と思っている高校生のみなさん!
今回は「英検準1級のレベルや勉強法、問題集や過去問、単語帳のおすすめは?」についてみていきますよ。
✓内容
✓対象となる人
✓結論
✓記事を書いた人
英検準1級(2023)日程・レベル・時間配分は?
ア 英検準1級の日程(2023)
→年3回実施される
A 2023年の英検準1級の実施日程
英検は年3回(6・10・1月)実施されます。
そして2023年度の英検の日程は、本会場では6月4日(日)、10月8日(日)、1月21日(日)となっています。
ただ、時期によっては中学校の定期テスト週間と重なることがありますので、定期テストの日程と英検の実施日をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
また、準1級では一次試験合格後に二次試験(面接)があります。
ただし、二次試験の日程はどこで受験するかなどによって異なりますので、受験票や英検のHPなどでよく確認するようにしましょう。
B 英検S-CBTは受験回数が多い
なお、英検には英検S-CBTといった験もあります。(英検準1・2・準2・3級のみで実施)
こちらは、
・一次試験は筆記型がタイピング型かを選べる(二次はパソコンに声を吹き込む方式)
・一次試験と二次試験が一日で終わる
・期間内に受験できる回数は決まっている
といった特徴があります。
そのため、会場受験の日程では受験できない人などにはおすすめの試験と言えます。(英検S-CBT試験は従来型の試験と併願できます。)
イ 英検準1級のレベルと必要勉強時間は?
→大学中級レベルの内容で勉強時間は340時間
英検準1級のレベルは大学中級程度で、大学入試でいうと難関大学入試レベルとなっています。
なお、英検準1級の語彙数は7,500~9,000語となっており、2級に比べるとかなり多くなります。
英検にただ合格したいだけであれば過去問題集を解けばいいですが、高校生のみなさんの場合は、大学入試に向けた勉強をしつつ英検の勉強に取り組むことをおすすめします。
そのため、英単語の暗記や長文をたくさん読む、英作文の対策をしっかりとした上で、英検の問題集を解くようにしましょう。
ウ 英検準1級の問題数、配点は?
→一次試験は2,250点満点、二次試験は750点満点
A 英検準1級の配点・合格点
英検準1級の配点は、「一次試験(2,250点満点)+面接(750点満点)」の合計3,000点で、2,304点以上が合格となります。
そして、一次試験では、
・リスニング
・ライティング(自由英作文)
がそれぞれ750点満点で出題されます。
また、英検準1級の合格率は公表されてはいませんが、およそ15%とされています。
2級と比べると難易度がぐっと上がりますので、時間をかけてじっくりと取り組むようにしましょう。
B リーディング・ライティングの配点と合格ライン
リーディングとライティングの問題数は、
・第2問 長文の語句空所補充(6問)
・第3問 長文の内容一致補充(10問)
・第4問 英作文(1問)
で、第1問から第3問までは4択問題ですが、第4問の英作文は記述問題となります。(解答時間は90分)
また、合格ラインは、第1~3問までのリーディングの問題では、
で合計41問中28問が一つの目安となります。(大問1が最も単語レベルが難しいです。)
一方で、英作文は1問しかありませんが、
・構成
・語彙
・文法
の4つの観点から採点されます。
そして、それぞれの観点ごとに0~4点の点数がつけられ、16点満点中何点という点数の出し方をします。
なお、英作文の合格ラインは10点前後です。
C リスニング試験の配点と合格ライン
リスニングの試験は、
・大問2 文の内容一致選択(12問)
・大問3 Real-Life形式の内容一致選択(5問)
で、放送回数は全ての大問で1回ずつの放送であるため、集中して音声を聞きとる必要があります。(解答時間は30分)
また、リスニングの合格ラインは、
で合計30問中20点正解が目安となります。
ただし、リスニングが得意な人は、より高めの目標を設定してもOKです。
D 二次試験(面接)
一次試験に合格すると二次試験があります。
また、試験の流れとしては、
②4コマ漫画の内容を英語で説明する
③4コマ漫画に関する質問に対して答える(1問)
④問題カードのトピックに関連した質問に答える(2問)
⑤社会性のあるトピックについての質問に答える(1問)
となっており、スピーキング(話す)力を問うテストとなっています。
なお、面接の配点は、
・質問に対する答え20点(各5点満点×4問)
・態度3点
となっており、合格ラインは33点中19点以上となっています。
英検準1級(2023)のおすすめ勉強法は?<リーディング・リスニング>
ここで紹介する勉強法については少なくとも2級レベルの英語力がある前提で書いています。
ア 英単語を覚える
→英単語の意味を知らないと点数が伸びない
A まずは英単語の暗記から始めよう
英検準1級合格のための勉強法の一つ目は、英単語の暗記をすることです。
それは英単語の意味を知らないと英文の理解度が下がってしまい、その結果文法問題やリスニングなどあらゆる問題の正答率が下がってしまうからです。
そして、最初に使うべき英単語帳は、ジャパンタイムズ出版の「出る順で最短合格!英検®準1級単熟語EX」です。
この英単語帳は、
・準1級突破に必要な約2,400語の英単語や熟語が載っている
・全見出し語句&例文は音声アプリで視聴できる
といった特徴があります。
そして、「出る順で最短合格!英検®準1級単熟語EX」には、全部で約2,400の英単語が載っていますので、一日100語ペースで一気に覚えるようにしましょう。
B 英単語のおすすめの覚え方は?
英検準1級になると、覚える量が多くなったり、普段なじみのない単語が出てきたりするため、なかなか英単語を覚えられないという人も出てくるでしょう。
そこでおすすめな覚え方としては、最初は英単語と日本語の意味を結び付けるところから始めることです。
例えば、「community」という単語は「地域社会」という意味ですが、これを、
と英語と日本語を交互に声に出して言うようにします。
そして、このやり方であれば、ただ音読をするだけですので、そんなに時間がかかりません。
そのため、1,500個の英単語が載っている単語帳であれば2~3日で1,500個の英単語の音読を一通りすることができます。
それを10周くらい繰り返すとある程度の内容は頭に入っているはずですので、その状態から英単語の暗記を始めるようにしましょう。
そうすることで、スムーズに覚えることができるはずです。
イ 英文法の復習をする
→大学入試対策も踏まえた対策をするようにしよう
英検では文法の問題はあまりありません。
ですが、文法の内容をしっかりと理解しておかないと、長文の意味が掴みづらくなってしまいます。
そのため、高校で習った最低限の文法は復習することをおすすめします。
まずは旺文社の「スクランブル英文法・語法」を解いて文法・語法の基礎固めをし、その後はKADOKAWAの「大学入試 肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編」で文の構造を意識しながら文章を読む練習をするようにしましょう。
また、英検に特化した文法問題集を使いたい場合は、旺文社の「英検分野別ターゲット英検準1級単語・熟語問題」もおすすめです。
ウ 長文を読みながら単語の意味を覚える
→長文を素早く読む練習をしよう
英検準1級では解答時間90分の中で長文を5題読む必要があります。
そのため、英語を素早く読める速読力をつける必要があります。
最初に「英語長文ハイパートレーニング標準編」でスラッシュリーディングのコツを学び、その後は、「英検準1級テーマ別文で覚える単熟語」で単語を覚えつつ、速読の練習もするようにしましょう。
「英検準1級テーマ別文で覚える単熟語」の使い方としては、
②英文ページにある日本語訳を読む
③音声を聞きながら一文ずつ音読する
④カタマリごとにスラッシュを読む
⑤カタマリごとに日本語の意味をつかむ
⑥再度音声を聞きながら一文ずつ音読する
といった流れで進めるのがおすすめです。
こうすることで、「単語の暗記+音読+速読」が同時にできるようになります。
エ 英検の過去問を解く
→時間配分を意識して過去問を解こう
A いきなり過去問を解いてみよう
基礎固めをした後は英検準1級の過去問題集を解き、定着度を確認していきます。
本来は過去問を解く前に、
・リスニングの練習
・英作文の練習
をするのが英語学習の王道ですが、みなさんはそこまで丁寧にやっている時間はなかなかないと思います。(もちろん英検の勉強をじっくりとやりたい人は、過去問をやる前に英検対策問題集を先にやった方が効果的ですのでそちらをおすすめします。)
そこで英検準1級の過去問題集をいきなり解いてみて、そこでできなかった内容だけ別に復習するというやり方がおすすめです。
まずは一通り問題を解いてみて、できなかった問題は解説を読んで理解するようにしましょう。
また、過去問はいろいろありますが、 「英検準1級過去6回全問題集」が定番の問題集でおすすめです。
B 過去問を解くときの注意点は?
英検の過去問を解くときの注意点としては、
・見直しをしっかりとする
・本番と同じように真剣に解く
といったことです。
特に時間を計って解くことが大事で、そうすることによって問題を解くペース配分をつかむことができます。(試験本番で時間が足りないということを防ぐことができます。)
そのため、過去問題集を解くときは試験本番だと思って解くようにしましょう。
C おすすめの時間配分は?
英検準1級の1次試験はリーディング・ライティング合わせて90分となっています。
そしておすすめの時間配分は、
・長文の語句空所補充(6問)→15分
・長文の内容一致選択(10問)→35分
・ライティングテスト(1問)→25分
です。
この時間配分はあくまで目安ですので、実際には何回か過去問を解いてみて自分にあう時間配分をみつけていきましょう。
ウ 単元別対策
→ライティングは配点が高いので注意
A 長文問題対策
英検準1級では、
・社会的・科学的な内容に関する英文
といった長文が出題されています。
2級に比べると文章量が増え、かつ出てくる単語も難しくなっていますので、しっかりとした対策が必要になってきます。
そして、長文が読めるようになるには、
・意味の分からない単語が出てきたら前後の文章から意味を予測するクセをつける
・制限時間内に文章を読み解くスピードをつける
・背景知識を身につける
といったことが必要になってきます。
そして、長文を速く読めるようにするには、英語をカタマリごとに分け、前から順番に読むクセをつけることが大切です。
ここでいうカタマリとは、
②前置詞+名詞があればその前で区切る
③接続詞(and,but,ifなど)があればその前で区切る
④to+動詞の原形<不定詞>があればその前で区切る
⑤分詞、関係代名詞、間接疑問文があればその前で区切る
といったルールを元に文を区切っていったものです。
例として、「The movie which Ken saw last Saturday is popular in America.」という文であれば、
と区切り、
②which Ken saw last Saturday 「ケンが先週の土曜日に見た」
③is popular 「人気がある」
④in America. 「アメリカで」
とカタマリごとに日本語に直していきます。
こうやって英語を前から読む習慣をつけることで、英文を読むスピードは圧倒的に速くなります。
また、英検の問題は一つの段落ごとに設問が用意されている傾向があるため、先に問題文に目を通し、一つの段落を読み終えたら問題を解くようにするといいでしょう。
なお、長文に慣れたい人向けの問題集として、旺文社の「英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題」があります。
この本は全部で41題の文章が載っており、多くの空所補充問題や内容一致問題を解くことができます。
2級までは単語力があれば読める問題が多いですが、準1級からはそれに加え背景知識(一般常識)も必要になってきます。
背景知識とは、
・医療
・歴史(特に世界史)
・社会問題
といったことであり、これらの知識がないといくら単語の意味を覚えても文章の内容が読み取りづらくなってしまいます。
逆に言えば、背景知識があれば、文中に出てくる単語の意味が多少わからなくても押し切れるようになってきます。
そして、背景知識を身につけるには、
・日ごろから世の中で起きている出来事に関心を持つ(ニュース記事を読むなど)
・小論文の対策本などでよく出るテーマについて内容を理解する(SDGs、格差社会、AI社会など)
といったことが必要になってきます。
英検に限らず、大学入試などでも英語ができるかどうかは最後は量にかかってきますので、基礎を固めた後はできるだけたくさんの文章を読むようにしましょう。
B リスニング対策
リスニング問題は配点が高いのでしっかりと対策したいところです。
そして、英検準1級のリスニングは、
・文の内容一致選択
・Real-Life形式の内容一致選択→準1級で初めて出る問題形式
となっていますが、この中では大問2の「文の内容一致選択」はやや難易度が高めです。
そのため、まずはそれ以外の大問で点が取れるようにしましょう。
また、リスニングの勉強方法ですが、まずは普通に英検準1級対策問題集のリスニング問題を解きます。
その後丸つけをし、間違えた問題や聞き取りにくかった問題は文を暗唱します。
そして、暗唱する際のポイントとしては、アプリ(CD)から流れてくる音声を聞き、それに続いて声に出して読むことです。
ここでの注意点は、流れてくる音声をそっくりそのまま真似て音読することです。
そうすることで英語のアクセント、リズム、強弱などが分かるようになります。
そして、それを繰り返すことで次第に聞き取れる音が増え、リスニング力がアップします。
また、もう少しリスニングの問題をやりたい人は、旺文社の「英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題」もおすすめです。
英検準1級(2023)のおすすめ勉強法は?<ライティング・面接対策>
ア ライティング
→模範例文を片っ端から覚えると書けるようになる
A ライティングの問題形式
英検準1級のライティングは問題が1問ですが、配点が750点と多いためしっかりとした対策が必要になってきます。
ただ、ライティングの問題は、
・序論→本論→結論の順で書く
・質問内容はテクノロジー、グローバル化、環境問題、教育、健康など、社会問題に関するものが多い
・型にあてはめて書くことができる
といった特徴があるため、対策はしやすいです。
B ライティングの採点基準
英検準1級のライティングの採点基準は4項目あり、それは、
内容 | 読み手に説得力のある理由が書けるかどうか |
構成 | 自分の考え+理由の構成ができているかどうか |
語彙 | スペルミスがないか、同じ単語を使っていないか |
文法 | 正しい文法で書けているか(文法ミスは減点)、動詞の時制は正しいか |
となっています。(1項目0~4点の採点で行われ、10点以上が合格ラインとなります。)
そのため、ライティングの練習をする際には、これらのことを意識しながら書いていくとよいでしょう。
また、
・英語以外の言葉を使っている(例 ringo→正しくはapple)
場合には減点されてしまいますので気を付けてください。
C まずは型を理解しよう
ここからは英検準1級のライティングの対策についてみていきます。
まずは英作文の型を理解するようにしましょう。
英検準1級のライティング問題は、
というように英文で聞かれ、それに対し英文で答えていく形式となっています。
そして、答え方としては構成(型)が決まっており、上の例題であれば、
【理由①】The first reason is that 〜.
【理由②】The second reason is that 〜.
【結論】For the two reasons mentioned above, I think we can say with confidence that 自分の意見(結論).
といったように、最初に自分の意見を書き、その後理由を2つ書くといったフォーマット(定型文)を使っていくことが基本となります。
上の方を元に、後は「~」の部分にみなさんが思いついた内容を入れていけば完成です。
また、「~」の部分はいきなり書くのではなく、まずはメモを取ってから書く内容を決めるようにしましょう。
D 表現の幅を増やすために例文を暗唱しよう
ただし、型を知ったところで、ある程度の英語表現を知っていないと英作文を書くことができません。
そのため、「英検準1級最短合格!ライティング完全制覇」などの問題集を使って、一つでも多くの文章を暗唱するようにしましょう。(ただしある程度の単語力・文法力が必要です。)
そうすることで、スラスラと英文が書けるようになってきます。
また、書いた文章は学校の先生や塾の先生に添削してもらうといいでしょう。
イ 面接対策
→ライティングと同じように解答例を覚えるところから始めよう
A 面接の問題形式
二次試験では面接試験があります。
英検2級の二次試験(面接)の問題数は4問で配点は750点ですので、しっかりと面接の対策をしないと合格することができません。
英検準1級の問題形式は、カードに書かれている4コマ漫画の内容を面接官に英語で説明し、その後、カードに書かれている内容に関する質問に答える問題と、受験生自身の意見を問う問題と計4問出題されます。
・第2問 問題カードのトピックに関連した質問
・第3問 問題カードのトピックに関連した質問
・第4問 社会性のあるトピックについての質問
このように問題形式は決まっていますので、何度も練習をして仕上げるようにしましょう。
B 面接の採点基準
英検準1級の面接試験の採点基準は3項目あり、それは、
ナレーション (15点) | ・発音・アクセントの言い間違えはないか? ・意味を理解して読んでいるか? |
質問への応答 (5点×4) | ・質問に対する答えになっているか? ・文法的な間違えはないか? ・長い沈黙がないか? |
態度 (3点) | ・面接官の目を見て答えているか? ・身振り手振りを交えて自分の意見を積極的に伝えているか? |
となっています。
面接の練習をする際には、これらのことを意識しながら話していくようにしましょう。
C 英検準1級面接に向けた対策は?
実は英作文と面接(スピーキング)は書くか話すかの違いはありますが、英語で何かを表現するという点では同じです。
そのため、英作文の勉強の際に例文を暗唱した人は、その時点でかなりの英語表現を身につけているはずです。
そして同じことを「英検準1級スピーキング大特訓」のような面接対策用の問題集でやっていくようにしましょう。
この問題集は、前半に暗唱例文が、後半に模擬テストがあります。
時間に余裕のある人は、前半部分の例文を暗唱し、使える表現を一つでも多く覚えるようにしましょう。
そうすることで、模擬テストに取り組む際にスラスラと話すことができるようになります。
また、話した内容が合っているかどうかが不安な人は一度学校の先生や塾の先生に見てもらうことをおすすめします。
【まとめ】英検準1級のポイントとアドバイス
今回の「【英検準1級】合格のための勉強法とおすすめ問題集や過去問は?」についてのまとめです。
・まずは英単語の暗記+長文の多読から始める
・次に過去問題集を解く
・必要に応じて長文、リスニング、英作文、面接の対策もやる
英検を受けることで英語の力が高まります。
高3になるまでに準1級に合格すると余裕を持って受験に臨むことができます。