久しく隔たりて会ひたる人の【徒然草】の口語訳、あらすじ、解説

 豊橋市の個別指導型学習塾「とよはし練成塾」の西井です。当塾は大学受験・定期テスト対策に評判のある個人塾です。今回は「久しく隔たりて会ひたる人の【徒然草】の口語訳、あらすじ、解説」についてみていきます。

 

 

1「久しく隔たりて会ひたる人の」の大意

 

 徒然草は鎌倉時代に成立した随筆で、著者は兼好法師です。枕草子にならって自然の風物や、世間の風俗など、日ごろ見聞きした事柄が書かれています。

 

 その中で「久しく隔たりて会ひたる人の」は以下のようなあらすじです。人の名前を聞くと、その人の顔を想像したりするが、会ってみると思った通りの顔をした人はいない。昔の物語の中に出てくる場面や人を、今の場所と人を思い比べるのは、私だけでなくみんなそうなのであろうか。

 

2 久しく隔たりて会ひたる人の【徒然草】の本文、口語訳

 

①久しく隔たりて会ひたる【文法:完了(~た)】人の、わが方にありつる【文法:完了(~た)】こと、

 長い間離れていて(久しぶりに)会った人が、自分にあったことを、

 

②数々に残りなく語り続くるこそ、あいなけれ。

 いろいろと残さず語り続けることは、本当につまらない。

 

隔てなく慣れぬる人も、ほど経て見るは、はづかしからぬかは【文法:反語(~か、いや)】。

 隔てなく慣れ親しんだ人でも、しばらくたって会うのは、気恥ずかしくないことがあろうか、(いや気恥ずかしい。)

 

つぎさまの人は、あからさまに立ち出でても、

 二流の人は、ちょっと出かけても、

 

⑤今日ありつることとて、息もつぎあへず語り興ずるぞかし。

 今日あったことといって、息もつけないほどに面白がって話をするものだよ。

 

⑥よき人の物語するは、人あまたあれど、

 教養もあって身分の高い人が語るのは、人が多くいても、

 

⑦一人に向きて言ふを、 おのづから人も聞くにこそあれ。

(その中の)一人に向かって話をするので、自然と(その他の人も)聞くものなのである。

 

⑧よからぬ人は、たれともなく、あまたの中にうち出でて、

 教養もなく身分の低い人は、誰ともなく、大勢の中に出しゃばって、

 

⑨見ることのやうに語りなせば、みな同じく笑ひののしる、いとらうがはし。

 見たことのように語ったりするので、皆も同じように笑い騒いで、ひどく騒がしい。

 

⑩をかしきことを言ひても、いたく興ぜぬと、

 おもしろいことを言っても、それほどおもしろがらないので、

 

⑪興なきことを言ひてもよく笑ふにぞ、品のほど計ら【文法:可能(~できる)】【文法:強意(きっと)】べき【文法:推量(~だろう)】。

 おもしろくないことを言ってもよく笑うことによって、(その人の)品格を推し量ることができるだろう。

 

⑫人のみざまのよしあし、才ある人はそのことなど定め合へ【文法:存続(~ている)】に、

 人の外見の良し悪しや、学識のある人はそのことを批評しあうのに、

 

⑬おのが身をひきかけて言ひ出でたる、いとわびし。

 自分自身を引き合いに出して論じ出したりするのは、とてもがっかりするものだ。

 

 

 

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