも使いやすい
・河合塾、駿台、東進などさまざまな予備校が出版しているため、自分のレベルに合ったものを使うことができる
からです。
そして、個人的におすすめなのが、河合塾と駿台の問題集です。
まずはこの2冊の問題集から始め、さらに解きたい場合はZ会の問題集もやるといいでしょう。
【まとめ】北海道大物理(総合理系、医、歯、獣医、水産)の難易度や問題傾向、勉強法のポイントとアドバイス
今回の「北海道大物理(2024)の過去問傾向、難易度、参考書や問題集のおすすめは?」についてのまとめです。
・まずは「リードLightノート物理」・「物理のエッセンス」などの問題集をマスターするようにしよう
・次に「良問の風物理」・「名問の森物理」の問題をマスターしよう
・最後は過去問を解いて問題形式に慣れよう
北海道大の物理は標準~やや難レベルの問題が中心です。
そのため、まずは「リードLightノート物理」や「物理のエッセンス」などを完璧に仕上げるようにしよう。